2017年度個人総合トライアウト(男子)、3月11日に開催!

3月4日に行われた「2017年度個人総合トライアウト(女子)」に続き、今週末は、男子の「個人総合トライアウト」が味の素ナショナルトレーニングセンターにて開催される。

男子は、72名のエントリーがあり、この中の上位18名には4月に行われる「全日本選手権」の出場資格が与えられる。

上は世界レベルのトップ選手たちがひしめく「全日本選手権」への登竜門がこのトライアウトなのだ。

2016年度までは、11月に行われていたトライアウトだが、今年度からシーズンインぎりぎりのこのタイミングに開催がずれた。

冬場の成長度合いもしっかり見極め、4月の「全日本選手権」が、より頂上対決に近いものになるように、という意図だろう。

また、故障やチーム事情などで、2017シーズンは結果が残せなかった選手にとっては、シーズンイン直前に再浮上のチャンスがあるということは、大きなモチベーションとなるに違いない。

2月末に、このトライアウトに向けた鹿屋体育大学の試技会を見に行ったが、そこでも出場予定の選手たちが、熱のこもった演技をしていた。

思うようにいかないときには、苛立ちを隠せない選手もいて、それだけみんなが必死に目の前のトライアウトに向けて取り組んでいるのだろう、と感じられた。

 

そして、それは鹿屋体育大学の選手たちに限ったことではなく、この「トライアウト」を目指す選手たちはみな同様なのだろうと思う。

「トライアウト」も誰でも参加できるわけではない。

トライアウトにエントリーできるのは、すでに全日本選手権出場資格を有する選手を除いた中で、

①全日本シニア選手権1部上位20名

②全日本学生選手権1部・2部(団体選手権)上位20名

③男子ジュニア強化部推薦(インターハイ上位5名、全日本ジュニア上位5名=10名)

に該当するか、

④2017全日本団体選手権上位12チームからの推薦各1名(12名)

⑤所属推薦(所属から推薦された選手を強化部、審判部で選考し出場者を決定。申し込み時に過去の成績もしくは演技映像を提出)

この5つのいずれかにあてはまる選手のみがエントリー可能となる。

つまり「トライアウト」といえど、この舞台に立つ時点ですでに「選ばれしもの」と言えるだろう。

※2017年度個人総合トライアウト出場者

https://www.jpn-gym.or.jp/wp-content/uploads/2018/02/18a_nai_m_tryout.pdf


それでも彼らにとっても、「全日本選手権」という舞台は遠く、そこに至る道は険しい。

しかし、だからこそ、その舞台は輝き、憧れでもある。

4月27~29日に行われる「第72回全日本体操競技選手権大会」には、すでに

①全日本シニア選手権1部上位20名

②全日本学生選手権1部・2部(団体選手権)上位20名

③男子ジュニア強化部推薦8名

④協会推薦6名

の54名が出場資格を得ている。

※第72回全日本体操競技選手権出場有資格者

https://www.jpn-gym.or.jp/wp-content/uploads/2017/12/18a_nai_m_gymnasts.pdf 

ここに割って入る18名に名乗りをあげるのは誰か?

興味はつきない。

世界での金メダルを懸けた戦いは熱いし、日本のトップを競う戦いはもっと熱い。

が、それ以上に、その場に立つために、自分の全力を尽くす者たちの戦いにも、価値がある。

この戦いに臨むすべての選手が、自分の力を発揮できるよう、祈りたい。

トライアウトは、報道も一般観客にも非公開で行われるため、その演技を見ることはできないが、結果が発表されるのを心待ちにしたい。

TEXT & PHOTO:Keiko SHIINA 

※写真は、トライアウト出場予定の鹿屋体育大学の選手たち。(上から中谷至希、安田健人、原口幸大、中嶋洋介(OB)、上田直樹)