全日本チャイルド選手権、オンライン開催への変更を発表!
とうとう。
今年で23回目となる全日本クラブチャイルド選手権が、オンライン開催になりました。
※日本新体操連盟公式ホームページ
https://www.japan-rg.com/news/20210128/inews.html
小学生の間しか出場できない大会のため、最後のチャンスだった6年生。
1,2年生のときしか出場機会がないキッズコンテストを目指していた小さな選手たち。
もちろん、3~5年生もみんなそれぞれに、小学生とはいえこの大会に懸ける思いは強かったに違いありません。
オンラインでの開催となったことで、今、どんなに落胆しているだろうと思うと胸が痛みます。
ただ、公式ホームページのNEWSを読んでもわかるように、すでに棄権申請が数多く出ているとのこと。
今日のこの通達が出る前にすでに、状況を鑑みて棄権という決断をせざるを得なかったチーム、選手もたくさんいたようです。
6年生でも12歳。
キッズなら6~7歳。まだ幼い。低学年の子達などは、後になってみれば覚えてもいないくらいの年齢ではあります。
でも、幼いだけにきっととても純粋に、この大会を目指し、この大会を楽しみにしていたんじゃないかと思います。
なにしろ、全日本チャイルドは、登録チームから各カテゴリに1名しか出場できないので、この舞台に出る権利を獲得すること自体、ほとんどのクラブで大変なはずです。「やっと手にしたチャンス」だった子の無念は、想像に難くありません。
今、悲嘆にくれている子ども達に、大人の言葉はなかなか届かないかもしれません。
子どもだけでなく、周りで支えてきた親御さんたち、指導者の方もやりきれない気持ちだろうと思います。
それでも。
今は耳にも心にも届かないかもしれないけれど。
「チャイルドはあくまで通過点だから」という原点を思い出して、乗り越えてほしいと思います。
チャイルドは、大きな目標ではあっても、そこが最終地点ではなかったはずですから。
今は手具持ちの競技になったので、「通過点」色はより濃くなってきたので、そんなに心配いらないかな?
と思いつつ(かつてチャイルドが徒手競技だったときは、「ここが集大成」くらいの勢いの6年生多かったです)、それでもとくに6年生は「小学生としての最後の!」という思いは強かったろうと思うので、今一度、「まだ先は長い」ということを改めて思い起こしてほしいです。
長く新体操を見続けていると、小学生のときにはチャイルドの舞台には届かなかった選手でも、出ても良い結果は得られなかった選手でも、長く続けていった結果、素晴らしい選手に成長していった例をたくさん見てきました。
全日本チャイルドがオンラインになってしまったという経験もきっと長い競技人生の中では生きてくるはず。
今回のチャンスは失ったかもしれませんが、その悔しい思いもきっと自分の財産にすることができると思います。
何年か後に、「ああこの選手はあのとき悔しい思いをしたんだな、だからここまで頑張ってこれたんだな」と思える選手がたくさん育ってくることを本気で期待しています。それは今回のチャイルドだけでなく、去年のインターハイや多くの大会を目指していた選手たちに対しても言えることですが。今、本当に目標をもつこと、その目標に向かってひたむきに頑張ることが難しい時代になっています。
以前と同じように「大きな会場」で「たくさんの観客」の前で、「拍手や声援」を浴びるチャンスは本当に少なくなってしまいました。
だけど、本来、新体操の大きな魅力のひとつは「自分の成長」を感じられることです。
練習すればするだけ、長く続ければ続けるだけ、誰もがちゃんと進化できる。そのスピードには差があるし、その成果を試合で発揮できるかどうかはまた別の能力や運もかかわってきますが、自分で自分の進化は感じられるはずです。
大会に出ると、そこでの出来不出来や成績などによっては、「努力なんて報われない」と感じてしまうこともあるでしょうが、そんなことはない。
「成長」「進化」という大きな意味では誰もが報われる可能性が高い、それが新体操です。
全日本チャイルドのオンライン開催。
コロナ禍による苦渋の選択だとは思いますが、案外これでいいのかもしれない、と思います。
全国からあの大会に集まることにかかる費用、労力、地方在住者にとってはかなり大きな負担です。
それでも、せっかくのチャンスなら! とみんな出てくる。出られる喜びや誇らしさが負担の重さに勝るからです。
会場で演技できないことに一度はがっかりしてしまったかもしれないけれど、演技を審判に見てもらえること、採点してもらえること。
成績が記録に残ること。(まだ詳細は発表されていませんが、決勝くらいは配信などあればいいなと期待しています)
オンラインでも得られるものはたくさんあります!
日本の小学生たちの底力、ぜひ見せてほしいと思います。
先日、ブルガリアのオンライン大会での日本選手たちの活躍をお知らせしましたが、日本でもぼちぼちオンライン大会が開催されるようになってきています。全日本チャイルドの翌週、2月27~28日には、第1回の「ASHITA CUP」が開催されます。
こちらはもう出場者募集は締め切っているのですが、日本のほか、マレーシアからも多数の選手が出場予定とのこと。
審査は採点規則にのっとった採点のほか、コメントもあり、と参加者のモチベーションアップに繋がる様々な工夫もされています。
ジムラブでも微力ながら協力させていただく予定です。
今回はもうエントリーできませんが、興味のある方は以下のインスタをチェックしてみてください。
次回開催の際は、ぜひふるって参加いただければと思います。
https://www.instagram.com/p/CKbg_o1Fidq/?utm_source=ig_web_copy_link
全日本チャイルドのオンライン化で、ますますオンライン大会は増えていきそうな予感がします。
出場のハードルがぐっと下がることを考えれば、失うものばかりではないと思います。
昨年末に見せていただいた東京女子体育大学の研究発表会での秋山エリカ先生があいさつで、「(コロナ禍で)今はたしかに大変です。だけど、日本にまだ新体操というものがなかった時代に、新体操を普及された先生方の苦労に比べたら、このくらいなんでもない」と言われたことが心に残っています。本当にその通りです。
大変なことは間違いない、悔しいこともたくさんある。
だけど。
ピンチをチャンスに! 新体操人たちはしぶとく、粘り強く、前進あるのみです。
TEXT:Keiko SHIINA