14年前のテレビドラマ「タンブリング」のこと

TBSのドラマ『タンブリング』が放送されたのは、もう14年前のことなんですね。

今、Tverで全話配信されていたりして、ちら見したらとても懐かしくなってしまい、14年前、このドラマの最終回にエキストラとして参加したときの記事があったな~と掘り出してみました。

写真の1枚もない文字だらけの長い長い記事なので、閲覧注意です(笑)。

興味のある方だけどうぞ。

 

6月21日、「タンブリング」の最終回ロケ、参加してきました。

11:30集合で、21:30くらいまでかかりました。

長い長い時間でそれなりに疲れましたが、なんせこの撮影でクランクアップ! 大感動のフィナーレに居合わせることができて、とてもラッキーでした。

 

この日の撮影分は、今週末の放送になるのであまり詳しいことを書くとネタバレになるので控えますが、最終回での烏森高校の演技は、楽しみにしていていいとだけ言っておきます。

いや、正直言って、ホンモノの新体操を見慣れている目からは粗も見えてしまう、とは思います。だけど、彼らはもとは素人さんなわけで、忙しい俳優さんなわけで、そんな彼らが、8ヶ月間、男子新体操にたくさんの時間をかけてくれた、普通のドラマとは比較にならないくらいの時間をかけてこのドラマを作ってきた。その努力の賜物には十分感動できると思います。その頑張りを伝えられるだけの新体操を見せてくれます。

 

昨日は、ほぼ1日中、その演技のシーンの撮影だったのですが、メガネの金子くんがかなり足が痛そうだったんです。撮影が進むにつれてどんどんひどくなってきているようでした。それでも、演技の最後のほうで金子くん、月森くん、瀬戸くんの3人でのタンブリングがあり、3人揃わなければいけないので、何回もやり直していました。金子くん自身のタンブリングも足の痛みのせいかかなり危うくなっているのですが、彼がなんと踏ん張ってもほかの人がミスすることもあり。「わ~、これ以上やらせるのはかわいそう」と思うほどでした。

一度、タンブリングが終わると、足をひきずって歩いている金子くん。もうこれ以上はできないんじゃないか、そう思うくらい痛そうなのに、結果的に最後の2回になったタンブリングは、しっかりと決めてました。歩くのも痛そうなのに、スタートの声がかかるとちゃんと走っていて、その助走を見るだけでも泣けてしまいました。こういう光景って、本当の新体操の現場ではよくありますよね。「痛いはずなのに、故障しているはずなのに、なぜそんな風に動けるの?」と思ったこと、何回もあります。このときの、金子くんはまさにそれでした。まさにアスリート!

撮影入る前に、「金子ー! がんばーーーーー!」と叫びたかったですよ。(いや、ほんとに叫びそうでした)私がそう叫べば、いっしょに行っていた仲間がきっと「しっかりー!」「ファイトー!」と叫んでくれるはず、そう思うくらいに。金子くんの頑張りには、頭が下がりました。その場面が、彼にとっての最後のタンブリングで、OKと思われるカットが撮れた瞬間、感極まってかマットに伏してました(泣いていたのかもしれません)。多分、最後までやれるだろうかという不安もあったのではないかと思います。でも、やりきれた! その安堵、達成感、いろんな思いが交錯していたんだろうなあ、と思うと彼の背中がぼやけて見えました。

ドラマなんですが、まるで本当にスポーツを見ているような、そんな感動がありました。

 

さらに。最後に、航こと山本裕典くんが一人で、タンブリングを決める場面があるのですが、この撮影がまた感動でした。山本くんは、本当にバック転が上手で、しかも練習熱心。自分の出番ではないときも、ずっとやっているんですよ。その彼にとって、新体操的に最大の見せ場であるロンダードからバック転、そしてスワン(伸身での後方宙返り)を、彼はかなりの精度でやるんです。2回目くらいで「使えるでしょ」程度のものは十分撮れていたと思います。3回目は、「あ~、これなら十分でしょ」というものができていたと思います。もう撮影も終盤でキャストもスタッフも(私たちエキストラも)かなり疲れている時間帯でしたから、「これならいいんじゃない」と誰もが思っていたと思うんですが、山本くんはさらにテイクを重ねることを要求しました。

着地に納得できなかったようでした。たしかに着地のポーズがもうすこしびしっと決まればもっといいけど…でもそこまでじゃなくても、大丈夫じゃない? そうも思える出来だったのですが。さらにやり直してもっといいものができる保証はないのに。「もう1回!」と多くの人を動かすのってかなりのプレッシャーじゃないですか。それなのに…。山本くんの負けず嫌いぶりを垣間見た気がしました。「がんばれ!」と祈るような気持ちで次のテイクを見守っていたところ、見事に! たしかに最高の1本を決めました。すごい! 役者としてすごいのかもしれないけれど、彼はアスリートとしてもほんとにすごい!!! この状況で最高の1本を出せる精神力がすごい!!! と感動してしまいました。

 

本当に試合の応援に来ているような、そんな感動や興奮を味わいつつ、なんとか撮影終了! 最後のカットは、ドラマでもおなじみの、みんなで拳を天に突き上げているシーンでした。「これで最後」という撮影の直前に、月森くんこと三浦翔平くんが、「うわ~、おわっちゃうよ」と言ってました。その言葉に、彼らがどれだけこのドラマに懸けてきたのかが感じられ、泣きそうになりました。そして、おそらくそんな思いのすべてを込めて、彼らは拳を突き上げ…。男子新体操を描いたドラマ「タンブリング」の撮影が終了しました。

 

終了後、彼らはフロアマットの上に飛び込んでいき、大の字になって天井を見ていました。山田小太郎先生もそこに前転して参加していました。感無量だったのではないかと思います。「やりきったな~」という思いを全身で感じていたのではないかと思います。

 

そんな場面を目の当たりにすることができて、本当によかったです。

そして、そのあと、キャストへの花束贈呈、一人ずつの挨拶もあり、そこにも感動が…。

 

予定されていた終了時間21時を大幅に過ぎて、やっとラストカットに「OK!」が出て、キャスト+山田小太郎先生は、フロアマットの上で大の字になり、達成感に浸っているように見えましたが、おそらくその胸中には達成感だけでなく、いくばくかの「喪失感」もあったのではないかと感じました。

 

多分、それは、ある程度長く1つのことに打ち込んできた経験のある人なら、味わったことがある、あの感じです。「ああ、これでおわった!」という開放感と同時に襲ってくる、「もうこんな日々は二度とない」という寂しさ。ときには「これさえなければ」と思ったこともあったに違いありませんが、なくすとなるとそのかけがえのなさだけが思い出される、そんな感じ。あのとき、フロアマットの上で、彼らにはそんな思いが交錯していたのではないかな、と思いつつ、私は見ていました。

 

そして。

そのあとに行われたクランクアップのセレモニー。

ここで、私の勝手な思い込みが、思い込みではなかったのだな、と確認することができました。

 

まず最初に、山田小太郎先生からキャストに向けての挨拶がありました。初めて会ったとき、練習を始めたころ、「本当にやれるのか」と不安になったこともあったけど・・・という正直な気持ちを語られていました。

撮影のときに見える様子しか、私にはわかりませんが、山田先生の指導はとても根気強く、明るく、選手達(じゃなくてキャストですが)のモチベーションをあげることを第一に考えておられるように見えました。

もちろん、もっともっと厳しい顔も練習では見せてらしたのでしょうが、いざエキストラも入れての撮影となると、「大丈夫、できるよ」「もうちょっとこうだな~」と、キャスト達に自信をつける、ような声をかけ続けている姿がとても印象に残りました。

忙しいタレントさん達だけに、どこまで求めていいものか、そんなジレンマもあったに違いありません。それでも、山田先生の指導で、彼らは確実に上達し、おそらく仕事の枠を超えて新体操を好きになっていたように思えました。「烏森高校新体操部」を育てた影の功労者として、この日の山田先生の思いは格別だったのではないでしょうか。

そして、このドラマの体験は、ずっと新体操一筋でやってきたわけではない人達でも、やり方次第で短期間でこの程度には育てられるという貴重なモデルケースであり、指導者としての山田先生にとっても、稀有な体験だったのではないかと。

山田先生の挨拶は、頑張ってやりきったキャスト、スタッフへのねぎらいがほとんどでしたが、最後に「こうして僕達の男子新体操をドラマにしてもらって・・・」というような言葉を口にされていました。

 

そうです。

今回のドラマに協力したことで、山田先生には余計な負荷もたくさんかかっていたことと思います。それでも、引き受けたのはおそらく。

 

「ぼくたちの男子新体操」 が、テレビドラマになる!

 

そのことの意味がどんなに大きいかをわかっていたからだと思うのです。正直、ドラマ「タンブリング」は視聴率的には成功とはいえないドラマでした。だけど、このドラマのおかげで、どれほどの多くの人に「男子新体操」というスポーツの存在を知ってもらえたことか。「鹿倒立」なんて言葉を若い女の子が当たり前のように口にするなんて、半年前には考えられなかったのですから。

それがわかっているから、おそらく山田先生は、最後にそう言われたのだろうと思いました。

そんな山田先生の挨拶にしっかりと耳を傾け、拍手をおくっているキャストたちは、まるで本物の新体操部員のようでした。彼らにとっても「山田先生は新体操の先生」なのでしょう。

 

続いて、金子役のタモト君の挨拶が始まりました。最終ロケでは足を引きずりながら根性を見せてくれたタモト君。感謝の言葉を述べているうちに涙、涙となりました。

役作りのための坊主頭、黒ぶちメガネが、純朴な体育会系という雰囲気をうまく出していたタモト君ですが、撮影時のまじめな頑張りも、まさに体育会系でした。彼なら、どこの高校、大学の新体操部でもやっていけそうだなあ、と思う愛すべきキャラでした。

 

日暮里役の賀来君も、最終ロケではあまり出番はなかったのですが、それでもずっと体育館で待機して、本物の「補欠」のような働きぶりでした。演技のクライマックスの撮影の前には、メンバーの中に飛び込んでいって、雄たけびをあげ、場を盛り上げ「よっしゃ! やるぞ~!」と声をあげる輪の中にしっかり入っていました。間違いなく、彼は「スーパーサブ」であり、本物のチームでもこういうムードメーカーが控えにいるチームは強いですよね。

補欠という役回りで、最終日にはタンブリングをする機会もなかった賀来君でしたが、やはり挨拶ではボロボロ泣いていました。補欠とはいえ一緒に練習してきた日々は、彼にとってもかけがえのないものだったに違いありません。

 

持病のため、マネージャーになった土屋こと、富浦君の挨拶は控えめで短めでした。あのかわいらしい声で。

でも、短い挨拶の締めの言葉は、「男子新体操に出会えてよかったです」(これもあのかわいい声で!)・・・これには泣けました。きっと山田先生も泣いていたのではないでしょうか。

富浦君は、タンブリングも鹿倒立もうまいんですよね。あまり演技を披露する機会のない役だったのが本当に残念です。次の機会があれば、ぜひその実力を見せてもらいたいです。

 

水沢役の柳下君。役柄そのままに静かな印象で、とつとつとした挨拶でしたが、彼のタンブリングは、本当にこのままどこかの大学の新体操部で続けてくれないだろうか。と思うほどの見事さでした。練習ぶりもまじめで、細かい部分にも神経のいき届いた動きは、どれほど真剣に新体操の練習をしてきたかを物語っていました。「この作品に出会えたこと」に感謝の言葉を語っていましたが、このドラマに柳下君がいてくれたことに、こちらが感謝したいと思いました。彼のように「本物の新体操に近い新体操」を見せてくれる人がいてこそ、ほかのキャストの底上げもあったのだと思います。

役者もいいけど、ほんとに。男子新体操続けて~! と言いたくなるほどの逸材でした。

 

月森役の三浦君も、最初からもう泣いてましたね。「泣かないつもりだったのに~」と言いつつ。みんなでずっと練習してきて、誰かがなにかできるようになると、負けねぇ~と張り合って頑張る、そんな雰囲気が最高だったと。ラストカットの直前に彼がもらした「おわっちゃうよ~」という言葉には、彼がどれほどこの現場を、このドラマを好きだったか、この世界に入り込んで生きていたかが集約されいたと思います。

三浦君は、タンブリングはとてもうまいのですが、体が硬いようなんですよ。これで、もう少し柔軟性が増したら、どんなにかいい選手になるだろうと思うと、これで新体操を辞めてしまうのがほんとに残念でたまりません。

 

火野君こと、AAAの西島君。最初のころは、クールでいやみなスター選手という役回りでしたが、最後は団体メンバーとしてすっかりメンバーに溶け込んでいた西島君。最終回の演技では、ダンスを取り入れた部分では大活躍。「これは西島君あってこその演技だな」と思わせる活躍を見せてくれていました。

おまけに、撮影終盤では、航の上に乗る動きで落下。腰か背中を強打して一瞬動けなくなり、うずくまる場面も。会場中がシーンとなり、見つめているとしばらくして「大丈夫!」と笑顔を見せ、観客にも元気に手を振った西島君。多分、まだまだ痛かっただろうと思うのですが、周囲に心配させまいという気遣いには感動しました。

挨拶では、西島君もはじめから泣いてしまっていました。とても照れくさそうでしたが。そして、自分は年齢も上だから引っ張っていこうと思っていたけれど、そこは山本君がとてもリーダーシップを発揮してくれていたので、助かったと。山本君の意識の高さをとてもほめていて、このメンバーでやってこれたことに感謝、と言っていました。みんなでこれだけのものを作り上げられたことに、とても感動していると。

すでにアーティストとして長く活躍している西島君ならではの深みのある挨拶でした。

 

そして。いよいよキャプテン・竹中悠太役の瀬戸君。

彼の挨拶は、笑顔・笑顔でした。

「なんか、これでおわるって気がしなくて。明日もあさってもまだずっといっしょにやっているような気がして。」と彼は言いました。

まだ、終わったという実感がわいてこない。そんな表情と言葉でした。それほどに、彼はこの数ヶ月を「竹中悠太」として生きてきたんですね。そして、「烏森高校男子新体操部」のキャプテンとして生きてきたんですね。

最後に「スタッフ、キャスト、エキストラに来てくださったみなさん、みんなが大好きです」と泣かせることを言ってくれた瀬戸君。彼は最後まで笑顔でしたが、その日の夜か、翌朝か。「あ、もう練習も撮影もないんだ」と思ったときに、じわっと泣けてくるんじゃないだろうか。そう思いました。

長く続けてきたスポーツや部活を引退する日って、きっとこの瀬戸君のような感じじゃないかと。前もって予想すると、「どんなに感動するだろう」「泣いてしまうかもしれない」と思うのでしょうが、実際は「なんだかこれで終わる気がしない」って。なんだかポカンとしてしまって、泣けてくるのはすこしたってから、じゃないでしょうか。そこまで「竹中悠太」になっていた瀬戸君、役者としてすごいです。

瀬戸君は、新体操的にもとてもバランスがよくて、体がやわらかくて、新体操的な動きがどれもとてもよく決まる、それでいてタンブリングもうまいし、ダンスも様になっていました。おまけにあの甘いマスクです。私の個人的な希望としては、花園大学あたりで新体操続けてほしいなあ~表現力のあるいい選手になると思うのだけど。

 

さあ、そして、最後。

東航こと、山本裕典君でしたが、彼はもう、最初に花束を受け取ったときから大泣き。挨拶もなんだかなに言ってんのかわからないぞ! になるくらい、泣きながらしゃべっていました。

「はじめはこんな俺では、主演は無理と思っていたけど・・・」と言ってました。ああ、だからこそ、だからこそ、あんなにも頑張って練習していたのか。と思いました。

芝居のうまい下手は、人によって評価は分かれるところでしょう。山本君は東航をよく演じていたと思うけれど、「あれではダメだ」と言う人だっているはずです。それが芝居、だから。

だけど、新体操は。タンブリングは、できないものはできないし、できるものはできる。より精度高くやれるように努力することはできる。

だから、彼はあんなにも休みなく練習し続けていたのか。

あんなに何回もコールドスプレーをするほど、体はすでにボロボロだったろうに。練習して練習して練習して、スタッフも仲間も見ている人も納得するタンブリングを彼はしたかったのだ、とこの言葉を聞いてわかった気がしました。

運動神経がよいようで、割合なんでも早くできると聞いていた山本君ですが、それだけではあのラストのタンブリングはできません。本番でも自分の納得いくまでやり直し、最後まで山田先生に指導を仰ぎ。そんな山本君だから、西島君もああいう風に言ったのだな、と思いました。

そして、挨拶の最後に。

「今日ここに木山がいられなくて・・・」そこまで言って、山本君は大号泣しました。あとは言葉になっていませんでした。このとき、タモト君もがっくりとひざから落ちて、頭をフロアにつっぷしていました。多分、泣いていたのだと思います。遠くて見えませんでしたが、おそらくほかのメンバーも泣いていたかもしれません。

「ダチは見捨てねぇ」東航ですから、これだけ長く一緒に頑張ってきた仲間である木山こと大東君が、交通事故で最終ロケに参加できなかったこと、一緒にクランクアップできなかったことが、本当に無念だったのでしょう。役柄そのものの山本君の熱さと、メンバーの絆を感じさせてくれた、ひとコマでした。

 

「タンブリング」は、視聴率的には成功とはいえないドラマだったかもしれません。だけど、最近のドラマは、放送終了後も、DVD化、映画化、舞台化などの機会もあり、放送中よりも放送終了後に評価が高まることもままあります。

「タンブリング」もDVDには、特典映像もついているらしく、練習風景などもたっぷり見られるようです。そこには、烏森高校男子新体操部を演じた彼らのリアルなドラマがいっぱいつまっているに違いありません。

 

「タンブリング」人気と

男子新体操人気は、まだまだこれから! なんだと思います。

最終回が放送される6月26日は、第1章の終わり、にすぎないのだと・・・そう思いたくなった最終回ロケでした。

 

※以下は「最終回ロケこぼれ話」です。

●こぼれ話1

 ロケ場所は神奈川県某所。かつては五輪の代表決定戦も行われたことのある立派なアリーナです。固定席は2階が1600、3階が1400とのことでしたが、映像に映り込む2階席は、ほぼ満席になりました。多少、空きもありましたが、新体操の試合ではインターハイ以外は満席なんてことはまずないので、十分リアルというか、本物の試合以上の入りでした。とくに、20代と思われる若い女性が8割以上!? こんな新体操の試合ってないから~。

 ボランティアエキストラだから、当選しないことなんてないだろうとたかをくくっていたのですが、じつは応募したのに行けなかった人、けっこういたようです。たしかに、それでも十分な人数いましたから。私達のグループは少数派の「おばさん世代(親世代)」なので当たったんでしょうね。ふう~、歳はとっておくもんです。

 11時半集合で10時間! それでもほとんどの人がクランクアップ後のセレモニーまで見ていましたよ。「タンブリング」は、烏森高校男子新体操部は、みんなに愛されているんだなあ、と嬉しくなるほどの大観衆でした。

 

●こぼれ話2

 参加者への謝礼は、「オリジナルグッズ(非売品)」とのことで、楽しみにしていましたが・・・なんと! ポスターなどでおなじみのバランスをしている写真入りのクリアファイル(かなり派手!)でした。これはうれしい~~~!!! 家宝にしたいと思います。

 

●こぼれ話3

 9話でのクライマックスになっていたタモト君の飛び越し技。これは少々苦労して撮影していました。かなりの高さ跳んでいるのですが、ちょっと脚が曲がったり、体が曲がったり。やはり想像以上に難しいんですね~。で、これを何回もやると、跳ぶときの土台になっている人は手が痛いわけです。自分の掌を踏み台にしてタモト君が跳ぶわけですから。土台の2人は、山本君と三浦君。タモト君が失敗するたびに、「おいおいどうしてくれるんだよ~」とばかりに2人で金子君に詰め寄って、笑いをとっていました。タモト君も土下座したりして。

 苦労していただけに、「これはOKじゃない?」というジャンプができたときには、会場中から大拍手でしたが、そこでも山本&三浦コンビは、「あ~、俺達も手が痛いんだけど~」とばかりに、手をぶらんぶらんさせて自分達の功労をアピール! もちろん、会場からは2人にも拍手が送られ、金子君も「お2人のおかげです」とばかりに頭を下げていましたよ。

 

●こぼれ話4

 タモト君の飛び越しのときに、飛び越される側になっているのが瀬戸君と西島君なんですが、西島君が頭を下にして、瀬戸君にかかえられるんですが、この2人のコンビネーションがとってもいいんです。あまりにもさらっとやっているので、簡単そうに見えてしまうくらい。しかも、つま先を上にしてかかえられている西島君の姿勢がきれいで! 万が一失敗すればタモト君がぶつかってくるリスクもあるのに、信頼しきっているように見えました。さすが、です。

 

●こぼれ話5

 撮影の合間には、みんなしきりにコールドスプレーを体にふきかけていました。かなり体のあちこちを痛めていたんでしょうね。とくに山本君、ボトムの腰のゴムを引っ張っては、ボトムの中(えっと、つまりそこです)にシューシューやっているんです。その姿だけ見ると「股間がかゆいのか?」みたいに見えてしまうんですが、つまり股関節をかなり傷めていたのではないかと思います。男子新体操の演技にはつきものの左右開脚して上半身をべたっと前に倒す技での山本君は、かなり体が硬そうに見えてしまいました。でも、練習風景の映像などを見る限り、もうすこし柔らかいんですよね。多分、股関節を傷めてしまって、ベストのときよりも開脚が厳しくなってしまったのではないかなあ、と。きっと悔しかっただろうと思います。撮影の間中、あれだけ頻繁にコールドスプレーを使うくらい、山本君の体は限界に近かったんだと思います。その頑張りには心からの拍手を送りたいです。

 

●こぼれ話6

 撮影の間中、本物の監督のような指導ぶりを見せていた山田小太郎先生ですが、フロアマットの上で、やたらと柔軟をされていました。現役は離れてもまだまだ柔らかい! つま先やひざもきれいでした。さすがです。しかし、使うマットは1面だけなのに、4面も敷いてあるものですから、ついもったいなくなってしまうんでしょうかね(笑)。

 

●こぼれ話7

 山田先生のほかに、目を引いたのが、国士舘大学OBの大舌俊平君! タレントさん達に指導する姿は、まるで部活の先輩のよう。クライマックスになる山本君のタンブリングの見本を、さらっとやって見せていましたが、そのバック転、スワンの美しいこと! 高いこと! 私の隣で見ていた友人は、「え~、今、パンちぎっていて見てなかった~」と悔やむこと悔やむこと。

 観客席のエキストラ移動時間を使って、見本をやっていたのですが、私達は、大舌さんのタンブリング見たさに、移動スピードが遅かったと思います。周囲に迷惑かけてたかも・・・。すみません。

 

●こぼれ話8

 本物の新体操チームでも、案外本番ではミスが出てしまう鹿倒立!リハでもかなりいい感じでやっていて、すぐに本番に入ったのですが、なんと! 一発で成功! 会場からも大拍手でしたが、すぐにモニターを確認しに行ったキャストのみんなからも、「おお~~~~~!」と大歓声が! 上気した顔で、フロアマットに戻ってきた山本君は、「もう、おれ、お腹いっぱい!」と嬉しそうに言ってました。撮影開始前に、練習風景の映像が会場のスクリーンに映されていたのですが、鹿倒立の「し」の字もできてなかった人たちが、こんなに・・・。泣けました。

 

●こぼれ話9

 そして。さらなる難関・6人そろっての3バック! これはリハ1発目はかなりひどくて・・・。まったくそろってないし、だれが正しいのかもわからないほどのバラバラぶりでした。さすがにこれではまずいと判断されたのか、かなり長く打ち合わせをしていました。もちろん、山田先生の指導も入っていました。すると、見違えるようにそろってきたんです。(いったいどんな魔法を使ったんでしょう?)

 本番はさすがに一発OKではありませんでしたが、何テイクかやっているうちに、十分使える! という3バックが何回か決まりました。3バックも、本物の新体操チームでも、そうそう揃わないものです。ミスも出ます。それなのに、彼らがこのレベルで3バックを決めたことは、本当にすごいと思います。すばらしい3バックでした。

 

●こぼれ話10

 ドラマ中でも効果的に使われていた「柏木スペシャル」! これは驚くほどスムーズにできてました。抱えて回っているのは、山本君。上に乗る2人は三浦君、西島君。すばらしいコンビネーションでした。

 

●こぼれ話11

 烏森高校の関東大会での演技は、新しい演技になっていますが、かなりダンス的な動きも入っています。そこで大活躍しているのが西島君でした。そりゃそうですよね。本場モンですから。正直、「ん? ダンスはちょっと苦手?」なメンバーもいましたが、西島君がてきぱきと指導していて、カウントもかけたりして。ダンス部門でのリーダーを見事に務めていました。その姿は、クールな火野君ではなく、AAAの西島君そのものだったのでしょう。とてもかっこよかったですよ。そして、演技中のダンス部分での西島君にも注目です。私のいた場所からは横向きにしか見えませんでしたが、多分、表情もかなりイケてると思います。

 

●こぼれ話12

 瀬戸君の左右開脚+前屈はすばらしかったです。柔軟性も十分な上に、ひざやつま先もしっかり意識できていて・・・。すばらしかった~! ほんとに新体操続けてほしいです。

 

●こぼれ話13

 撮影も終盤にさしかかったところで、カメラの移動などで少し時間ができたとき、山本君が一人でみんなから離れて、フロアマットの上で一人で寝転がってました。すると・・・ほかのメンバー達がひそひそとなにか話しながら、山本君に近づいていき、両脚をつかんで、ぐいぐいと股割りを始めたんです。「うわあああああ!」と山本君の雄たけびが響きわたり・・・メンバーは爆笑。会場も爆笑。

 「もう~、自分の世界に浸ってたのに~」とふくれる山本君。もしかしたら、「もうすぐおわりなんだなあ」という感慨にふけっていたのかもしれませんね。それなのに、そうはさせておかない仲間達! 仲のよさを感じさせるシーンでした。