2014南関東総体に向けて~桑村美里(相模女子大学高等部)

8月2日。今年のインターハイ前の最後の取材として、桑村美里の練習を見に行った。

練習終わりの最後の1時間くらいだったが、彼女は町田RGのシニア選手で組んだ団体の練習をしていた。

 

この日は、少し演技の手直しをする日だったそうで、意外なほど穏やかな雰囲気の中で、高校生、大学生の選手たちが、とても自律的に団体の練習をしていた。

チームを結成してまだ1か月足らず。

それでも、個々の新体操キャリアが長いので、きわめてスムーズな練習ぶりに見えた。

長い付き合いなので、お互いに意見も言い合える。

「●●ちゃんの場所がちょっとずれてるよ」

「投げ、もっと大きくしないと間に合わなくない?」

お互いに指摘し合い、確認し合い、作品を作り上げていく。

指導者はもちろんいるのだが、かなり「自分たちでやれる」団体に見える。

これが、シニアなんだなあ、と。小さいころから見る機会の多かった選手たちだけに感慨深かった。

 

そして、インターハイを1週間後に控えた桑村美里は、そんなことは忘れているかのように、この団体練習に打ち込んでいた。

「今日は午後から個人の練習はやったので、夕方から団体で。ちょうどいいです。」

 

練習を終えてから、インタビューさせてもらうと、こともなげに桑村はそう言った。

たしかに、インターハイに向けての練習ばかりでは息がつまる。

もともと桑村の所属する町田RGは、忙しいクラブで、無茶じゃない? というスケジュールで動いたりもする。彼女はそんな中で育ってきたのだから、団体練習もいい気分転換になったのだろう。この日の練習はとても楽しそうだった。

「今年は、人生最後のインターハイなので、悔いなく思い切りやりたいです。

せっかくの地元開催なので、そのことにも感謝して、今まで支えてくれたたくさんの人たちへの感謝を込めて、強い気持ちをもって臨みたいです。

あまり、結果は考えず、自分にやれること、練習してきたことを本番の1本で出したいと思います。」

 

桑村は、今年3月に行われた高校選抜大会で優勝している。

となると、インターハイも優勝して「春夏連覇」と期待するむきもあるだろう。

しかし、当の本人は、「自分で納得できる演技が、本番でできることが一番。結果はついてきてくれたら嬉しいですけど。」

と、あくまで自然体だ。

インターハイでは、ボールとフープを行うが、桑村にとって、ボールはちょっとした鬼門だ。

 

今シーズンになってから、曲も構成も変えた4種目の中でもっとも新しい演技。

そのうえ、本来の彼女のイメージから「なにもそこまで?」かけ離れた雰囲気の演技なのだ。

「ボールは、やっぱり得意じゃなくて。。。」

苦笑いしながら、彼女は言った。

「曲も挑戦しているし、技でも挑戦しているので、不安も大きくて、今までの試合では、その不安が表に出てしまう演技になったことも多くて。

でも、その不安をなくすために今まで練習をしてきたので、インターハイでは、あの曲に合った演技でしっかり決めたいです。」

どんな技でも、どんな演技でも、いつもこうして食らいついていき、自分の演技の幅を広げてきた。

それが桑村美里だ。

インターハイでは、思いをこめた大人の演技を、見せてくれるに違いない。

 

PHOTO & TEXT:Keiko SHIINA