「タンブリングFINAL」~小山圭太

◆『再び青春』させてくれた

 タンブリングとの5年間に感謝!

                             小山圭太(恵庭南高校⇒国士舘大学卒)

 

2010年にテレビドラマ「タンブリング」がTBSで制作、放送されたとき、小山圭太は新体操チームの一員として出演している。いや、出演だけでなく、ドラマ、舞台とキャストたちへの新体操指導、さらには、劇中で演じられる団体作品の創作などにも携わっている。

数多くの新体操出身者が関わってきた「タンブリング」だが、その関わりの深さと長さでは、この小山の右に出るものはいない。

 

新体操チームのメンバーにとっても、おそらく新体操に挑戦してきたキャストたちにとっても、まさに精神的支柱といえる存在だったのではないか。

小山に、「あなたにとって、『タンブリング』とは?」というベタな質問をしてみると、間髪を入れず答えが返ってきた。

 

「再び青春、ですね。」

 

小山の新体操歴は長い。ジュニア時代はDORENクラブ、高校は恵庭南高校と北海道で新体操に明け暮れ、国士舘大学に進学。4年間、団体選手として活躍した。そんな小山は、「大学4年のジャパンで、自分の新体操は終わり、と思っていた」と言う。

 

しかし、大学を卒業して3年目。

まず、テレビドラマ「タンブリング」に出会う。

さらにその夏は舞台になり、この年は、「タンブリング」新体操チームで、「烏森RG」というチームを組んで、全日本社会人大会にも出場。見事、ジャパンの出場権を得て、ジャパンでも3位入賞という快挙を成し遂げた。

 

「20代後半になっても、こんなに青春できるとは思っていなかったし、自分が15年間やってきた男子新体操を、こんなに多くの人の前で演じさせてもらえる日が来るとも思っていませんでしたから。『タンブリング』には、本当に感謝です。」

 

それから、毎年、小山は「タンブリング」に関わってきた。

キャストは毎年入れ替わるので、毎回、ほとんどのキャストが初心者からのスタートだったが、基本からていねいに、根気よく男子新体操を教えた。

「キャストに指導するときに心がけていたのは、新体操の楽しさを知ってほしいということです。少々はつらい思いもしないと、うまくなれないので、それは避けられませんが、あまり厳しくなりすぎず、つらいこともあるけど、楽しい! と言ってもらえるように、と考えてやってきました。」

そんな小山が、毎回、工夫を重ねて作ってきたのが、キャストたちが劇中で演じる団体作品だ。本物の新体操選手と比べれば、やれることは限られている。

しかし、ダンスなどの素養もあるキャストが多いので、新体操の技術を補う動きのよさはある。そんなキャストたちの良さを引き出せる作品を、毎回作ってきた。

「作品のテーマは、ザ・新体操。キャストたちの良さを生かしつつも、シンクロの美しさを強調したりして、いかにも新体操らしい作品、にこだわってきました。」

そんな小山の思いがつまった団体作品は、公演中も回を重ねるごとに完成度があがっていき、毎年、千秋楽には本物の試合さながらに感極まるキャストや、観客もいるという。

 

「新体操の楽しさを伝えたい」という小山の思いは、しっかり伝わっている。

また、元新体操選手たちによる新体操チーム(今回は「鷲津学院」として登場する)の作品も、全員で意見を出し合って作っているそうだが、小山がまとめ役だ。

 

今回で「FINAL」となる舞台だけに、最後の団体作品に懸ける思いはひとしおだ。

「今回の舞台では、鷲津学院の団体演技が2回出てきますが、とくに後で演じるほうの作品は、これが集大成だ、という思いのつまったものになっています。音楽もとてもいいので、その音楽にのって踊れるし、思いもこめて演じています。

これ、千秋楽はヤバイかも、と思うくらいいい作品になっているので、ぜひ注目して見てほしいです。」

現在、小山はアクロバットチーム「PADMA」のアクロバットショーや、今年の1月期連続ドラマ「Dr.DMAT」にレギュラー出演するなど俳優として活動している。また今秋より始動するエンターテインメントユニット「BTW」メンバーとしても活躍が期待されるが、「これからは『タンブリング』での指導経験を活かし、アクロバットや新体操の楽しさを教えるような活動と、俳優やパフォーマーと両立してやれたらいいな、と思っています。」と言う。

 

そして、最後に、この5年間を通じての変化は? と聞くと、小山はこう答えた。

「『タンブリング』以前は、男子新体操と言っても知らない人が多かったんですが、この5年間で、『タンブリング』といえば男子新体操ですね! と言われるようになりました。それは大きな変化だと思いますし、嬉しいですね。」

小山圭太に、「再び青春」を与えたという『タンブリング』は、男子新体操にも多くの貢献をした。

そのシリーズ完結となる今夏の「タンブリングFINAL」公演は、残り11回(大阪3回+東京8回)。「タンブリング」の、新体操チームの、そして小山圭太の集大成をぜひお見逃しなく!

 

※「タンブリングFINAL」公演情報

http://www.tumblingtbs.jp/information/

 

PHOTO:Ayako SHIMIZU  TEXT:Keiko SHIINA