2022高校総体女子個人メダリスト

2位:鈴木菜巴(須磨ノ浦高校/兵庫県)ボール28.750+フープ29.050=57.800

1種目目ボールの演技は圧巻だった。今年のルールになってから「表現力」や「芸術性」が重視されるようになった。とは言え、去年まであれだけ「AD(手具技術)」を追求してきた選手たちがいきなり手具操作を極端に減らすわけはない。数は減らすだけに1つ1つの技でより加点を求めることになる。それでいて去年までよりも「踊る力」「なりきる力」が求められる。そんな無理難題をもっともクレバーにクリアしているように感じるのがこの選手だ。とくにボールは、DA5.00となっているがとてもそうは思えないほど、「技をつめている」という印象がない。むしろ、踊っているし、表現している。自分ではないなにか不思議なものになりきった演技の中に、しっかりDAが織り込まれているのだ。まさに「技術を表現のツール」としている。そういう点では、鈴木選手と松坂玲奈選手(東京女子体育大学)が双璧ではないかと思う。今大会では、フープで落下場外し手具交換という大きなミスが出たが、それでも29点台が出せる力をつけてきていることが頼もしい。

高校生になったばかりのころは、「技術先行型の選手」に見えていたのがウソのように、今の演技は表現で惹きつけるものがある。昨年に続いての準優勝には悔しい思いもあるかもしれないが、この悔しさも鈴木選手ならきっと糧にしてくれるに違いない。

 

3位:海保結愛(明聖高校/千葉県)ボール27.450+フープ27.350=54.800

まだ高校1年生ながら3位。このところまさに「伸び盛り」と感じる選手だ。もちろん、これだけの点数を出しているだけに、この選手の演技にも多くの高難度な技が入っているし、それを高い精度でこなしているのだが、海保選手の演技はいい意味で自由に見える。そして、それがこの選手の魅力になっていると思う。2位の鈴木選手同様、この選手の演技も、そこまで技をつめこんでいるような印象がない。それは、彼女の動きが大きく、表情もはつらつとして伸びやかなため、技に追われている感じがしないからだろう。少々の狂いにも反応でき、持ちこたえられるしぶとさも感じられる。残り2年の高校時代、さらにはその先でも、どんな成長と変貌を見せてくれるのか楽しみな選手だ。

PHOTO:Ayako SHIMIZU      TEXT:Keiko SHIINA