2021・鹿児島女子の激闘

この春卒業を迎えた学年を中心に、この3年間で全国トップレベルのチームへと再生を果たした鹿児島純心。

しかし、3月の高校選抜には、その強い純心を支えてきたメンバーがごつそり抜けた新メンバーで挑むことになり、「世代交代はうまくいっているのか?」と思われたが、演技途中からあまりの精度の高さで度肝を抜く実施を見せ、堂々の準優勝。今の純心の強さが、昨年までのメンバー頼みではなかったことを証明してみせた。

5月22日に行われた鹿児島県総体の団体競技でも、純心は公式練習のときから本番さながらの緊張感と迫力のある演技で他を圧倒。29.600をマークして圧巻の優勝。D得点はじつに24.800という高難度演技を、高校選抜に続いて大きな破綻なくやり切り、地力の高さを見せつけた。

「純心に敵なし。インターハイでは優勝もあり得る」

と思わせる快進撃だったが、そのわずか1週間後、国体九州フロック鹿児島県予選で、その純心が鹿児島実業に敗れるという波乱が起きた。

 

団体競技だけでなく、個人競技1種目×4人の得点(4種目合計点×1/4)が加算される国体ルールでは、個人での得点力のある選手を擁する鹿児島実業がたしかに有利ではあった。が、それでも、県総体での鹿児島実業の団体得点は、ミスもあったとはいえ20.150。個人競技でつけた2点差は、純心にとっては十分逆転の可能性のある点差だった。

ところが、ここで純心にミスが出て、純心の得点は27.150と県総体ほどには伸びなかった。そして、鹿児島実業は会心の演技で28.350をマーク。個人競技でのアドバンテージを守っただけでなく、さらに点差をつけての快勝となり、九州国体への出場を決めたのだ。

たしかに、今の鹿児島実業は、かなりいいチームだとは感じていた。

ただ、この数年、純心が全国レベルの強さを見せていたため、正直、「純心の壁は厚い」とも思っていた。

だから、今の鹿児島実業には、県内で勝てないからと自分たちを低く見積もることなく、様々な機会を見つけて県外の大会にもどんどん出てほしいと願っていた。県内では2位でも、外に出ればきっとかなり上にいける可能性をもったチームではないかと感じていたのだ。

それが、まさか、純心超えを成し遂げるとは!

もちろん、純心にミスが出た結果ではある。が、いくら純心がミスしても、鹿児島実業にこの得点を出すだけの力がなければ、この結果にはなっていない。

昨年、幻に終わった鹿児島国体だが、そこに向けての強化はこうして着実に実っていたのだ。

ここ数年の純心の復活劇でそう強く感じていたが、純心だけでなく、県内でこれだけ切磋琢磨できる状態になっているところが、今の鹿児島県の強さだ。6月11~12日に予定されていた高体連九州ブロック大会でもこの鹿児島の2校がどこまで上位に食い込んでくるか、におおいに注目していたのだが、昨日(6月4日)になって、九州ブロック大会の中止が決定した(インターハイ予選となっている男子団体だけは実施)。

2年続けての九州ブロック大会の中止。それもこんなにも目前になっての決定で、選手たちはどれほど無念だろうと思う。

が、純心にはインターハイ、上位に入れば全日本選手権もある。そして、鹿児島実業にはまずは国体九州ブロック大会、そこを勝ち抜けば三重国体が残されている。なくなった九州ブロック大会の代わりにはならないが、それでも次の目標がまだ見えていることが少しでも選手たちの支えになればと願うしかない。

今、鹿児島女子は熱い。そして強い。

そのことを、次の舞台で証明する。彼女たちなら、きっとできる。

TEXT & PHOTO:Keiko SHIINA