「3年間の軌跡」(鹿児島実業高校)~KAGF2024

3月3日に開催されたKAGFをおおいに沸かせたのは、やっぱりこのチーム!

そう鹿児島実業高校だ。

すでに神埼ジュニアの公式YouTubeで動画も公開されている。

※  ↓  鹿児島実業のKAGF2024での演技はこちら。

 https://www.youtube.com/watch?v=ufiNORiOlRA

このところ公式大会ではすっかりまじめ路線で、着実に実績も積んでいる鹿児島実業だが、こういった演技会となると鹿実の真骨頂ともいえる「コミカル演技」を披露。そして、その完成度の高さと言ったら驚きなのだ。

最近の鹿実は、コミカル演技でさえも、ここ2年連続して全日本選手権にまで駒を進めている力はだてじゃない! そう示してくれる。

しかも。

今回のKAGF2024で演技披露をしたメンバーは6人全員が3年生。

インターハイなどでは控えに回っていた選手も含まれていた。

3月の頭といえば、3年生は部活をとっくに引退しているはず。それなのに、ここまでの完成度の演技ができたのはなぜなのか?

樋口監督に聞いてみると、「もう3年生はほとんど登校もしない時期になっても彼らはずっと練習にきて、ひたすらこの演技を練習していましたから。」という答えが返ってきた。

KAGFでの演技は彼らにとって「高校ラストステージ」だった。

彼はその舞台を最高のものにするために、もっとも解放感に満ち溢れた高3の卒業前という時期に体育館で汗を流していたのだ。

その努力は、この日の演技と、観客の歓声、拍手でおそらく報われたのではないかと思う。

そして、特筆しておきたいのは、鹿実のこの学年はほとんどの選手が新体操は高校始めだったということだ。

キャプテンを務めていた柳原選手は体操のスクールに通っていた経験はあったそうだが、他の選手たちは高校に入ってから男子新体操を始めたのだという。

それでも3年間でここまでになる。

それが鹿実の育成力だ。

ここ数年は全国でもトップレベルでは? と思うほどの部員数になっていた鹿実。

樋口監督は、「数は力です」とよく言う。

部員が多ければ、自然に競争が生まれ、みんながどんどん上手くなる。

追い上げてくる選手がいれば、レギュラーも気を抜けず、より向上する。

近年の鹿実は、まさにそんなチームになってきている。

KAGF2024での鹿実のパフォーマンスは、ただ面白いのでも、ただうまいのでもない。

「高校生が3年間、夢中になって打ち込めばここまでできる!」、そんな希望を見せてくれたのだ。

今回のKAGFでの様子は、3月20日のテレビ番組「てゲてゲ」(南日本放送)でも放送予定。

また、3月19~20日に埼玉県越谷市で開催される高校選抜大会にも、団体、個人とも鹿児島実業は出場する。

今年の3年生のうち3名は大学でも新体操を続けるのだそうだ。

さらに、4月にはすでに6名の新入生が入ってくる予定だとのこと。今年も鹿実の勢いは止まりそうにない。