2014南関東総体に向けて~猪又涼子(伊那西高校)

「インターハイは2回目ですが、去年は2種目ともいい演技はできたと思いますが、結果につながらなくて悔しかったので、今年は日本一を目指して、悔いのない演技をしたいです。」

 

インターハイ直前の7月30日、須坂市で行われていた伊那西高校の合宿を訪ね、猪又涼子にインターハイの抱負をきくと、まっすぐに「日本一を目指して」という言葉が返ってきた。

 

高校2年生になってから少し調子を落としているようにも見えて、心配していたが、それは杞憂だったようだ。この日も彼女は、黙々と粛々と、やるべきことをしっかり確認しながらやっていた。

目標は高く。でも、地に足のついた練習ぶりだった。

「やはりトップには届かないなにかが自分にはあるんだな、と感じました。」

その「なにか」の正体はわかっているの? と訊いてみた。

「難度が申告とおりにできていなかったり、動きの大きさが足りなかったり。そのへんがトップ選手とは差があると思います。」

猪又涼子は、自分自身を冷静に見つめている。

春先の不調の原因も、自分なりに分析していた。

「3月の選抜あたりから思うような演技ができなくなっていました。やはり、1年生という立場から環境が違ってきて、責任とかプレッシャーとか、余計なことを考えてしまっていたと思います。」

そのころよりは、今は吹っ切れたように見える。

 

おそらく。

コントロールシリーズ最終戦で調子を落とし、世界選手権代表決定戦に駒を進められなかったことが悔しかったのではないか、と思う。

同じ高校生の桑村美里、古井里奈、河崎羽珠愛は決定戦にも出場した。

それらの選手と十分に競えるだけの演技をし、得点を得たこともあっただけに、「肝心なところでいい演技ができなかった」という悔いは、きっとあったに違いない。

その悔しさが、彼女をひと回り強くした。

そう思える演技を、インターハイでは見せてほしいと思う。

「フープは、昨年と同じ『火の鳥』ですが、昨年よりも大きさや強さが出せるように練習してきました。

ボールは、曲もがらっと変えて、元気な曲になったので、フープとはまったく違うイメージの自分を見せたいです。」

そう語る彼女は、「日本一を目指す」という強い気持ちをもって挑む2回目のインターハイを、楽しみにしているように見えた。

楽しみにできるだけの準備をしてきたのだろう。

ならばこちらも。

猪又涼子の今年のインターハイでの演技を楽しみにしていよう。

「華奢で可憐」だったあの選手が、ひと回りもふた回りも強くなり、大人になった姿を、きっと見せてくれるだろうから。

 

PHOTO &  TEXT:Keiko SHIINA