「次へ!」~西日本インカレ男女個人4位

西日本インカレの結果を見て、男女とも4位の選手の名前を見たとき、どうしても触れておきたいと思った。

どの試合でも、「4位」は一番悔しい順位ではないか、と思っている。

あと1歩、あと1人を抜ければ、メダル獲得だった。表彰台にも上がれた。

しかし、そのたった1番の順位の違いによって、4位の選手の名前はほとんどどこにも残らない。

 

男子個人4位の竹内陸(花園大学)は、ジュニア、高校時代からとても美しい線をもった選手だった。

そして、体の線や動きが美しいだけあって、見るからに真面目そうな、繊細そうな選手という印象があった。

その繊細さゆえに、人の心をうつ美しい演技を見せる一方で、肝心なところでミスが出て、点数や順位などの面では残念な結果になってしまった試合も少なからず見てきた。

真面目そのものの練習ぶりを何回も見たことがあるので、いつかそれが実ってくれればと思っていた竹内が、今回、1種目目のスティックではミスが出て、15点台に沈みつつも、そこから持ち直した。リングでは17.350。2日目のロープでは、17.250。最終種目のクラブも16.900とまとめての4位。順位だけ見れば「あと1つ」。悔しい思いもあるだろうが、今までにはない粘り、執念を見せた試合展開だったように思う。

彼の演技を見る限り、「自分の表現したいもの」を持っていることは十分に伝わってくる。そのための努力も惜しんではいない。ただ、「強さ」や「自信」にはやや欠ける感はあった。

もう少し図々しくなってくれれば、持ち前の美しさには、本当にジュニア時代から目を引くだけのものがあるのに・・・と何度も思ってきた選手だ。昨年の全日本インカレでは個人総合24位。16点台にのっているのロープのみ、スティック、リングは15点台、クラブは14点台だった。決して力を出しきれた大会ではなかったと思う。その竹内の進境は、得点だけ見てもわかる。

今回は「あと1つ」だったかもしれないが、ここでつけた自信があれば、次はきっと! 次はきっと自分の目指す場所に手が届くのではないかと思う。

この夏、彼の美しい演技をまた見られることを、さらには秋にも見られることを期待してやまない。

 

女子の4位となった小島莉奈(花園大学)は、昨年の西日本インカレで、目を引いた選手だった。昨年3年生だったが、それまで見た覚えのない選手だと思ったら、2年生までは団体選手だったのだと聞いた。大学での個人選手としてデビューしたてだった昨年の西日本インカレでも、その華のある演技は「こんな選手、どこに隠れていたの?」と感じさせるものがあった。

昨年の全日本インカレでは、24位。4種目総合得点は43.600だった。今大会では、4種目総合46.450。

今年は4年生、最終学年になるがきちんと練習を積んできたのだ。そして、着実に力をつけてきている。

この選手の魅力はなんと言ってもその輝く笑顔、美しいつま先。動きに踊り感もあり、昨年見たときも「ミスが惜しい! でも、なんてチャーミングなんだろう」と思わせる選手だった。もちろん、少々ミスがあったとしても、ミスを恐れて小さくまとめるのではなく、この選手の内からあふれ出るような輝きを失くさないことのほうがずっと価値があると思う。自分の持ち味を大切に、自分の見せたい演技をやり切ってほしいと思わせる選手だ。

得点を見る限り、実施力も昨年よりはかなり上がってきているのだろう。全日本インカレで、あのチャーミングな演技を再び見せてくれることを期待したい。

「4位」に、こういった選手の名前を見つけたとき、新体操って捨てたもんじゃないな、と思う。

「凄く強い、凄く巧い」だけに価値があるんじゃない。地道に、必死に、ひたむきに、少しずつ力をつけ、上がってくる選手たちの、その歩みの尊さこそが、新体操の魅力なのだ。

TEXT:Keiko SHIINA       PHOTO:Ayako SHIMIZU ※写真は2017年全日本インカレのもの