「Colors」~みどり新体操クラブ

3月20日に熊本県で行われたみどり新体操クラブの発表会に行ってきました。

現在、このクラブ出身でフェアリージャパンのメンバーとして頑張っている稲木李菜子選手をはじめ、東京女子体育大学の福永恵子選手、国士舘大学の岩永茉里亜選手など、多くの選手たちを輩出してきた実績を誇るクラブです。

このクラブの練習を初めて見に行かせてもらったのは、もう10年近く前のことになります。

稲木選手が当時、小学生でチャイルド選手権などでも頭角を現してきていたため、取材に行かせてもらったのですが、

とにかく「基礎基礎基礎」という地道かつまんべんない練習をされていることに驚いたことを覚えています。

そして、稲木選手だけでなく、その世代の選手たちには、輝く素材が多かったことにも驚きました。

けれど、その輝く素材たち(稲木選手も含め)は、自分たちの輝きには無頓着で、できることよりもできないことのほうに意識がいく、そんな選手たちでした。

「全国でも上で競えるチームになるのでは?」と感じたものの、2015年の全日本ジュニアに団体で出場できたものの、本番ではミスをしまくり、最下位というまさかの結果をたたきだしたりもしていました。

よくいえば謙虚。「自信がない」。そんな風に見える選手たちでした。

それでも、2023年の全日本ジュニアでは団体8位という過去最高成績をおさめることができました。

以前から力はあるチームですが、やっとその力を出し切れる「本番力」を身につけてきたようです。

でも、その「自信のなさ」が、結局、長い時間をかけた後には、力になるのだな、と今の大学生たちの活躍を見るとしみじみ思います。ジュニアのとき、高校生のとき、あるいは今でも「あそこが足りない」「ここがダメ」と思う部分はあるのでしょうが、それでもそういった弱みを少しずつ着実に克服してきたからこその今がある。

そんな先輩たちがたくさんいる。そこが、みどり新体操クラブの強みです。

今はまだまだかもしれない。結果も出ていないかもしれない。それでも頑張り続ければきっと!

後に続く子ども達もそう思えるのではないでしょうか。

フィナーレで演じられた全員が参加したゴースの作品も、そんな「繋がり」を感じさせる素晴らしい作品でした。

小さなゴースをもって踊るかわいらしい幼児さんが、成長すると半円につけたゴースを巧みに操りながら踊る小学生になり、

みんなで力を合わせて大きなゴースで色を織りなす中学生になり。。。

みんな、ここで育っていくんだな、と。

そして、この色とりどりのゴースのように、みんな色や形の違う様々な花を咲かせ、実をつけるのだろうな、と。

発表会では、たくさんの素敵な演技、かわいらしい演技、そして将来が楽しみな選手、チームの競技作品も見ることができましたが、最後の最後に見せてもらったこのゴース作品に、このクラブの良さがぎゅっとつまっているように感じました。

ゴースを使った作品自体は、もはや定番ともいえ、ジュニアでも高校生、大学生でも集団演技ではよく用いられていますが、このみどり新体操クラブのゴースは、その色鮮やかさも含め、かなり見ごたえのあるものでした。