「彼女たちの東京五輪」~東京女子体育大学の挑戦

東京五輪が終わり、この先、新体操はどうなっていくのだろうか、という一抹の不安もある。

東京での五輪開催が決まってからのこの8年間、新体操界には「東京五輪のために」というお題目が常にあった。

が、これからはそれがなくなる。

当然、強化費などの財源も大幅にカットされるだろう。

トップアスリート視点で考えれば、正直、あまり明るい見通しはないように感じる。

 

が、だからと言って、「新体操の未来は暗い」のかと言えば、そんなことはない、と思う。

そもそも、残念ながら日本は「新体操強国」ではないのだ。山﨑強化本部長のもとで、徐々に強化の成果は出てきていたし、そのおかげで日本のチームや選手が、世界の舞台で活躍する姿を見ることもできた。そのことが、国内で頑張る新体操選手たちに希望を与えた面も少なからずはある。

トップアスリートが活躍し、メディアなどにも取り上げられることで、「自分たちがやっているスポーツは、世の中でも注目されている、認知されている」と思えることは、もちろん大切なことであり、モチベーションの向上にもつながっていたと思う。

しかし、いくらトップアスリートが活躍し、注目されても、「それ以外の選手たち」が蔑ろにされるようでは、そのスポーツには未来はない。

たとえ週1回のならいごととしての新体操であっても、「地方大会への出場が最大の夢」のような選手であっても、新体操というスポーツに関わった人みんなが「新体操は楽しかった!」と思えるような、そんなあり方を真剣に考えなければならないときがきていると思う。東京五輪という祭りも終わり、少子化は進み、コロナ禍による経済状況の悪化もある。

「一部の素質のある子だけが大事!」

そんなやり方のクラブチームや部活に、ほとんどの人は、時間とお金をかける余裕はない。

この先、新体操はどう生き残っていけばよいのか。みんなが知恵を絞らなければならない時代が、間違いなくやってくる。

 

 

東京五輪の開催中に行われた演技会に、東京女子体育大学が参加していた。以下がその動画だ。

⇒ https://youtu.be/KDHXCvxbwAg

ここは有明競技場でも国立競技場でもないし、彼女たちは日本代表選手でもない。

しかし、こういう五輪への参加の仕方もあったのだ。

「和」テイスト満載のプログラムは、海外の人が見たらきっと喜ぶんじゃないかと思う。

競技では見せにくい「日本らしさ」を、存分に盛り込んだこのプログラムを、この舞台で披露すること。

そこで、彼女たちはきっと大きなやりがいを感じられたのではないだろうか。

 

これからの新体操にはこういう取り組みが不可欠になってくる。

古くから「日本の新体操のさきがけ」だった東京女子体育大学が、積極的にこういった取り組みをしていることはじつに心強い。

五輪は終わってしまったが、この動画はまだ試聴可能だ。

未見の方は、ぜひ見てほしい。テレビで見た五輪の新体操は、演技が忙しすぎて良さがよくわからなかったという人にこそぜひ、この動画を見てほしい。

新体操って、じつはけっこう素敵なんです。

そのことを知ってほしいから。

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詳細はこちら ⇒ https://readyfor.jp/projects/twcpe-rg

TEXT:Keiko SHIINA