日本男子、好発進! ~第44回世界体操競技選手権 in アントワープ
アントワープでは、ついに世界選手権が始まった。
初日である9月30日には、男子予選が行われたが、日本の男子選手達、すばらしい活躍を見せている。
なんと言っても、すでに「時の人」となっているのは、白井健三だ。
ゆかでは、4回ひねりを成功させ、16・233という驚異的な点数をたたきだし、初めての世界選手で、ゆかは堂々の1位通過だ。
さらに跳馬でも、「ユルチェンコ3回ひねり」を成功させて、暫定6位という位置につけている。
そして、内村航平も、当たり前のように個人総合の首位にいる。
このまま逃げ切れば、前人未到の世界選手権4連覇となる。
また、内村は、ゆかが3位、鉄棒が1位で種目別決勝にも残っており、さすがな強さだ。
日本選手の中では最後に登場した加藤凌平も、ゆかスタートで4種目目までなんとかまとめ、
平行棒、鉄棒でぐっと順位を上げた。とくに鉄棒は7位で種目別決勝にも残った。
終わってみれば、1日目を終えて個人総合暫定3位という、世界選手権デビューとしては
上出来な結果だったのではないだろうか。
予選では、前半種目で今一歩点数を伸ばしきれておらず、それでも3位につけているのだから、
決勝でさらによいパフォーマンスができれば、内村とのワンツーフィニッシュも十分期待できる。
ロンドン五輪のときは、無名に近い選手だったのが、たった1年で本当に、
内村と並び「2枚看板」と称されるようになったのだ。
伸びざかりとは、まさに今の加藤のことだろう。
団体戦のない、今回の世界選手権で、種目別での活躍が期待されていた
「つり輪の山室光史」「あん馬の亀山耕平」も、しっかりと期待に応える演技で、
亀山は、15.400、山室は、15.500をマーク。どちらも8位で種目別決勝に進む。
「強い」と言われる日本の体操男子だが、今回はいちだんと強い。
技術の高さもさることながら、気持ちが強い。
個人総合の決勝、種目別決勝と、じつに楽しみだ。
●日本体操協会のレポートはこちら↓
TEXT by Keiko SHIINA
PHOTO by Yoshinori SAKAKIBARA(内村・山室・亀山)/Norikazu OKAMOTO(白井、加藤)
※写真は、2012全日本種目別、2013NHK杯、2013全日本ジュニアのもの。