リオ五輪日本代表候補女子3選手が決定!~第55回NHK杯体操

5月4日に行われた「第55回NHK杯」女子競技では、寺本明日香が2年ぶりに女王の座に返り咲いた。

持ち点(4月の全日本選手権決勝の得点)では、村上茉愛(日体大)に対して0.10のビハインドからのスタートとなった寺本だが、1種目目の跳馬で「チュソビチナ」を決め、15.300をマークし、15.050の村上を逆転すると、段違い平行棒、平均台とも14点台でまとめ、最終種目のゆかでも14.050。ゆかでは14.800の高得点をマークした村上の猛追を、全種目で高値安定の演技を見せた寺本がかわし、NHK杯優勝とともに、リオ五輪日本代表候補の権利を手にした。

全日本で初優勝し、NHK杯でも優勝を、と意気込んだ村上茉愛だが、今大会では、平均台での落下をはじめ、段違い平行棒でもやや実施に乱れもあり、今季抜群の安定感と迫力を見せるゆかでは寺本を上回ったものの、再逆転はできず2位に終わった。

上位2人の熾烈な争いを目の当たりにしつつも冷静さを失わず、しっかりと3位をキープ。リオ五輪代表候補の座を確定したのは杉原愛子(梅花高校/朝日生命)だ。高校生ながら、その落ち着いた演技は、昨年のアジア選手権でも日本チームの核となっていた。NHK杯連覇をという思いもあったとは思うが、それ以上に、今やるべきこと、を最優先にしたクレバーな戦いぶりだったように思う。

この3名が、リオ五輪日本代表選手候補となり、6月4~5日に行われる全日本種目別選手権の結果を加味し、NHK杯12位以内からあと3名の代表候補選手が選出される。代表候補は最大7名となるが、7番目の選手は、「全日本個人決勝、全日本種目別決勝のいずれかに出場した選手の中で、寺本、村上、杉原との組み合わせで最も貢献度の高くなる選手で、貢献度の高い種目においてD6.0以上を獲得した選手から1名を選出」となっている。

いわゆるスペシャリストにもチャンスが残されていると言え、とくに段違い平行棒、平均台を得意とする選手にはチャンスがありそうだ。とはいえ、Dスコア6.0以上というのはかなり高いハードルとなり、女子の代表選考は6月の全日本種目別選手権が終わるまで予断を許さない展開になりそうだ。

 

PHOTO:Yuki SUENAGA      TEXT:Keiko SHIINA