チャイルド新時代①~白土新体操クラブ発表会より

昨年12月に観に行った白土新体操クラブの発表会で驚いたことがある。

手具をもたない徒手演技のチャイルドさんがかなりたくさん演技披露をしていたことだ。

それも、どの選手もかなりうまい!

技術的なレベルも高いが、なんと言っても表情が豊かだった。

そして、一昔前の(徒手時代の)チャイルドに比べるとぐっと踊り感があるのだ。

それは、年明けに見たテレビ信州杯のチャイルド(個人)でも同じだった。

テレビ信州杯は、一時期行っていなかったチャイルド個人(徒手)を昨年から復活させた。今年は復活2回目となったが、そのレベルアップぶりには目を見張るものがあった。

そして、ここでも、技術的なレベルアップはもちろんだが、その表現力の伸びに度肝を抜かれた。

「やや過熱気味ではないか」と案じたこともあった全日本クラブチャイルドが、徒手競技から手具持ちになって久しい。(たしか5年目になる)

それまで「基礎を大切に」という旗頭のもと、徒手演技で競っていた小学生たちの大会が手具持ちになることには賛否両論あった。

が、結果的には「よい方向に向かっている」とは、思う。

もちろん、基礎は大切だ。とはいえ、最終的に新体操は徒手で競うものではない。

徒手能力の向上と、手具操作の巧緻性の向上は同時にやっていかねばならない命題なのだ。

手具持ちになってからのクラブチャイルドを見ていると、「小学生でもやればできるものなのだなあ」と感心することしきりだ。

あの巨大大会に関しては、手具持ちにするという変更は間違いではなかった、と思う。

 

ただし。

新体操をやっている小学生たちに、手具でのミスをおそれることなく、思い切りのびのびと演技をする機会もあればいいな、とは思う。

それは、チャイルド団体でもいいとは思うが、こうやって発表会という場でもいいし、部内大会などでもいいから、個人であの広いフロアマットと観客や審判の視線を独占して、徒手で踊る。そんな機会があれば、小学生にとっては大きな経験になるだろう。

その経験を、楽しかった! と思えた子どもの中から、「新体操で表現する楽しさ」に惹かれる選手も育ってくるに違いない。

今の新体操は、本当に大変だ。

なにもかもこなせないとなかなか得点を得ることができなくなってきている。

それでいて「表現力」や「芸術性」も求められる。

ミスなく、難度もできて、手具も扱おうとしたらそれどころではない! ましてや小学生ならば。

ただ、だからといって「表現する楽しさ」や「表現したいという気持ち」は後回しでいいかと言えばそうではない。

試合での結果が悪かったとしても、まだまだ先が長い小学生だからこそ、やはり「表現」には挑戦してほしいと思う。

そのためには、やはり「チャイルド(徒手)」は有効ではないか。

白土新体操クラブの発表会を見て、その後、テレビ信州杯も見て、

そんなことを感じた。

なんと言っても、表現力豊かで笑顔いっぱい!のチャイルドさんたちの演技は

見ていて理屈抜きに楽しいのだ。

「クラブチャイルドでの成績」や「クラブチャイルドに出られるかどうか」で、新体操人生が決まる!

くらいに「チャイルド競技」がシリアスにとらえられていた時期もたしかにあった。

が、今は、そうではない。

そのくらい、日本の新体操は成熟してきた、と思いたい。

チャイルド競技のとらえ方、取り組み方も新しい時代を迎えているのだ。

多分、それは悪いことではない。

 

PHOTO & TEXT:Keiko SHIINA