第41回熊日学童五輪(新体操)結果
毎年2月に行われる全日本クラブチャイルド選手権。
従来は、徒手で競われていた大会だが、現在は小学3年生以上は手具をもっての演技の大会に変更された。今年の2月が手具ありになって3回目の大会だった。
チャイルドが手具ありになってから、様々な変化があり、現在はまだ過渡期ではあると思うが、ここ数年のチャイルドでは、熊本県勢の健闘が目立つように感じていた。
正直、ジュニアや高校生となると、近年は九州や熊本は分が悪い。全国で上位にはなかなか進出できずにいる。しかし、チャイルドとなると、かなりの好成績を残すようになったのだ・
九州にはもともと小学生大会という手具ありの演技で九州チャンピオンを決める大会があり、小学生のころから手具をもって試合に出ることに慣れているのだろう、と思っていた。
ちなみに、ここ2年の全日本チャイルドでの熊本県勢の成績は、
第17回大会(2015年2月開催)
●5・6年の部(決勝)9位:三原(みどり新体操クラブ)、10位:有村(熊本市ジュニア新体操クラブ)、25位:松本(熊本RG)
●3・4年の部(決勝)9位:工藤(みどり新体操クラブ)、9位:泉(Rin新体操クラブ)、34位:有村(熊本市ジュニア新体操クラブ)
第16回大会(2014年2月開催)
●5・6年の部(決勝)30位:松本(熊本RG)、31位:有村(熊本市ジュニア新体操クラブ)、平山(熊本RG)
●3・4年の部(決勝)4位:稲木(みどり新体操クラブ)、26位:朝間(熊本市新体操クラブ)
となっている。3・4年、5・6年ともに35人だけが進出できる決勝は、非常に狭き門なだけに、毎回、これだけの人数が決勝に残っているということが、まずすごい。
さらに、1つのクラブだけが突出しているのではなく、少なくとも小学生の段階では、複数のクラブから強い選手が育っている。これも、特長的だ。
そんな熊本県では、九州小学生大会の予選大会も兼ねた「熊日学童五輪」という大会があると聞いて、取材に行ってきた。
「熊日学童五輪」は、熊本県の新聞社・熊本日日新聞社主催の小学生対象の競技会で、新体操だけではなく、体操競技や、陸上、サッカー、バスケットボールなど20種目近くの競技が行われ、まさに「学童五輪」といった趣きの大会となっている。
その新体操の部が、7月12日に行われた。団体競技は、「選手は6名。基本的には徒手団体だが、演技の途中に全員が手具(ロープ)を使うパートを作らなければならない」という独特のルール(九州小学生大会が採用しているルール)で行われ、以下の結果となった。
【団体競技】
1位:みどり新体操クラブA 14.450
(稲木・岩永・川上・工藤・出合・福島 [補欠]川原・高﨑)
2位:Rin新体操クラブA 13.600
(内園・泉優笑・白石・増永・齊藤・山本 [補欠]池田・泉笑和)
3位:熊本RG A 12.850
(渡邉菜々・渡邉萌々・姫野・清藤・渡辺・緒方 [補欠]湧田・奥)
また、個人競技では全日本クラブチャイルドでも上位入賞経験のある稲木が、貫録の演技を見せ優勝。身体能力の高さ、線の美しさに加えスピーディーな手具操作の巧みさも持ち合わせたバランスのよい選手で、来年2月には自身最後となる全日本クラブチャイルドで、さらにはジュニアとしても活躍が期待できそうだ。
【個人競技】ロープ、リボン2種目総合
1位:稲木李菜子(みどり新体操クラブ)19.800
2位:泉 優笑(Rin新体操クラブ)17.200
3位:有村咲耶(熊本市ジュニア新体操クラブ)16.450
4位:渡邉菜々(熊本RG)15.600
4位:増永友理彩(Rin新体操クラブ)15.600
6位:内園乙乃(Rin新体操クラブ)14.700
小学生ながら、とても表現力豊かに、チャーミングな演技を見せる選手が多かった。
現在の手具操作の器用性も要求される新体操には、小学生時代からきっちり手具をもって出られる目標になる試合が数多いことは大きなメリットだ。全日本チャイルドでの熊本勢の活躍が目立っていた理由の一端を垣間見たような気がする大会だった。
PHOTO & TEXT:Keiko SHIINA