bakuten新体操クラブ大阪 & ソルクス体操クラブ ~2022花園大学新体操部発表会①

2月17日、3年ぶりに有観客で開催された花園大学新体操部発表会は、いつも通り、花園大学らしいこだわりとアットホームさにあふれた素敵な発表会だった。

ほとんどの人にとって2019年ぶりの発表会だったはずだが、2019年度(開催されたのは2020年2月。あと1週間遅かったら新型コロナ感染拡大でできなかったギリギリのタイミングだった)の発表会では選手として踊っていた竹内陸さんが今は監督となり、今年は大きな成果を上げているのだから、そこには長い時間の経過を感じずにはいられない。

※2019年度花園大学発表会の記事 ⇒ http://gymlove.net/rgl/topics/report/2020/02/22/29-31/

今年の発表会で演じられた作品も素晴らしいものばかりだったが、とても印象に残ったのは、花園大学の卒業生たちが指導しているチーム、選手の演技だ。

社会人大会団体優勝、全日本選手権出場、全日本ジュニアやオンライン競技会での男女MIX団体の演技披露など、今年話題が多かったbakuten新体操クラブだが、その大阪支部の子ども達による団体が花園大学の発表会に出演していた。

チームを組んでからまだ日は浅いということだったが、「花園大学の演技にあこがれている」という言葉通り、じつに花園大学のエッセンスを感じさせる選曲、振付だった。指導しているのは、北原翔太(花園大学2014年度卒)さん、上野颯太郎(花園大学2019年度卒)さん。なるほど! 花園エッセンス濃いめなわけだ。

愛知県からスタートしたバク転パーソナル教室だが、現在は全国に展開中。そして、大阪では男子新体操のクラスもスタートしていたのだ。新しいチームらしく、5人編成だったし、女子も含まれていた。それでもすでにかなり新体操らしい動きを身につけていたし、雰囲気を出せていた。なによりも「楽しくやっている」ことが伝わってくるチームだった。

この先は、きっともっと仲間も増えるんじゃないだろうか。先が楽しみなチームがまたひとつ増えた。

 

そしてもう1チーム。ソルクス体操クラブ(兵庫県)だ。

ソルクスは、すでに全日本ジュニアにも駒を進めているが、男子新体操クラスがスタートしてからまだ3年だという。

しかし、この日、演技披露を行った全日本ジュニア出場チームは、じつに堂々とした演技を見せてくれた。ジュニアの大会上位チームと比較するなればまだ安定感などは劣るのだろうと思うが、体線の美しさなどは、ジュニアとしてはかなり高いレベルにあると感じた。こちらを率いているのは知る人ぞ知る谷本竜也(花園大学2010年度卒)さん。

花園大学では個人選手として活躍していた谷本さんだが、もとは井原高校出身で高校時代は団体での全国制覇にも貢献している。その経験が生かされ、かつ、花園らしさも感じられる演技であり、選手たちだった。

以前は、花園大学というと指導者になる、新体操の現場に残る人があまり多くない印象があった。

しかし、近年はかなり変わってきた。

この先、ジュニアの世界でも、「花園大学卒業生の教え子たち」がひとつの流れを作っていきそうな予感がする。

今回の発表会の集団演技などを見ても、やはり花園大学の動きには「花園大学らしさ」がしっかりと根付いている。

競技会での成績はそのときの実施次第でもあるし、水モノな部分もある。が、見る人に伝わる「らしさ」も、評価とは別次元で大切なものだな、と改めて感じた。

花園大学で新体操をやってきた元選手たちは、きっとそのことを誰よりもわかっているのだ。

彼らが育てる選手たちが、どんな花を咲かせるのかおおいに楽しみにしたいと思う。

TEXT & PHOTO:Keiko SHIINA