8/1、千葉県で「私たちのインターハイ」開催!
いよいよインターハイまであと1週間となりました。
今年の女子団体は地区予選で波乱が相次ぎ、もしかしたら会場に行ってから「え? あのチームが出てないの?」と驚く人もいるんじゃないかと思います。
なんと言っても兵庫県では、昨年のインターハイチャンピオンの日ノ本学園が敗退。
そして、千葉県でも、インターハイ常連中の常連であり、昨年は全日本選手権でも大学生を抑えて団体総合優勝を果たした昭和学院高校が負けました。どちらもミスによる自滅だったそうですが、ミスしたら負けるだけの強力なライバルが県内にいたからこそ、起きた波乱だと思います。県内のレベルが上がり、切磋琢磨できているからこそ常連校でも、昨年の優勝校でも負けることがある、それはある意味、スポーツとしては非常に健全なことであり、明るい未来を予感させます。
ただ。
今年の、このインターハイに懸けてきた選手たちには、大きな喪失感があるに違いありません。
本当ならば、今ごろはインターハイまでのカウントダウンの中で、熱い日々を過ごしていたはず。それがかなわなかったという現実は厳しいものでしょう。
そんな中、「たとえインターハイという舞台ではなくても、自分たちの演技を全うしたい!」という選手たちの心に火を灯すような演技会を昭和学院が企画しました。

8月1日に、千葉県の昭和学院高校のアリーナで行われる演技会は、名付けて「私たちのインターハイ」!
参加を予定しているのは昭和学院(千葉県)、日ノ本学園(兵庫県)、日女体大附属二階堂(東京都)、星野(埼玉県)の4校。いずれのチームもインターハイに出場していてもおかしくない実力がありながらも、県内での厳しい勝負で今年の出場を逃しています。

9月に行われる国民スポーツ大会には、いずれのチームも出場を決めており(兵庫県は選抜チーム)まだまだ目標となる大会は残っているのですが、インターハイ直前のこの時期はやはり「本当なら今ごろ」と心がざわついたりもすると思います。そこに、この演技会があることでかなり気持ちが救われるのではないでしょうか。

そして、直前にこの演技会を行うことで、福岡で開催される本物のインターハイに出場するチーム、選手たちにおおいにエールを送りたい! そんな思いも込められていると言います。

インターハイは逃しても、国スポに向けて懸命な努力を重ねている自分たちがここでよい演技をすれば、インターハイもきっと素晴らしいものになる! ライバルたちにもそこで最高の演技をしてほしい! この「私たちのインターハイ」で演技する選手たちは、みんなそう思っているのです。

今年の4月に昭和学院を訪ねたとき、昭和学院は団体を4チーム組み、それぞれに熱い練習をしていました。インターハイ予選を目指すチームだけでなく、どのチームも目標とする大会があり、そこを目指していました。「私たちのインターハイ」では、このとき団体練習をしていた選手たちみんなでオープニングアクトとして、演技披露をするそうです。

全国的にも強豪校の昭和学院は、部員数も多く、全員がインターハイや国スポに出られるわけではありません。試合会場では応援団であったり、サポートメンバーに回ることになる部員のほうが多いのです。しかし、昭和では、そういった部員たちを「その他大勢」という扱いをしていません。
目指す大会は違っても、目標に向かって邁進する仲間たち、なのです。

だから、昭和学院の新体操部にはフロアに立っている選手たちだけではない一体感があります。そんなチームだから、単に技術が高い、表現力があるというだけではない「伝わるもの」が見せられるのだと思います。

「みんなで上がっていこう!」という昭和学院のスピリットは、なにも部内だけのことではなかったんだ、と今回の演技会の開催を知って思い知らされました。學校を超えて、新体操をやっている仲間たちみんなで、たとえインターハイ出場は逃しても、2024年の夏を意味のあるものにしようよ! そんな思いが感じられました。
日本時間では今日の早朝。
パリ五輪で日本の体操男子が団体金メダルを獲得しました。九死に一生の状態からの最終種目での大逆転。
最後まであきらめず、窮地に陥っても前を向き戦い抜いた選手たちは本当に素晴らしかった。値千金の金メダルでした。
なぜ彼らがここまでの粘りを見せることができたのか。それは彼らが、これ以上ないくらいの悔しさをたくさん経験してきたからだと思います。闘志あふれる演技と言葉でとくに仲間たちをけん引していた萱和磨選手は、リオ五輪のとき帯同補欠で、日本が団体金メダルを獲得した姿を観客席で見ていたそうです。その悔しさをひとときも忘れず、東京五輪には出場をかなえたものの、そこでは僅差で団体銀メダル。「どうしても金がほしい!」と3年間言い続け、努力し続けてきました。
萱選手に負けず劣らずの「ガッツの塊」なのが初出場の杉野正尭選手。この選手は、今回のパリ五輪であん馬、跳馬、鉄棒と2回ずつ演技していますが、毎回、ベストパフォーマンスを見せる勝負強さを見せています。あん馬と鉄棒では種目別決勝への進出も決めています。彼は、2021年の東京五輪のときに、補欠でした。それも選考会の最後の種目で僅差の逆転で代表を逃しています。翌年の世界選手権の代表も最後の鉄棒の下り技での思いがけないミスでほぼ手中にしていた代表の座を逃しました。
そんな2人が、どんな窮地にあっても「最後まであきらめない!絶対にできる!」と仲間を鼓舞し続けた姿は中継にも映っていました。「あきらめるな」と言うことは簡単です。でも、その言葉に説得力が生まれるのは、たくさんの挫折や悔しさを経験してきた人が言ってこそ、です。
今回の「私たちのインターハイ」に、出場する選手たちにもきっと今のこの悔しさを、最高の形で昇華できる日が来ると思います。
うまくいかないことがあってもあきめちゃいけない! と自分でも知り、人にも伝えられるようになると思います。
「インターハイ」という大きな目標は失ってしまった今年だけど、みんなで頑張ろう! もっと強くなろう!
そして、新体操を盛り上げていこう!
「私たちのインターハイ」では、そんな前向きなメッセージが伝わってくる演技が見られるに違いありません。
一般公開はしないとのことで残念ですが、後日、動画など公開される際には、こちらでもお知らせします。
この演技会が終われば、すぐに本物のインターハイが始まります。
パリでは連日、五輪の熱戦が続いています。
新体操の夏は、これからが本番です。

※写真は、今年4月に昭和学院で撮影したもの。