活躍の場を広げる大学生選手たち~東京女子体育大学

全日本選手権から1週間。

熱戦の興奮も冷めやらず、だが、今週は東日本学生新人新体操選手権大会/東日本学生新体操交流大会が行われている。

この大会には、日本女子体育大学、東京女子体育大学、国士舘大学、日本体育大学、仙台大学、立教大学、早稲田大学、北翔大学から選手が出場しているが、目につくのが東京女子体育大学の出場選手の多さだ。

じつは東京女子体育大学の選手たちは、全日本選手権の前週に福岡県宗像市で行われたサニックス国際新体操団体選手権にも出場している。

それも1チームではなく、ボール×5に3チーム、フープ×5に4チーム、フープ&クラブに3チーム(複数種目に出場しているチームも含む)も出場していたのだ。

東京女子体育大学に限らず、このところ、大学生たちが様々な大会に出場することが増えたなあ、と感じる。

以前は、ジュニアはたくさんの試合があるが、高校生、ましてや大学生になると試合数は激減する傾向にあった。

そして、そのため、東女や日女のような部員数の多い部に所属すること=大学では試合にはほとんど出られない、というケースが多かった。

もちろん、大学の新体操部には盛大な演技発表会があり、試合以外の目標ももてるだろうし、その経験で成長もできると思う。

それでも、大学生になっても「試合に向けて頑張る経験」をしたいと願う選手も少なくないはずだ。

この10年くらいだろうか。

様々な大会で、シニア部門もでき、そこに大学生が出場するケースが増えてきた。

今回のサニックスでもそうだったが、チャイルドやジュニアも出場している大会に大学生が出る、それもトップレベルのチームの大学生が出ることには大きな意味がある。この2年間は、自分の出番後に会場に残って観戦できる機会はなくなっているが、いずれそれが復活したときには、チャイルドやジュニア選手たちは、大会に出ることによって大学生の演技を目の当たりにすることができる。そして、それが憧れになり、新体操を続けていくモチベーションにもなるはずだ。

大学生たちにとって、大会に出場することは、自分たちのためだけではない。

後進たちのためにも、ぜひ今後もこういう機会は増やしてほしいと思う。

この週末に行われている新人戦/交流戦でも、多くの大学生が頑張っている。

高校までに輝かしい実績を残した選手たちだけが活躍できるのが大学の新体操ではない。

大学生になってからもずっと成長できる。

そんな部活動のあり方が、これからのスタンダードになってほしいと思う。

TEXT:Keiko SHIINA     <写真提供:東京女子体育大学>※サニックスCUPにて撮影