「心意気」Sieg R.Gクラブ(北海道)~第20回全日本クラブ団体選手権

第20回クラブ団体選手権ジュニアの部が終わった。

優勝は昨年に続き町田RG(東京都)。上位チームの演技は、今年はおそらくどこも例年になく少なかっただろうに、素晴らしかった。

そして、さらに嬉しいことに、入賞したチーム以外にも、いろいろな意味で印象に残る演技を見せてくれたチームが多かった。

実施にミスが出たり、構成がまだ上げきれないなど、勝てない理由はそれぞれにあるのだとは思う。

が、「これはいい!」と思える何かをもった演技であり、チームであることは、ジュニア期には非常に大切なことだ。

ただ、点数を取りにいく、順位を上げていくだけが新体操ではないのだから。

 

たとえば、Sieg R.G。

今大会での成績は22位だが、このチームの演技には圧倒された。

「ボレロ」を使っていたのだが、あの壮大な曲に負けていなかったのだ。

入りのポーズでは、赤いリボンでフロア上に円を描いていた。

なんだろう? と思っていると、すぐに特徴的なあの曲が始まり、この円がバレエ「ボレロ」のあの円形の舞台を示しているのだろうとわかる。

壮大でやや単調なあの曲を、ジュニアの選手たちがどう表現するのか? とにわかに興味が沸き、「つかみ」はOK! だった。

演技序盤での5人揃ってのリボンのかきをみせながらのステップ。

ここでは、しっかりと動きとかきを揃えて見せていた。今どきの演技にしては、このステップにはかなり時間を割いていたように感じたし、点数のことだけを考えるなら、もっと技を詰めたほうが上げられるのではないかとも思うが、それだけにこの曲でこのステップを見せたいのだ! という心意気が伝わってくる。

どうしても連係技が詰め込まれた演技が大勢を占めているだけに、この潔さが心地よかった。

ジュニアチームとしては、比較的、身長も高く大人っぽい選手が多かったとは思うが、それにしても、個々の選手が「ボレロ」という曲をきっとよく聴いているのだろう。バレエやもしかしたら昨年のインターハイ優勝校・常葉大常葉の素晴らしかった「ボレロ」なども繰り返し見ているのではないかと思う動きをし、表情を見せていた。

技術的にはまだ未熟な点もあるだろうし、うまくできなかったこともあったとは思うが、「ボレロを演じる」ということに関しては、かなりやり切れていたのではないか、そんな風に見えた。

新体操というスポーツはルールがよく変わる。

そして、そのルールによって同じ新体操でもかなり様相が違ってくる。

今はとにかく「技」の時代だ。団体も個人も、技を多く入れ、正確に実施できることが勝利への近道になっている。

が、ことジュニア選手に関しては、こういうのもアリだなと、このチームの演技を見ていて思った。

「表現すること」を最優先して、その楽しさや面白さ、奥深さを知ることができれば、選手たちはもっともっと新体操を続けたい、極めたいと思うだろう。技術はその先でも伸ばせる。ミスもなくせる。

それよりも「表現すること」「伝えること」を、今、指導者は教えたかったのだろうし、選手たちの演技はその気持ちに十分応えていた。

だから、見ていて心が動いたのだ。

満足のいく結果ではなかったかもしれないが、大きなことを成し遂げた演技だったと思う。

TEXT & PHOTO:Keiko SHIINA