第67回全日本体操競技種目別選手権大会/男子出場選手①

第67回全日本体操競技種目別選手権大会/男子出場選手①

 

6月29~30日に東京体育館において「第67回全日本体操競技種目別選手権大会」が行われる。

個人総合で競う「全日本選手権」や「NHK杯」に比べると、スルーされやすい種目別選手権だが、

今年は大きな意味をもつ大会となっており、例年以上に注目を集めそうだ。

 

9月30日~10月6日にかけてベルギー・アントワープで開かれる「世界体操競技選手権」に出場する

代表選手すべてが、今回の種目別選手権よって決まることになっている。

男子は、内村航平と加藤凌平の2名がすでに代表選手に決定しているが、代表枠は「6」!

残り4つの代表の座をめぐって、種目別選手権で熱い戦いが繰り広げられそうだ。

 

五輪の翌年にあたる今年の世界選手権は、団体総合がなく、個人総合と種目別だけが行われる。

そのため、日本からも内村、加藤というオールラウンダーのほかに、各種目のスペシャリストを

代表として送り込む戦略で、残り4人の代表選手には、いずれかの種目に突出した力をもっていることが

求められている。種目別選手権は、29日(予選)、30日(決勝)の2日間となっているが、

種目別選手権で、代表の座を勝ち取るために必要な条件は、まず種目別で優勝すること。

さらに、その得点が「派遣標準得点」を上回ること、となる。

しかし、この「派遣標準得点」がなかなかくせもので、かなり高いハードルとなっている。

男子の場合、派遣標準得点はゆか15.900、あん馬15.800、つり輪15.800、跳馬15.400、平行棒15.900、鉄棒16.300

と、全日本レベルの試合での優勝者でもめったに出せないようなハイスコアが掲げられている。

となると、たとえ種目別で優勝しても「派遣標準得点」に達していないために、代表に決まらないという事態が

起きてくることが予想されるが、その際には、「全日本選手権(2日間)+NHK杯(2日間)」の種目別の成績を

ポイントにして計算し、ポイント上位の選手が選出されるという非常に複雑な選出方法となっている。

選出方法について詳しく知りたい方は、日本体操協会のFacebookにかなり詳しい説明が掲載されているので

こちら(↓)を参照してほしい。2013年4月30日のトピックスに記載がある。

http://www.facebook.com/taisounippon

 

種目別選手権の出場資格は、「全日本選手権+NHK杯」4日間の競技のいずれかで種目別8位以内に

入った選手、または、推薦基準Dスコア以上をもつDVD推薦選手に与えられている。

つまり、個人総合では、全日本まで勝ち上がってこれない選手の中で、特定の種目についてはハイスコアを

出せる可能性のある選手にもチャンスがあるということだ。

そういう選手が、今回の種目別選手権の一発勝負で世界選手権の代表の座を勝ち取るためには、派遣標準得点をクリアして

ぶっちぎりの優勝を狙うしかない。それができれば、個人総合の成績や過去の実績は問わず、代表に選出される。

また、ポイント制ですでに優位に立っている選手にしても、今大会で攻めた演技をした結果、失敗したとしても

今までのポイントに影響はないのだから、ここは攻めるしかない。

となれば、この種目別選手権では、どの選手も、今自分にでき得る最高難度の演技をぶつけてくるに違いない。

これは、見応え十分な熱い戦いになる。

 

種目別選手権の出場選手は、すでに日本体操協会のブログにて発表されている。

●種目別選手権出場者(男子前半種目)

http://www.jpn-gym.or.jp/artistic/2013/infor/pdf/13naf_m1_list.pdf

●種目別選手権出場者(男子後半種目)

http://www.jpn-gym.or.jp/artistic/2013/infor/pdf/13naf_m2_list.pdf

 

種目別選手権に出場予定の選手の中から、一部の選手ではあるが、何回かに分けて紹介していこう。

 

●山室光史(コナミ) ※つり輪シード選手、あん馬にエントリー

 

●田中和仁(徳洲会体操クラブ) ※つり輪、平行棒、鉄棒シード選手、あん馬にエントリー

 

●早坂尚人(市立船橋高校) ※ゆかシード選手

 

●神本雄也(日本体育大学) ※平行棒シード選手、つり輪、鉄棒にエントリー

 

●中島立貴(コナミ) ※ゆか、あん馬シード選手、平行棒にエントリー

 

●亀山耕平(徳洲会体操クラブ) ※あん馬シード選手

※シード選手とは、「全日本選手権+NHK杯」の4日間の競技を種目別ポイント化した各種目の上位5名。

 種目別選手権の予選が免除される。

 

PHOTO by Tatsuya OTSUKA   TEXT by Keiko SHIINA