東日本インカレ直前!~女子団体競技展望

東日本インカレが開幕する今日、開会式後すぐに女子の団体競技(フープ×5)が行われる。

今回の東日本インカレの女子団体出場チーム数は「14」!

東京女子体育大学、日本女子体育大学、日本体育大学が3チームずつ。国士舘大学、仙台大学が2チームずつ、立教大学が1チームのエントリーとなっている。コロナ禍の3年間をはさんでいることを思えば、この盛況には感服するしかない。

在学する学生たち、さらには高校生たちの気持ちを切らすことなく、「大学で新体操をやる!」という道にしっかり導いてこられた指導者、そしてそれを支えてきた保護者には、感謝しても感謝しきれない。

そして、一時期は東女一強だった大学生女子の団体競技がこんなにも多くの選手たちの熱い競演の場になっていることには感動すら覚える。

その結果、今の大学生女子の団体競技は群雄割拠そのものだ。

昨年は、全日本インカレ、全日本選手権とも団体総合では東京女子体育大学が優勝した。2015年に全日本インカレの連覇が止まって以来、苦しい時期もあった東女だが、去年はまさに「完全復活!」と言える年だったように思う。今年はユニバーシティゲームズへの出場も決まっていて、のりにのっていることと思う。今回、東女から出場する3チームはいずれもインターハイで名前を見たことがある選手も多く、どこも楽しみだ(やや九州色が強い気もする)。今の東女は、演技から自己肯定感が伝わってくる。以前の勝ちにこだわった執念とも言える強さではなく、「私たちは私たち!」その潔さと明るさが、見ている人の心をうつのだ。今年もエネルギー溢れる演技を見せてくれるだろう。

「終わってみたら総合優勝は逃していた」という印象なのが昨年の国士舘大学だ。全日本インカレでも、フープ×5では1位、リボン&ボールが3位だったため、総合優勝には届かず。全日本選手権でも種目別決勝では2種目とも制したのだが、団体総合(予選での2種目合計)は3位と、総合優勝には縁がなかった。しかし、種目別での優勝が物語っているように、決して弱かったわけではない。圧倒的な芸術性、音楽との調和を見せ、観客を惹き込む力は存分に発揮していたのが昨年の国士舘だ。東日本インカレは逆襲の序章となるか、期待したい。

昨年は、全日本インカレで団体総合3位、全日本選手権では2位に順位を上げたが、種目別を通しても優勝がなく悔しい思いをしたに違いないのが日本女子体育大学だ。芸術性重視の新しいルールのもとで、日女は徹底して「美」を追求し、演技=物語という作品作りをしていたように思う。ストーリー性のある曲を使ったドラマチックな演技からはたしかに日女の求める「芸術性」が伝わってきて、東女、国士舘の演技と並べても遜色はなかった。が、いくつかのミスが出てしまったり、他のチームのエネルギーが勝っていたりしていただけだと思う。今年のメンバーを見ても、「美しさの日女」は揺らぎなさそうだ。今年の日女はどんな物語をフロア上に紡いでくれるのか楽しみだ。

ここ数年、上り調子ではあったがついにブレイク! と感じさせたのが昨年の仙台大学だった。独自性を感じる作品構成は、芸術性重視となった昨年からのルールにはぴったりとはまり、全日本インカレも全日本選手権も団体総合4位という安定感も出てきた。表彰台まであと一歩というところで昨年が終わっているだけに、今年の飛躍におおいに期待したい。期待できるチームだと思う。

仙台大にも負けない躍進を見せた立教大学は、全日本インカレでは団体総合6位で辛くも全日本進出を決めたが、全日本選手権では総合5位。今、伸び盛りのチームだ。明るさ、勢いのある演技には、全日本選手権でも会場中を巻き込むエネルギーがあった。今年も立教パワーを感じさせる演技を見せてくれるだろう。

昨年は、東日本勢では唯一、全日本選手権への出場を逃した日本体育大学だが、個人選手を見ていても非常に表現力を感じさせる選手が多く、着実に進化していることは感じられる。3チームが東日本インカレに出場していることからも、部として盛り上がっていることは明白で、チーム力は上がってきている。あとは本番で力を出し切ることさえできれば、東日本インカレをかき回す存在になりそうだ。

東日本インカレは、5月12日(金)~14日(日)の3日間、宮城県ホワイトキューブにて有観客で行われる。(観覧無料)

※女子団体競技は、12日(金)フープ×5、13日(土)リボン&ボールが行われる。

シーズン開幕を告げる熱い戦いに注目したい。