闘将・中尾率いる神埼清明が圧巻の演技で優勝!~2025九州総体

2025年6月18日、鹿児島県で開催されている九州高校総体の男子団体で神埼清明高校が優勝しました。

九州総体での神埼清明の優勝は、珍しいことではなく、「●連覇」と書きたいところですが、「●」がいくつなのか確認できないほど

長く連覇が続いています。

しかし、今回の優勝は、「いつもとおり」ではなかったと感じました。

21.425と、新ルールになってからは高めに出るようになったとはいえ、高校生では(いや、大学生でも)めったに見ない高得点での優勝も、納得の1本でした。

今年の神埼は、いつも通りの強さに加えて、細部での表現がとても効いている、6月7日の演技会でその演技を見たときに感じました。

ただ「強いな」「凄いな」「うまいな」ではなく、伝わってくるものがある。それは、おそらくひとりひとりの選手のもつ「思い」の強さ所以だろうと思います。

2024年の神埼清明は、高校選抜、インターハイ、そして復活した国スポと3冠を達成。3年生の中田、阿部を中心としたチームで、強かったことは間違いありません。ただ、その「3冠」という輝かしい偉業に一点の曇りもなかったかといえばそうではなかった。

勝つには勝ったけれど、目指していたのはこんな勝ち方ではなかったと思う試合もあったと思います。

その「こんなはずではなかった」という思いを、今の3年生は誰よりも強くもっている、きっと忘れてはいないでしょう。

そして、3月の高校選抜での連覇消滅。

今回の神埼清明の強さが「いつもとおり」ではないのも納得がいきます。

勝ち続けているときに抱えてしまうものを、脱ぎ捨てることができたんだな、今の彼らの演技を見るとそう感じます。

昨年は下ろせなかった「絶対王者・神埼」の看板をやっと過去のものにして、より強い圧倒する力をつけた神埼清明へと生まれ変わろうとしている。そんな風に見えました。

 

そんなチームをけん引しているのが、キャプテンの中尾迅選手。

昨年の国スポの個人演技でロープに出場した選手です。正直にいえば、彼はおそらく「個人の4番手」でした。

あのときの神埼は、スティック、リングと思いがけないミスが続き、万事休すの状況で、フロアに登場したのが彼でした。

右手と右足が同時に出てない? と思うような緊張ぶりでしたが、それでも根性のノーミス演技で、最後にクラブで登場する主将・中田につないだのがこの選手でした。

「3冠」は達成しても、ぬぐいきれなかっただろう「悔しさ」。それを一番感じていただろうし、それを払拭するチャンスが残っているだけに、きっとしっかり向き合ってきたのだろうと彼を見ていると感じます。

7日の演技会では、個人演技も披露してくれましたが、ロープは、個人選手さながらのレベルに達していました。昨年のあのぎこちないながらとにかく根性と運動神経でノーミスをもぎとったときは別人でした。

それだけ、彼は悔しさを忘れず、必死にやってきたのだと感じました。

今回は、団体だけの出場でしたが、団体演技の中でも彼の動き、表情はチームの核になっていました。強い選手、うまい選手は他にもいますが、紛れもなくその存在感は、チームを引っ張っていました。

インターハイで、神埼清明が目指すのはおそらく「絶対的勝利」。

とくに、昨年を経験している中尾選手らにとっては、それは悲願と言えるでしょう。

傍から見れば、昨年度インハイチャンピオンの神埼は、ディフェンディングチャンピオンです。

だけど、彼らは「防衛する」なんてつもりはない。挑戦するんだ。

そんな意思表明を見たような、九州総体での演技でした。

※写真は、6月7日の神埼演技会にて撮影。