2018九州高校総体の収穫①~神里 和(首里高校)

神里和は、総合順位は7位だが、非常に印象に残る選手だった。

1種目目のフープは、「カルミナブラーナ」の荘厳な曲にのせた重厚感と、なにか「この世のものではない」ような空気感のある演技だった。

技術的にもかなり高いものをもっているように思うが、演技を見ている間は、いい意味で技術を感じさせない。

「うまいな」と感じる以前に、彼女の描き出す世界にもっていかれる、そんなタイプの選手だ。

90秒という演技時間がとても短く感じ、もっと見ていたい、と思わせる演技だった。

フープでは、大きなミスもなかったように思う。得点も全体の4位にあたる点数が出ているので、かなりいい出来だったのだろう。

2種目目のボールでは、果たしてどんな演技を見せてくれるのか?

と期待して見ていたところ、今後は「シェヘラザード」。そして、これもやはり世界観の伝わってくる素晴らしい作品だった。

フープに比べると、点数が伸びていないので、多分、落下などミスはあったように思うが、ミスが印象に残らなかった。

それだけ、「魅せる力」のある演技であり、選手だったと言える。

数年前のかささぎ杯(九州地区の全日本ジュニア予選)で、沖縄には、いい動きをする表現力豊かな選手がいるな、と感じたことを思い出した。

もしかして、それがこの神里や、今大会ではミスが多く順位はおとしてしまったが、はつらつとした演技が印象に残った崎間琉加(琉陽高校)ではなかったか。

少し前に、国士舘大学の個人選手だった木崎頌子という選手も、沖縄の出身だったが、彼女も似たような「憑依型」の演技をする、インパクトのある選手だった。

たまたまなのかもしれないが、見る機会のあった沖縄の選手たちは、総じて表現力に長けているように思う。

新体操でも、十分魅力的な選手たちだが、いずれ新体操を卒業する日がきても、踊りや表現の世界でさらに力を発揮するのではないかな、と予感させる選手が、沖縄にはいる気がする。土地柄もあるのだろうが、おそらくそういった面を大事にする指導者がいるのではないかとも想像できる。

神里はまだ高校2年生のようだ。高校だけでもあと1年ある。

今でも十分に味わいのある演技を見せてくれている彼女が、あと1年でどう化けてくるか。とても楽しみだ。

PHOTO & TEXT:Keiko  SHIINA