佐賀女子 VS 佐賀北の激突!に注目~2024高校選抜
今年の9月に、国スポ開催を控える佐賀県。
その佐賀県の女子の覇権争いが今年、かつてなく熾烈だ。
新体操の伝統校・佐賀女子高校と、進学校ながら全国レベルの部活も多い公立高校の雄・佐賀北高校。
この2校の力がかなり拮抗しているのだ。
高校選抜直前の3月16日、佐賀北高校を訪ねてみた。
佐賀県には絶対女王・佐賀女子高校があるため、近年、力をつけてきているとはいえ、佐賀北高校にはなかなかインターハイ出場の機会はめぐってこない。高校選抜出場も、今回が4回目。前回出場は、2021年3月の北海道大会だった。
このとき、佐賀北は12位。佐賀女子は11位だった。
今年は、3年ぶりの高校選抜出場となる佐賀北の練習は、かなり充実していた。
普段は、練習時間も短いと聞いているが、この日は土曜日でいつもより長時間の練習だったため、試合直前だと省略しがちなバーレッスンなどもしっかりやっており、作品練習に入るまでにかなりの時間を使っていた。
そして、いざ作品練習が始まると、その演技には「上り調子」のチームならではの勢いがあった。
追うものの強み。
今の佐賀北にはそれが感じられる。
佐賀県内で佐賀女子に勝つことは容易ではない。その壁の厚さに悔しい思いもたくさんしてきただろうことは想像に難くないが、その壁に何度も跳ね返されてきたからこそ培われた強さが今の佐賀北にはある。
ぜひ注目してほしい。
翌日、3月17日には佐賀女子高校を訪ねた。
高校選抜が行われる埼玉への出発を翌日に控えた、まさに直前練習だったが、この日も佐賀女子の練習は極めていつも通りだった。
朝9時に練習が始まり、ゆうに1時間40分は、基礎練習にあてていた。
ランニングから柔軟、バーレッスン、アップ。ひとつひとつ丁寧に行っており、とても試合直前とは思えない粛々とした空気がそこにはあった。
この日は、大会当日の日程通りにに則って練習が行われており、基礎練習にはたっぷり時間を使っていたが、作品練習に関しては、大会当日の公式練習に合わせて短い時間の練習を細切れに行い、通しまでもっていっていた。
佐賀女子のメンバーには、昨年のインターハイ経験者が1人しかいない。
今回の高校選抜が初めての全国大会出場という選手が多いのだ。
この日の練習を見ていても、経験の浅さゆえの苦労はしている、と感じた。
が、大会直前でも2時間近くかけて基礎をやっているだけのことはある、と思わせる所作の美しさはある。
レギュラーメンバーはもちろんのこと、隣のフロアで練習していたBチームを見ても、もれなく美しかった。
たしかに今年の佐賀北は強いが、佐賀女子もまた、佐賀女子ならではの魅力ある演技を見せてくれた。
年度終わり、シーズン始めの大会である高校選抜は、どのチームにとっても、ノーミスで通すことはなかなか難しい大会だ。
ましてや女子は、この大会に今シーズンの新しい作品をぶつけてくることが多く、まだ完成度が上がりきっていないことも多い。
佐賀県から出場する2校もその点ではまだ苦労しているようには見えた。
だからこそ、本番では思い切りよく、自分たちの持ち味を発揮できる演技をしてほしいと思った。
先日、記事を公開した千葉県立東金高校もそうだが、県に複数の有力校があり、なかなか全国大会への出場機会がないチームは、高校選抜という舞台をおおいに楽しんでほしいと思う。緊張で力を出し切れないなんてもったいない!
今年は埼玉開催、そして祝日でもあるのできっと観客も多いだろう。
そんな場で演技できることを心から楽しんでほしいと思う。
県内での競争が激しくなってくると追われる側は常に大きなプレッシャーを抱えているだろう。
でも、そのプレッシャーがあるからこそ、得られる強さもあるはずだ。
いざ高校選抜という舞台に立てば、県内でのライバルは同じ県から出場する同朋だ。
2校が切磋琢磨する佐賀県の強さを、全国に見せつける! そんな気持ちをもってGO!佐賀県女子!
※高校選抜大会団体競技は、埼玉県熊谷市・彩の国くまがやドームにて、3月20日に開催されます。
観覧無料、入場制限はありません。可能な方はぜひ足をお運びください。