2020 Tokyo Thanks Match 開催!

8月22日、西八王子エスフォルタアリーナにて、東京都高体連主催の「2020 Tokyo Thanks Match」が行われた。

コロナ感染対策もしっかりとったうえでやっと開催にこぎつけた大会で、ここでの結果が何かにつながるわけではないが、

今年、まだ一度も大会に出場できないままでいた高校生たちにとっては大きな歓びに満ちた大会となった。

大会会場に設置されていたこの横断幕には、選手ひとりひとりが書いたメッセージカードが貼られていた。

真ん中には、「ありがとう」という文字でデザインされた「夢」という文字。

普段の大会なら、なかったものだ。

やっとできた、今シーズン初めての大会。そして選手によっては今シーズン唯一の大会になる可能性もあり、高3であれば、高校時代最後の大会にもなる。

大会開催にこぎつけるまでにも、例年とはけた違いの苦労もあったろうし、リスクもある。たくさんの注意事項が記されているプログラムの分厚さだけ見てもその苦労はしのばれる。それでも、なんとか選手たちのためにやりたかった大会なのだと思う。選手たちの気持ちに寄り添う多くの人の尽力があったからこそ、この場があったということを選手たちも痛いほどわかっている。

だから、普段と比べたらずっと少ない練習時間しかとれなかったはずだが、本番での1本は、どのチームも気迫に満ちた素晴らしいものだった。ミスが出たチームもあったが、それは挑戦したゆえの、またはよい通しをしたいという思いが強すぎたゆえのミスだったと思う。

緩慢な演技や、諦めてしまったような演技は1つもなかった。

関係者が必死になって作ったこの「発表の場」を、無駄にしない覚悟を誰もがもって演技をしていた。

 

正直に言うならば、十分に練習を積んだときの各チームの力は出し切れてなかった、とは思う。

が、そんなことはもうどうでもいい、と思える演技だった。よくみんなここまで投げ出さずにやってきてくれた、と思わずにいられなかった。

 

もっとも高い得点を得た二階堂高校団体と個人の4種目それぞれの1位の選手(柴山・片野・石澤・山田)が、文部科学大臣賞を獲得した。

「この団体は、本当にこれで最後。今大会に懸けてきました。限られた時間の中で、今できることを頑張れたと思います。何よりも気持ちの面で成長できたと感じています」と森田監督。

 

また、準優勝となった駒場学園高校団体と、個人4種目の2位の選手(草刈・西原・佐山・齊藤)には、スポーツ庁長官特別賞が授与された。

「インターハイ出場を目指していたA団体を、3年生の希望でこの大会のために解体して、出場した3チームそれぞれにメンバーを分散してチームを組み直しました。練習期間は短くなりましたが、その期間で3年生は後輩に残せるものを出し切ろうという思いで頑張ってくれました」と柳田監督。

どちらも、少ない練習時間の中、団体、個人ともできる限りの力を尽くしてきたことが報われたのではないかと思う。

 

また、2チームが出場し、それぞれチームの個性に合わせた団体作品を演じた藤村女子の演技も、今回はミスが出てしまい悔しい結果だったかもしれないが、高井コーチは、「練習量が足りてないことで、焦ってしまいました。今日は反省点ばかりです。悔しい思いはしましたが、そういう悔しさが味わえたことが良かったです。これで前に進めます」と前向きだった。

この大会に勝ったところで、インターハイも国体もない。

それでも、この場を設けた人たち、今まで自分たちを支えてくれた人たちのために、全力を尽くす。

ここにいた選手たちはもれなくそんな経験をしたのだ。

今はまだ悔しさも残っているかもしれない。

が、いつか。

みんながもっと大人になったときには、この経験が自分にとって大きかったと感じることができるに違いない。 

 

今大会の競技開始前や昼休憩の時間には、先日、YouTubeに公開された「未来へ」(インターハイメモリアル動画)も流されていた。

※「未来へ」紹介記事 ⇒ https://news.yahoo.co.jp/byline/shiinakeiko/20200818-00193911/

この動画に込めた、今の高校生たちへのエールもしっかり受け止めてもらえたことが感じられた。

みんなが支え、みんなが応える。

大会全体に溢れるそんな空気が、この大会を唯一無二のものにした。

PHOTO & INTERVIEW:Ayako SHIMIZU       TEXT:Keiko SHIINA