東京発・男子新体操の新しい風~2018国士舘カップのキッズたち①Synchression

12月16日、国士館大学で行われた「2018国士舘カップ」は多数の参加者でおおいに盛り上がった。

大学生たちの演技は、「さすが」と思わせるものが多く、非常に見ごたえがあったことはもちろんだが、キッズ、ジュニアの選手たちに収穫の多かった大会だったように思う。

ジュニア団体には、3チームが出場。その中で優勝したのが「Synchression」(東京都)だった。

Synchressionは、東京、川崎、横浜などを活動場所としているチームで数年前から大会出場もしていたが、団体を組んだのは今年が初めて。

全日本ジュニア予選となる東京ジュニアが初戦で、その後、いくつかの大会を経て今回が4回目の試合だったとのことだが、

団体を組んで初めての年とは思えぬ、堂々たる演技でジュニアの部優勝をさらった。

今回の作品は、なんと青森山田高校が2006年に演じた作品とのこと。

この年の青森山田は高校総体で井原・精研高校(現在の井原高校)に敗れて準優勝に終わっているが、その差わずか0.1という名勝負を繰り広げた年だった。青森山田のメンバーには後にシルク・ドゥ・ソレイユで活躍することになる外崎成仁や鈴木大輔もいた。

その作品を、Synchressionのジュニア選手たちは、じつによく演じていた。もちろん、ジュニアだけに粗さや拙さもある。

が、古くからの男子新体操ファンならきっと「あのころの青森山田」を思い出すのではないか、と思うだけの雰囲気はあった。

それもそのはず。

Synchressionの代表で主に指導をしている石塚智司は、青森山田高校出身で現在は、「BLUE TOKYO」のメンバーとしても活躍中。

指導陣には、ほかにもBLUE TOKYOメンバーの名前もあり、東京にいながら、青森DNAの濃い新体操を学べるクラブなのだ。

今回の国士舘カップには、団体だけでなく徒手部門にも多くの選手が出場しており、どの選手もかなり新体操に真摯に取り組んでいることが感じられる演技を見せていた。

「高校や大学でも新体操を続けたい」という気持ちをもっている選手も少なくないとのことで、ジュニアを卒業し、Synchressionからは旅立っていった先でも通用する選手を育てること、を念頭に選手育成をされているようだ。

東京では、国士館ジュニアがジュニア育成では大きな成果を上げており、東京ジュニア、関東ジュニアを勝ち抜いて全日本ジュニアにまで到達する道はかなり険しくなっているので、Synchressionの名前を全国大会で見ることはなかなかないかもしれないが、着実に、全国レベルの活躍ができるだけの下地をもった選手が育ってきている注目クラブと言えそうだ。

Synchressionは、年明けのテレビ信州杯にもエントリーしており、大会出場にも意欲的だ。

簡単に全日本ジュニアへは出られないからこそ、積極的に大会の場を求めていくことは選手たちの経験値を上げるためには必須となる。

指導者にそのことがわかっているのだと思う。

意欲的な指導者のもとでは、間違いなく選手も意欲的に育っていく。

これからのSynchressionに、ますますの飛躍を期待したい。

※ Synchression公式サイト⇒ http://synchression.com/

PHOTO:Ayako SHIMIZU       TEXT:Keiko SHIINA