松坂玲奈が種目別メダルを獲得!~ソフィア国際トーナメント

4月9日22時30分(日本時間)から、わずか2時間の間に4種目というタイトなスケジュールで行われたソフィア国際トーナメントの種目別決勝で、松坂玲奈選手が、メダル3つを獲得しました。

1種目目のフープでは、個人総合のときよりも余裕が感じられる演技で、いきなり31点超え。結果的にはこの種目で2位となり銀メダル獲得!

続くボールでも、30点を超え3位に。そして、特筆すべきはこの演技、A得点が8.400と決勝に残った8選手中もっとも高かったのです。ほんの数年前まで本人はいつも「表現力が・・・」と課題にしていたように思いますが、それがこのA得点! 諦めず、くさらず得意を磨き、苦手にも挑戦し続けてきたからこそ得られたものだと思います。本当に素晴らしい演技でした。

クラブでも松坂選手は、30点超え。さすがに少し疲れが出ているようにも感じられ、いつもよりも足元に安定感がないようにも感じました。それでも、大きな投げを後方転回しながらキャッチするところで少し投げが遠かったように見えましたが、素早い判断とクレバーな対応で難なくキャッチし、のりにのっている感じが伝わってくる演技で、これも3位。

小西選手もクラブで出場しましたが、落下が出てしまい順位は8位。ただ、このクラブはおしゃれな曲(2016年に永井直也さんがクラブで使っていた曲だと思います)で小西選手のキュートな魅力が堪能できる作品でした。もっともっと精度が上がって余裕が出てくれば、曲のニュアンスもさらに生かせてすごく素敵な作品になりそうと、見ていてワクワクしました。

最終種目のリボンでは、松坂選手が珍しくミス。リボンが場外に飛んでしまい、それだけで0.6の減点となり、7位に沈んでしまいましたが、小西選手は大きなミスなく演技をまとめ6位。ここでもクラブでのミスを引きずらない強さを見せました。

ブルガリアの有力選手でフープでは銅メダルを獲得しているTatyana Volozhanina選手は、凄まじいまでのローテーションを回る選手で、フープ以外にもメダルに絡める実力はあったはずですが、ボール以降の3種目では「どうしたの?」と思うようなミスを連発していました。短時間に4種目というハードさゆえか、心身に不調でもあったのか。

松坂選手、小西選手は、惜しいミスが出てしまった種目はあったものの、どの演技も集中力が感じられ、気持ちのこもったよい演技をしていたこともとても良かったと思います。Tatyana Volozhanina選手を見ても、大会本番を良いコンディションで迎えることはとても難しいことだと感じましたが、今大会での日本選手たちは、そこもしっかりできていたように思いました。

フープとリボンでは、ウクライナのKhrystyna Pohranychna選手が金メダル獲得。とても美しい選手ですが、どの演技も気迫が伝わってきました。「新体操ができることが当たり前ではない」中で、このスポーツに懸けている選手の強さが感じられました。

4~5月に日本の選手たちの派遣が予定されている大会は以下のとおりです。

●WCタシケント大会(4/14-16)個人総合:喜田未来乃、団体:フェアリージャパンPOLA

●WCバクー大会(4/21-23)個人総合:山田愛乃、団体:フェアリージャパンPOLA

●国際トーナメントポルチマン大会(4/30-5/2)個人総合:松坂玲奈

●WCポルチマン大会(5/5-7)個人総合:山田愛乃、喜田未来乃、団体:フェアリージャパンPOLA

●アジアシニア新体操選手権大会(5/31-6/3)個人総合:山田愛乃、喜田未来乃、団体:フェアリージャパンPOLA

※写真提供:東京女子体育大学新体操競技部