「卒業おめでとう!」~男子大学4年生(西日本)

4月1日から、新しい生活が始まる2019年度卒業生たち。

新体操選手として順風満帆だった選手ばかりではない。

大阪体育大学の高橋卓見と、同志社大学の山口優真は、大学1年生のときには団体のメンバーとして全日本インカレに出場している。

大阪体育大学も同志社大学も、この2016年を最後に団体での出場はできていないので、彼らが新入生として入部したからこそ団体が組めたという状態だったのだろう。

 ▼竹内  陸(花園大学)

彼らが「団体をやりたい」と思って大学でも新体操をやっていたのだとしたら、1年目を最後にその後は願いは叶わなかったことになる。

「団体をやりたい」とは思っていなかったのならば、入学早々、思いがけず団体をやらざるを得なくなった、それはそれで大変だったろうと思う。

とくに、山口は新体操を始めたのは、大学に入ってからだ。

それが突然、新体操経験者たちで組んだ団体に放り込まれたのだから、かなり負荷がかかったことは想像に難くない。

はじめの1年間は、骨折など故障にも苦しんだと聞くが、彼はそのきつい1年間を乗り越え、それでも新体操を辞めなかった。

高橋も、団体を組む機会にはその後恵まれなかったが、個人選手としては1人きりになっても最後のシーズンまでやり切った。

その経験は、これからの人生におおいに生きるだろう。

 ▼高橋卓見(大阪体育大学)

山口に関しては、ラストシーズンだった2019年、西日本インカレでかなりいい演技を見せていた。

とくに最終種目だったクラブでは、おそらく本人にとっても「会心の演技」だったのではないかと思う。

とても、大学生になってから新体操を始めたとは思えない、それも、決して練習環境には恵まれているとはいえない同志社大学でやってきた選手がここまでやれるのか、と驚く演技だった。

全日本インカレでの演技におおいに期待が膨らんだが、故障のためコールのみの「0点演技」、9月の男子クラブ選手権に賭けた。

そして、その男子クラブ選手権での1種目目・スティックは、素晴らしい演技の片鱗を見せたのだが、演技中に負傷し棄権。

この試合、この演技にかける思いが伝わってくる演技は、90秒やりきることができずに、彼の新体操人生は終わった。

 ▼栗山  巧(福岡大学)

どれほど悔しかっただろう、と思う。

それでも、大学から新体操を始めた選手が、ここまでやれた! というものは、しっかり見せてくれた。

あきらめずに、そして、戦略的に、知恵を絞ってやっていけば、自分の目指す演技にここまで近づくことはできると示してくれた。

新体操の右も左もわからないまま団体に放り込まれた素人くんが、ここまでになった。

思いは叶わずに終わったのかもしれないが、彼が最後の年に見せてくれたのは間違いなく「サクセスストーリー」だった。

 ▼山口優真(同志社大学)

うまくいかないときがあっても、くじけずに最後まで完走する。

そんな姿を見せてくれた4年生たち。

新体操のその後に続く人生も、きっとたくましく切り拓いていくに違いない。

PHOTO:Ayako SHIMIZU      TEXT:Keiko SHIINA