インターハイの余韻の中でインターハイの思い出を振り返る②

●2006年大阪インターハイ⇒この年は、東京から大阪まで貸し切りのマイクロバスで往復しました。知人が借りたバスに便乗させてもらう形でしたが、なかなかハードな旅で、運転手を引き受けてくれていた方が何回も「眠い」と言ってSAに寄りまくりだったことを覚えています。この年のインターハイは、初めて取材で入ることができ、女子の記事を書いたのですが、男子新体操もこの年初めてかなり真剣に見て感動したため、男子にも記事で触れさせてもらいました。前年優勝の精研高校は、この年から井原・精研高校に名称変更。不利と言われる試技順一番でしたが、度肝を抜く演技で高得点をたたきだし、そのまま逃げ切り優勝しました。2位の青森山田高校、3位の神埼清明高校も素晴らしい演技で、「え? 男子新体操ってすごいのでは?」と無理やり記事に付け足したのでした。ちなみに、この年の男子個人は、大舌恭平(井原・精研高校)が優勝、2位は北村将嗣。2010年には全日本選手権で至高の対決をすることになる二人でした。女子団体は、2年ぶりに別府鶴見丘が優勝、個人は庄司七瀬が連覇を達成し、2位にはのちに世界選手権に出場することになる日高舞(東京学館浦安高校)でした。

●2007年佐賀インターハイ⇒この年のインターハイには行きませんでした。東京に住んでいたので佐賀が遠かったというのもありますが、会場が狭く入場できるかわからないという情報が流れていたので、おじけづいてしまったのです。実際、この年は、会場には観客が入りきれず、別会場でライブビューイングができるようになっていたそうですが、そこもすぐにいっぱいになってしまったとのこと。なかなか大変な大会だったようです。男子団体は、地元・佐賀県の神埼清明高校が優勝、2位が小林工業と「九州の大会」の様相に。個人は、現在もシルク・ドゥ・ソレイユで活躍中の野呂昂大(光明学園相模原高校)、女子団体も地元・佐賀女子高校が優勝し、個人では庄司七瀬が3連覇を達成しました。ちなみに今年の国スポが開催されるSAGAサンライズパークのアリーナは、このときの会場とは違って観客も十分入れます。ご安心ください。

●2008年埼玉インターハイ⇒前年の佐賀も入場が大変でしたが、この年、埼玉も凄まじかったです。関東での開催だったため、関東圏の出場校の応援も多く、日本でも屈指の暑さの埼玉の猛暑の中、炎天下で会場に入れない人たちの列が延々と続いていました。私はこの年、『高校生新聞』の取材で会場に入ることができ、鹿児島実業の樋口監督にインタビューすることができました。すでにコミカル演技が話題になっていた鹿実ですが、この年は団体ではインターハイ出場できず。個人選手だけを連れてきていた樋口監督にいろいろとお話を聞くことができました。男子は、団体が小林工業高校、個人は日高祐樹(小林工業高校)、2位は菅正樹(日出暘谷高校)、3位が佐々木智生(光明相模原高校)と斉藤剛大(袖ヶ浦高校)。現在は、小林秀峰監督の日高氏、倉敷芸術科学大学監督の菅氏、青森大学監督の斉藤氏と、思えばなかなか凄い表彰台の顔ぶれでした。女子は団体で藤村女子高校が11年ぶりの優勝、個人は2009年の世界選手権に出場し、現在は、イオンでコーチを務めている穴久保璃子(千葉大宮高校)が優勝しました。

●2009年和歌山インターハイ⇒この年は現地観戦できていません。男子は団体が青森山田、個人が小林翔(青森山田)と青森山田イヤーでした。女子団体は、佐賀女子が優勝し、名将・光岡監督の勇退に花を添えました。女子個人は、前年の穴久保氏に続き、イオン所属の山口留奈(千葉大宮)が優勝。この山口氏は、世界選手権にも複数回出場したのちにリオ五輪後~東京五輪までフェアリージャパンのコーチも務めました。

●2010年沖縄インターハイ⇒台風直撃の中、沖縄で行われたこの年のインターハイは、ハイシーズンで飛行機のチケットも最高値、ということで行くことを断念。女子は団体が佐賀女子の連覇、個人も山口留奈の連覇というで波乱なしでしたが、男子はかなり大荒れでした。個人は、この年、高校生になったばかりの臼井優華(済美高校)の優勝が有力視されていましたが、まさかの落下があり、斉藤良輔(埼玉栄高校)が優勝、臼井氏は2位でした。団体は、神埼清明高校が優勝しましたが、2位の盛岡市立高校も素晴らしく、語り継がれる激戦でした。3位の小林秀峰高校(この年から名称が小林秀峰に)が演技冒頭で見せた3段ピラミッドからの全員伏臥は、初見の人は100%「事故か?」と思うリスキーな技で、今も語り継がれる伝説となっています。

●2011年青森インターハイ⇒男子新体操先進県・青森で開催されたこの年のインターハイ。私は夜行バスで青森に向かいました。その後、頻繁に青森へは夜行バスで行くことになるのですが、このときが初めての夜行バスでの青森行きでその遠さに愕然としたものです(その後、すっかり慣れました)。この年は事前の営業活動が実り、某新聞社の取材で入ることができました。注目の男子は、団体で青森山田がまさかのミスで2位に沈み、優勝したのは岡山県立井原高校でした。精研時代から数えれば5年ぶりの優勝でしたが、2008~2010の3年間が表彰台も逃していたため、まさに「シン・井原」の誕生で、現在まで続く「井原ブランド」はこの年に爆誕したと言えると思います。個人は、臼井優華が優勝。2位は平野泰新(青森山田)、3位は永井直也(青森山田)と開催地枠を生かして2名が出場した青森勢が2人表彰台にのるという青森の充実期でした。女子は団体は佐賀女子が3連覇。個人は、のちに世界選手権にも出場する三上真穂(昭和学院高校)が優勝しました。某新聞の記事は、何を取り上げるか決まっていなかったのですが、大会の結果を見て、井原高校の団体優勝になり、紙面一面を使った大きな記事になりました。また、この年は、3月に東日本大震災が起きており、被災地である東北での開催でしたが、2007年以来の団体出場となった鹿児島実業高校のコミカル演技が会場に笑いを届けました。

<まだ続きます>

 

※今年のインターハイの演技、すでに「インハイTV」でアーカイブ公開されています!※

↓  こちらがアーカイブです、(個人、団体とも公開中)

https://inhightv.sportsbull.jp/competition/2

 ※インハイTVの画面上からDVDの申し込みもできます。