映画「バクテン!!」公開へのカウントダウン企画⑥~2010光明学園相模原高校

 2010年4月からTBSテレビでドラマ「タンブリング」の放送が始まり、さっそく「男子新体操の記事をお願いしたい」というオファーがあって実現したのがこの「高校生新聞」の記事でした。

 このとき、取材させていただいた光明学園相模原高校は、この後もずっと新体操部が存続しており、その間には多くの優秀な選手を輩出。社会人選手、指導者として活躍する例も多く、「新体操大好き!」人を育て続けています。今年は、先日行われたユースチャンピオンシップで貝瀬壮選手が光明相模原初のユース優勝を成し遂げ、男子団体選手権でも2位。この夏のインターハイでの活躍が期待されています。

男子新体操、華麗に力強く

(「高校生新聞」2010年6月10日号)


 近年、テレビドラマやCMに登場し、注目を集めている男子新体操。 マイナー競技といわれながらも、ダイナミックな演技には見た者の多くが魅了される。
 実際に競技に取り組んでいる光明学園相模原(神奈川)の部員らの思いも交え、男子新体操の魅力を紹介する。



 リボンなどの道具を使い、 美しさを競う女子の新体操と男子では、ルールも魅力もかなり違う。


●最大の魅力はタンブリング

 男子新体操の最大の魅力は、やはりタンブリングだろう。タンブリングとは、フロアマットの上で縦横無尽にバック転や宙返りをすることを指す。これにあこがれて、 新体操を始める人も多いという。さらに、団体競技においては、 「組み」 と呼ばれる組み体操のような技も見せ場になる。さまざまな形で選手の上に選手が乗り、 さらに上を飛び越える様子は息ほどの迫力だ。
 さらに近年では、 ダンス要素を取り入れた斬新な演技も増えてきてきて男子新体操の新しい魅力を見せている。

 ただ、競技人口が少ないため、部員不足に悩む学校も少なくない。伝統校である光明学園相模原もその一つだ。しかし、「今年は初心者の入部もあり、部もあり、 14人になりました」と貝瀬仁史監督 (39)。 「テレビドラマなどで男子新体操に興味を持った生徒が、 部活を見に来るようになったのです」と続ける。

●地道な練習が欠かせない

 華麗な演技が魅力の新体操だが、同校の練習内容は意外に地味なものだった。 念入りな柔軟や筋トレがたっぷり1~2時間。本番でのダイナミックな演技のためには、日々欠かせないトレーニングなのだ。
 さらに、団体演技 (6人)はメンバー全員の動きをそろえることに気が遠くなるほどの時間を費やす。 そして、本番では一つのミスが命取りになり、 結果に恵まれないこともある。

 それでも、竹内慧太(1年)愛知半田中出身=は、 「新体操は自分がどれだけ演技に集中できるかが勝負です。集中して満足のいく演技ができたときは、順位がどうであれ気持ちいい」と言う。 また、主将の渡辺純平(3年)=同中出身=は「団体では全員が気持ちを一つにして、それぞれの力を出し切れたら、きっと最高の達成感が得られると思う」と意気込みを見せる。

 対戦型の競技では、相手との力の差によっては自分たちの力を出せないまま試合が終わってしまうことがある。 だが、 新体操にはそれがない。 会場中の視線を浴びながら、 自分たちの最高の演技ができたときの達成感。 それが彼らを新体操に夢中にさせているのだ。

◎男子新体操 女子とは違い日本発祥のスポーツ。 国際化を目指して活動しているが、 現在はほぼ日本だけで行われてい
る。団体競技は6人編成で道具を持たない演技を3分間行う。採点は構成・実施それぞれ10点の20点満点。 個人競技には、
沖縄インターハイで競われるスティック、クラブのほか2種目ある。 競技人口が少ないため、 2008年を最後に国体種目
から外れたが、近年はテレビを中心に注目度が高まっている。

 

~映画「バクテン!!」公開まであと26日~

※映画公式サイトはこちら。 ⇒ https://bakuten-movie.com/

TEXT:Keiko SHIINA