12月は忙しい!⑮~KOKUSHIKAN CUP2023

12月の演技会情報、なぜか西日本に集中してしまい、悔しい思いをされている東日本の皆さん、東日本ではこれがあります!!!

そうです、国士館大学で行われる「KOKUSHIKAN CUP2023」です。

当初は軽いノリで始まった大会だったように記憶していますが、今では参加者数も増えに増え、そろそろ1日での開催限界にきているのではないか?

と思うほどに。今年も、選手入館開始は朝の6時半!!!!

最初に行われる団体公式練習は、7時半開始!!! こんなに朝早い大会って聞いたことないです。

それでも終了予定時刻は19時!

見る限り、ちゃんとした昼休憩も設けてありません。審判の食事は? と心配になるほどの過密スケジュールの大会となっています。

観覧は自由になっていますので、東日本、とくに関東の方はぜひ足を運ばれては? と思いますが、いきなり最初から最後まで見ようと欲張らないほうがいいかもしれないです。(健康上の理由で)

小さい子たちが頑張るかっこかわいい演技、あるいは団体競技が見たい方は、頑張って早起きして午前中メインに。

大学生のお兄さんたちのかっこいい演技、テクニカルな演技を見たいな~という方は、午後メインに観戦されるとよいかと思います。

今年は、まだ試技順などが公表されていない(12月23日現在)ようなので断言はできませんが、例年なら国士館大学男子新体操部の選手たちはほとんどが出場。

それも、団体選手も個人で出場したり、個人選手も普段の演技とは違うものをやったりと、ここでしか見れないものがたくさん見られる楽しい大会となっています。

もちろん、国士館以外の選手もジュニア~社会人まで(今年はわかりませんが)数多く出場。審判がきちんと採点するれっきとした大会ではありますが、今でも遊び心を忘れない楽しい大会です。

今年の「男子新体操納め」にはふさわしいイベントかと思いますので、可能な方は、ぜひ観戦に出向かれてください。

国士館大学からは近い多摩センター駅は、サンリオの聖地「サンリオピューロランド」もあり、駅前のクリスマスイルミネーションはそれはそれは豪華ですので、ご家族で出かけられてもよいと思います。

国士館大学といえば、今年の全日本インカレチャンピオン・森谷祐夢選手(3年生)がいます。

全日本選手権では5位と優勝には届きませんでしたが、最終学年となる来年はきっと! と思える充実ぶりを見せてくれた2023年でした。

今大会でも、美しく、儚げながら、じつはタンブリングなどもつよつよという森谷選手ならではの演技を見せてくれるのではないでしょうか。

森谷選手とは同級生の岡本瑠斗選手(3年生)も、今年大ブレイクした選手です。

全日本インカレ4位、全日本選手権9位という成績も立派ですが、「自分の見せたい新体操」をしっかりと持って邁進するその演技は、ほかの選手とは一線を画するこだわりが感じられ、演技するたびにファンを増やしている感がありました。

彼の特徴ともいえる斜前屈あとの大きな長い反りは、かなりインパクトがあり、先日ジュニアの大会を見ていたら影響を受けている選手も多いのでは? と感じられました。

ジュニア時代は埼玉で活動、高校から国士館に入り、森谷選手とはずっと同期として国士館高校を引っ張ってきた選手ですが、大学3年のときにここまで存在感のある選手になるとは! 嬉しい驚きでした。

岡本選手も、来年が学生ラストイヤー、今年以上に濃い瑠斗ワールドをフロア上に描きだせるのか? 大注目したいと思います。

大西峻介選手(4年生)も、大学4年間をかけて「なりたい選手像」をしっかりと持ち、着実にそこに向けて自分を磨き続けてきたことが伝わってくる演技を見せてくれました。

ジュニア時代も、恵庭南高校時代も、常に全国大会には進んでくるだけの実力の持ち主ではありましたが、決して派手な選手ではありませんでした。

それが、大学に入ってから「手具の魔術師」と異名をとるほど、リスキーで独創性に富んだ手具操作に挑戦し、どんどんテクニカルな面での見どころの多い演技をモノにしていきました。

リスキーな演技内容のため、ミスが出てしまうこともあり、もしかしたら競技成績という点では、本人が目指していたところまでは届かなかったのかもしれません。

それでも、最終学年ではしっかり全日本選手権の種目別決勝にも残る活躍を見せ、会場を沸かせたこと。これこそは彼が目指してきた姿ではなかったかと思います。

昨年から手具操作による加点が増え、果敢な手具操作に挑戦する選手が増えてきていることは、競技としての男子新体操の発展にとっては喜ばしいと感じています。

ただ、今は過渡期なので、難しいことをすればぎこちなくなってしまう選手もまだまだ少なくないです。

「難しいからぎこちない」ままでは、表現にまで至ることができず、見ている人の心を動かすことはできません。

が、大西選手くらいの熟練度になれば、「難しいことをしていること」さえもが「表現」になり、「個性」になります。

新体操は競技なので、順位がつきます。誰でもが1位になれるわけではないです。

大西選手も1位ではなかったかもしれません。それでも、こうして彼のように、「見る人の心を動かし、語り草になる演技をする選手」になる可能性は誰もが持っています。

その道は1つではなく、それぞれの選手が、それぞれの得意やこだわりを貫いていくことで成し遂げられるのだと思います。

今大会でも、大西選手の演技が見られるのならば、ぜひ見逃さないようにしてほしいです。公式大会ではない気楽さからいつも以上にリスキーな技も見せてくれるかも?

<写真提供:naoko>※OGF2023にて撮影