第21回全日本ユースチャンピオンシップ(男子2班)の見どころ

2班に入り、最初の国士舘ジュニアRG(東京都)の鈴木玲亜選手(中3)は、昨年全日本ジュニアに国士舘ジュニア団体のメンバーとして出場経験のある選手です。

続く宮城県名取高等学校(宮城県)からは3名が出場。谷津敬直選手(高3)は中2のときに全日本ジュニア5位。より上を目指していただろう2020年の全日本ジュニアはコロナ禍で中止という悔しい思いをしてきた選手です。斉藤悠杜選手(高3)も中2のときに全日本ジュニアに出場しているので、ジュニアでは「最後の年」がなかった学年ですが、高3になるまで新体操を続けてきてくれました。かっこよさが信条の「名取らしい」演技を期待したいです。

丹後ジュニア新体操クラブ(京都府)からは中学生が2名出場します。個性的な演技でファンの多かった廣庭捷平さんが指導に入っているクラブで、すでに高校生でも頭角を現している選手もいるのでこれからに期待がもてそうです。

レインボージムナスティックス大潟(新潟県)からは、3名が出場。大嶋絢心選手(高1)は、昨年の全日本ジュニア11位になっています。国士舘大学の演技会が毎年開催されている新潟県ですが、競技選手はなかなか育っていませんでした。が、ここにきて力のある選手が育ち始めています。2021年のインターハイに向けて新潟で始動を始めた水本賢さん(国士舘大学卒)の力も大きいと思います。けれん味のない美しい体操はまさに水本さん仕込みと感じる選手たちに期待です。

RG葛飾新体操クラブ(東京都)も、かれこれ10年近く男子新体操に取り組んできました。息長く、高校、大学まで新体操を続ける選手も多く、2021年に全日本選手権7位入賞の高橋晴貴さん(国士舘大学卒)もこのクラブの卒業生です。今回出場する馬場清ノ輔選手(中2)は、昨年、中1ながら全日本ジュニア出場も果たした期待の選手です。

国士舘高等学校(東京都)からは、村山涼選手(高3)が出場します。今年の高校選抜では8位と少し悔しい結果に終わっていますが、ジュニア時代からその伸びやかな体操は高く評価されてきた選手です。手具操作でのミスが出てしまいがちでもったいないのですが、見る人の心に訴える味わいのある体操は健在なので、今大会では力を出し切れることを祈りたいです。

谷口央弥選手(高3)は、京都府立丹後緑風高校網野学舎/丹後ジュニア新体操クラブ(京都府)から出場。ジュニア時代から独特の味わいのある選手でファンが多いです。やや技術に偏向しがちな近年の新体操の中で、どことなく「古き良き男子新体操」の趣を残しつつ、力も技術もしっかりとある、将来がとても楽しみな選手。昨年のインターハイ5位、今年の高校選抜7位と持っている力より少し下かな? と思う結果が続いているので、そろそろブレイクスルーがきそうな気がします。

昨年の全日本インカレチャンピオン・大村光星さん(花園大学卒)を輩出したWingまつもとRG(長野県)からは3名の選手が出場。もともと女子の名門クラブですが、10年ほど前から男子クラスを創設し、着実に選手が育っています。丸山和孝選手(高3)は昨年のインターハイ、今年の高校選抜に出場。片山塁成選手(中2)も昨年は全日本ジュニアに出場した実績があります。

滝沢南中学校(岩手県)は、今のようにクラブチームがなかった時代、中学の部活動で男子新体操を盛り上げ、全国優勝も果たしたことのある伝統的なチームです。多くの選手が盛岡市立高校に進学し、新体操を続けますが、近年は高校の団体で目覚ましい活躍を見せています。今回は中3が4名の出場ですが、今年の全日本ジュニアに向けてよい経験をしてほしいと思います。

北海道新体操クラブ江別(北海道)からは2名出場。田中晨敬選手(高1)は昨年の全日本ジュニア5位の選手です。同じ北海道のNORTH新体操クラブからも出場する渡邉真平選手(高2)も2021年に全日本ジュニア出場している選手ですが、今年は北海道からは高校団体での出場もなく少し寂しい印象です。

阿久比新体操クラブ(愛知県)は、近年着々と男子新体操人口を増やしており、それだけでも凄い貢献度だと思いますが、島田倫太朗選手(高3)は昨年のインターハイで12位と今年はさらに上を狙えそうなところまできています。シュッとした線が美しい選手で、年々表現力にも磨きがかかってきているので、今大会でまずその存在感をおおいに示してほしいです。

国士舘中学校/国士舘ジュニアRG(東京都)からは、昨年の全日本ジュニア2位の村山颯選手(中3)が出場します。華やかさのある演技をする選手で、表現力もあり、昨年はユースでも11位と大健闘! 今年もミスを最小限に抑えられれば台風の目になるかもしません。

香川県立坂出工業高校(香川県)の高山蓮音選手(高2)は、国士舘ジュニア育ちながら高校は、坂出工業に進学。2019年全日本チャンピオンの川東拓斗監督の指導のもと、新体操に打ち込んでいます。昨年のインターハイ出場、今年の高校選抜にも出場しましたが、まだ目指している新体操をやり切れず苦戦している様子にも見えます。ただ、高みを目指していることは十分うかがえる演技はしているので、完成度が上がってきたときが楽しみです。今大会で浮上の足がかりをつかめるか、注目したいです。

キートス新体操クラブ(広島県)は、社会人選手として活躍している野渕昂さん(花園大学卒)が指導するクラブで、今大会には三島渓詩選手(高1)が出場します。昨年は全日本ジュニアにも出場している選手で、野渕さんの熱意ある指導で着実に力をつけていることがうかがえます。

山梨県立甲府工業高校(山梨県)からは、土橋瑠選手(高3)が出場。昨年すでにインターハイを経験している選手だけに、今年はより上を目指していると思われます。まずは今大会でインターハイに向けて勢いをつけたいところです。

<写真提供:naoko>

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