映画「バクテン!!」公開へのカウントダウン企画⑯~2011大舌恭平

「新体操は女子がやるもの」 そう思っている人はいないだろうか。
男子にもれっきとした新体操が競技として存在する。
しかも日本発! 女子の優雅さとはうって変わって、 男らしい力強さとダイナミックな演技が特徴。
昨年テレビドラマの題材にもなり、注目を集めつつある。
2010年度学生チャンピオンで、この春大学を卒業し、 男子新体操で培った身体能力の高さを活かし、パフォーマーの道に進む大舌恭平に話を聞く。


 

(『DDD』2011年4月増刊号)

 

Kyohei Oshita 大舌恭平

1988年生まれ。岡山県出身。2003年全日本二戸団体優勝、2005年高校選抜大会個人優勝、高校総体団体優勝、岡山国体総合優勝。2006年高校総体個人優勝。2010年全日本学生選手権優勝、全日本選手権準優勝。 兄と弟も新体操選手である。

~ 男子新体操を始めたのは、どういうきっかけだったのですか?
「地元の岡山国体のための強化でクラブチームを立ち上げたときに、 親が勝手に申し込んでいたんです。 10歳のときでした。その時は正直自分の意思ではありませんでした(笑)」


~それなのに12年間続けてこれたのは、新体操の何が魅力だったんでしょうか?
「はじめはいろいろなことができるようになるのが、楽しくて夢中になりました。 そして、 高校生くらいから観客に見てもらうこと、そこで観客から「おおっ!」 という反応が来ることの楽しさがわかるようになりました。 そこから演技の見せ方をすごく意識するようになって、新体操がますますおもしろくなってきました」

~大学に進学してからも、競技ではかなり活躍されて、 大学4年のときは学生チャンピオンにもなりましたが、大学卒業後はどういう方向に進まれるのでしょうか?

「青森大学在学中に立ち上がったBLUE TOKYOという男子新体操選手によるユニットの活動を本格的にやっていくことになります。 新体操の現役選手や経験者で構成してしているユニットなので、 普通のダンサーではできないこともやれる、 その強みを生かしていろいろなことに挑戦したいです。 もちろん、 個人での活動もダンスも歌でも芝居でも何にでもチャレンジしたいと思っています」

~今までにダンスの経験はどのくらいあるのでしょうか?
「ダンスを本格的には習ったことはないです。今までは“人と違うことがやりたい"" 派手なことが好き”という自分らしさを生かした演技をするために、動画やビデオでさまざまなジャンルのダンスを見ては研究して、見様見真似で取り入れていました」


~今、 男子新体操に対してはどんな想いを持っていますか?
「新体操をやっていたおかげで、今、新しい道が開けてきて、 いつまでも自分がパフォーマーでいたいという自分の夢がかなう可能性が出てきました。 それだけの魅力のある新体操をぜひ多くの人に見てほしいと思います。男子新体操というスポーツがもっと盛んになり、今、このスポーツをやっている子どもたちにも夢が与えられるように、これから自分は新しいステージで、頑張りたいです」

 



BLUE TOKYO~  

 “新体操のプロとして通用する人材を作りたい”という想いから青森山田高校 男子新体操部監督・荒川栄氏が立ちあげたユニット。 ユニット名は、 "青森から東京、そして世界へ”とのことで、 青森の 「青」、世界に通用する都市 「東京」を拠点にという想いが込められている。 メンバーは、 青森大学男子新体操部の現役部員およびOBによって構成され、研ぎ澄まされた肉体と高い芸術性を兼ね備えたバフォーマンスは一見の価値あり。 そのクオリティーは多方面から評価され、 DA PUMPや三浦大知らが出演するダンスフェスタ 「UNITED」にレギュラー出演、多方面に活躍の場を広げている。

 

~映画「バクテン!!」公開まであと17日~

※映画公式サイトはこちら。 ⇒ https://bakuten-movie.com/

TEXT & PHOTO:Keiko SHIINA