「銀牙 流れ星 銀」~絆編 に見る男子新体操OBの可能性

男女問わず、「新体操出身の出演者がいるから」という理由だけで足を運ぶには、

舞台のチケットは安くない。それも、いわゆる「2.5次元モノ」となると、お目当ての演者が出てくるシーン以外は

門外漢には苦痛、という場合もある。 

なので、あまり観に行かないのだが、今回は行ってみよう! と思った。

なぜなら、話が分かりやすそうだったから。

普通に舞台として楽しめそうだと思ったからだ。

そして、男子新体操出身の永井直也と佐久本歩夢が出ている。

振付は、辻本知彦氏。

申し訳ないが、主演クラスの若手俳優さんには、知っている人はいない。

それでも、おそらく「観る価値あり」なのではないかと思わせるものがあったのだ。

天王洲アイル駅を降りて、銀河劇場に向かう途中にはこんなポスターも掲示されていて

否応なく気分が盛り上がる。

 

名前のついているメインキャストだけでも12人もいるようだ。

果たして、アンサンブルの彼らにはどの程度出番があるんだろうか? と少し不安になりながら、

開幕を待つ。そして、この舞台の主人公たちはなんせ「犬」!

メイクもしてるだろうし、見分けられるかな? という不安もあった。

しかし。

結論から言えば、とても楽しめた。2時間があっという間。

そして、心配しなくても彼らの出番はたっぷりあった。それも、タンブリングで舞台を横切るだけ、とかではない。

いわば、12人のメインキャスト以外の名前のない役はほとんどアンサンブルメンバーが演じているので、

役柄を変えて、衣装も変えて、どの場面にも出てくる。

そのため、舞台にのっている時間も長ければ、演技する時間も長いし、ついには歌まで!

彼らの強みであるタンブリングも戦闘シーンでは使われてはいたが、むしろそれはおまけのようだった。

1年前、2年前までフロアマットの上で「演じていた」彼らは舞台で立派に演技していた。

他の演者さん達も、ダンスも達者で身体能力の高い人が多かった。

それでも、基本的な体の動きは際立って美しかった。

舞台を観て、こんな評価をするのは間違っているとは思うが、やはり「基本」なんだと感じる。

そんな動きを、男子新体操出身の2人が見せてくれていた。

 

永井直也も佐久本歩夢も、男子新体操選手の中では「表現」の比重が高い選手ではあった。

そんな彼だからこそ、ではあるかもしれないが、この舞台で見た2人の演技からは、

「役者」という可能性もあるのでは、と感じられた。

男子新体操選手たちの可能性は、まだまだ果てしないのかもしれない。

まだチケットが取れる日もあるようなので、機会があればぜひ劇場に足を運んで、彼らの奮闘ぶりを見てもらいたい。

※舞台「銀牙・流れ星  銀」~絆編の公式ホームページ

https://ginga-stage.com/

TEXT & PHOTO:Keiko SHIINA