国士舘大学、女子団体総合優勝!~2023年全日本インカレ

「逆転の国士舘」

そんなキャッチフレーズをつけたくなるくらい今年の国士舘は、勝負強い。

東日本インカレでは、「フープ×5」では、東京女子体育大学の後塵を拝したものの、「リボン&ボール」で逆転し団体総合優勝。

全日本インカレでは、「フープ×5」で日本女子体育大学にわずか0.05及ばなかったものの、またしても「リボン&ボール」で逆転。

東日本インカレに続いての団体総合優勝を勝ち取った。

昨年の全日本インカレでは、「フープ×5」では首位に立ちながら、「リボン&ボール」で東京女子体育大学に逆転を許し、準優勝に甘んじた国士舘大学。全日本選手権では両種目とも2位にあたる得点ながら、東京女子体育大学、日本女子体育大学との熾烈な三つ巴の末、団体総合は3位。しかし、種目別決勝では、「フープ×5」「リボン&ボール」ともに優勝。思えばここから快進撃が始まっている。

 

国士舘の今年の「フープ×5」は、アゼルバイジャンの楽曲を使ったステップが印象に残る民族舞踊的な作品。同調性が際立ち、過去にも民族舞踏のエッセンスを取り入れた作品に取り組んできている国士舘らしさが詰まっている。

 

そして、なんと言っても挑戦的なのが「リボン&ボール」だ。こちらは、「永遠の愛」をテーマに「愛の讃歌」をメインテーマにしつつ、アルチュール・ランボーの詩の朗読を織り込むという独自性あふれる曲で、大学生ならではの表現力で演じている。詩の部分では、旋律はなくなるのだが、語りに動きをのせるという難題を見事に演じ切っているのだ。

 

先日、世界選手権の団体競技をテレビ放送で見たが、この個性的な作品は、あの中に入っても違和感がないのでは、と感じる。海外の上位国の作品の多くには、この国士舘の作品のような強烈な個性とドラマ性があったからだ。

 

おそらく、国士舘はこの作品に絶対の自信を持っているのだろう。それは、ここ2大会連続での逆転勝利が物語っている。

芸術性が重視されるようになり、作品のテーマ、ストーリー性が問われるようになってきている今の新体操において、この作品はひとつのロールモデルになり得るように思う。これが演れる今の国士舘の強さは本物だ。

 

それでも、2種目とも1位での総合優勝という完全優勝が成し遂げられていないのは、現在の日本の女子団体上位の実力がそれほど拮抗しているゆえんだ。そんな中での東日本インカレ、全日本インカレと続けての団体総合優勝は、値千金と言えるだろう。

なお、国士舘大学の全日本インカレでの団体総合優勝は、2021年の初優勝以来2回目となる。

 

<写真提供:国士舘大学女子新体操部>

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