第20回全日本ユースチャンピオンシップ男子個人TOP3

今回の男子ユースチャンピオンシップのメダリストの顔ぶれは、私にとってはかなり感慨深いものだった。

なぜなら、3人とも本当に小さい頃から見てきた選手たちだったからだ。

2012年からテレビ信州杯で開催されるようになった男子キッズ選手権の低学年の部に出ていたのを見たことがある。

そんな選手たちが、ユース世代のトップを競うようになったのだから感無量だ。

しかも、そのころから「ずっとトップ(あるいはトップ近く)だった」という選手は、2位の岩田選手だけ。

優勝した貝瀬選手も、3位の葛西選手も、大会ではミスして自滅、そんなことも少なくなかった選手だった。

これは男子だけでなく女子に言えることだが、長く新体操をやっていて、力はたしかについてきていても、それが「試合での結果」に結びつく時期は人によって違う。貝瀬選手などは、何年も前から「きちんとした美しい体操をする選手」であることはわかっていたが、ミスが出ていたため全国でのメダルにはなかなか手が届かなかった。それが、まさに機は熟した、といわんばかりの開花ぶり。こんな風に、目の前にたちはだかっていた壁をすっと飛び越えられる瞬間が来るんだ! その瞬間を見ることができて本当によかった。

3位の葛西選手も同じだ。ジュニア後期からぐっと身長も伸びて、目をひく選手にはなっていた。キレのよい動き、力強いタンブリング。団体の中でも存在感を発揮する選手ではあった。が、いかんせん個人競技では確実性に欠けていた。手具操作でのミスも多く、よい動きはしているのだが、「美しい」というには粗も目立つ。いわゆる「団体の選手が個人もやっている」という様子が見てとれていた。

それが。すべてがワンランクずつ上がった結果、総合的な到達点が凄まじく上がっていた。かつて見たことがないような個性的な本番着も、今の彼だから着こなすことができ、フロア上で映えた。

ほんの10年前まで男子新体操は、中学や高校から始めた選手が多かった。それが、今の選手たちは、小学校の低学年からやっている。

長くやっていれば、結果が出ないことで嫌になることもあったのではないかと思う。

でも、それを乗り越えて、ここまでずっと続けてきたからこそ、彼らは、3年ぶりの有観客開催のユースチャンピオンシップという大舞台でこれだけの演技を見せることができたのだ。そして、この先も続けてくれたならば。楽しみでたまらない。

 

優勝:貝瀬  壮(光明学園相模原高校)

 

準優勝:岩田  隼(大垣共立銀行OKB体操クラブ/済美高校)

 

3位:葛西麗音(青森山田高校)

TEXT:Keiko SHIINA       PHOTO:Ayako SHIMIZU