1日目は個人競技が行われるが、男子個人は優勝予測がなかなか難しい。
2023年の実績を見ても、高校選抜では田中千紗仁(済美高校)、ユースでは山本響士朗(高田高校)、インターハイでは谷口央弥(丹後緑風高校)と優勝者がばらけている。それだけ、上位選手たちの力が拮抗している。また、近年、手具操作の難易度が著しく上がってきているため、どの選手にとっても本番でのミスはつきもの。ミスの多寡で得点も順位も大きく変わってしまうからだ。
さらに、高校生ならではの急激な「伸び」を見せる選手もいる。
高校選抜直前、鹿児島実業高校の取材に行った際に、個人で出場する東凰雅の演技も見ることができたが、彼もまさに「伸び盛り」だと感じた。東は、全日本ジュニアでの優勝経験もある力のある選手ではある。
が、高校生になってからは、高度化する演技内容にやや苦戦している様子があった。もともと身体能力は高く、スピード感のある演技が持ち味だったが、もう一段演技の質を上げていく段階で苦しんでいるように見えていた。
それが。
この日の練習では、その変化が明確に見えていた。体の動きも、手具操作も丁寧さが増し、そのことで演技が洗練されてきていた。
東は、今大会、団体のメンバーには入らず個人に専念している。今年から男子新体操が国スポに復活するため、個人競技の重要性はどのチームにとっても上がってくる(国スポは、個人種目と団体種目を合わせた得点でチーム順位が決まる)。今回の東の個人専念は、国スポに向けての対策という意味もあるのだろう。
指導にあたっているのは、福永将司(2018年全日本チャンピオン)だ。その正確な手具操作と高い実施力でチャンピオンになった福永が、じつに熱心に東を指導していた。
そして、その期待に彼は十分応える演技を練習では見せていた。
あとは本番でどこまで出せるか? 楽しみだ。
しかし、その東をもってしても、「優勝」はなかなかハードルが高いと思わせるほど、今の男子の上位陣は層が厚い。
優勝候補の筆頭と言えるのが昨年のユースチャンピオン・山本響士朗だ。2022年の全日本ジュニアで、世紀の大逆転を許し、優勝を逃した山本だが、高校生になった2023年は、いきなりユースで優勝し、その力を見せつけた。山本にとってはジュニアクラブの先輩であり、現在は高校で監督の堀孝輔(2021~2022年全日本チャンピオン)仕込みのスーパーテクニック、さらに力強さでは堀をも凌ぐ山本の安定感は高校生離れしている。
2021年全日本ジュニア2位の実績をもつ長瀬羚(済美高校)も、優勝する力は十分にある。タンブリング、手具操作ともに高いレベルで揃っているうえ、ここにきて表現力もかなり増してきている長瀬の演技は見ごたえがあり、4種目をしっかりまとめる力もある。OKB体操クラブ育ちの長瀬だが、近年のOKBの選手たちは、以前にような「ガツガツした強さとうまさ」だけでなく、きちんとした基礎力に裏打ちされた欠点の少ない体操をする。その基礎の上に、個性が花開いてくるのが高校生になってから、さらに大学まで続けていればさらに化ける。長瀬もそんなOKBの選手であり、ジュニア時代からうまかったことは間違いないが、ここから大きく伸びようとしているように見える。
昨年のインターハイではスティック単独では1位の高得点をマークした高山蓮音(坂出工業)も、4種目をまとめてくれば、優勝争いにもからんできそうだ。高山を指導する川東拓斗(2019年全日本チャンピオン)は、徒手の美しさや情感の伝わる演技に定評のあった選手だが、高山の表現力豊かな演技はその川東を彷彿とさせる。タンブリングの強さ、独創性でも評価は高く、今大会でも期待できそうだ。
そして、「いつもとは違う」演技を見せてくれそうなのが神埼清明高校の選手たちだ。
阿部かん介と、中田光乃介が出場するが、例年の神埼の選手は、個人競技に出場していても、「団体の選手が手具をもって演技している」という印象だったが、2024国スポ開催県である佐賀県は、さすがに国スポを視野に入れ、個人競技にも力を入れてきた。
阿部、中田ともに、1年前、あるいはジュニア時代に比べると見違えるように成長している。演技内容も今の時代の流れにそったテクニカルなものに挑戦しているので、実施がよければ高い得点を期待することもできそうだ。
ただし、二人は団体メンバーも兼ねているため、4種目をまとめるところまで練習を積むことはやや難しかったのではないかと思う。それでも、高校生になって一皮むけた演技は見せてくれるに違いない。
※高校選抜大会は、埼玉県熊谷市・彩の国くまがやドームにて、3月19日(個人競技)、20日(団体競技)が開催されます。観覧無料、入場制限はありません。平日開催ではありますが、可能な方はぜひ足をお運びください。
]]>
昨年の高校選抜には、兵庫県が2校出場し、ワンツーフィニッシュという快挙を果たしたが、複数の強豪校がある兵庫、東京、千葉などの二番手校にとっては高校選抜はまたとないチャンスなのだ。
昨年と今年、連続して高校選抜に出場する千葉県立東金高校にとっても、高校選抜出場の機会はなかなかめぐってこない。
なにしろ、千葉県には全国トップレベルの強豪校・昭和学院高校がある。さらに八千代松陰高校もある。
インターハイ出場はほぼ昭和が独占状態、選抜を目指そうにも八千代松陰という壁がある。
そもそも公立高校である東金は、新体操部の歴史こそ長いが、近年では団体を組めない年も少なくない。
しかし、昨年の全日本選手権で大学生チームをも凌駕し、「リボン&ボール」で予選1位、種目別決勝1位、団体総合でも3位という快進撃を見せた東金RGの選手たちは、全員東金高校の生徒たちだ。当時の3年生が1人引退したが、ほぼメンバーも変わらず、彼女たちは、今回の高校選抜に挑む。
昨年の高校選抜では6位だったが、今年はもっと上、を狙う力もありそうだ。
なんと言っても、昨年の全日本選手権は、大乱戦で「フープ×5」「リボン&ボール」の両方の種目で決勝進出を果たしたのは5チームだった。その中の1チームがこの東金だ。
全日本選手権のあの舞台で4回演技した。彼女たちのその経験値は侮れない。
さらに言うならば、今の東金高校のメンバーのほとんどが2021年に東金RGが全日本ジュニアで団体優勝(ボール×5)したときのメンバーなのだ。
練習している姿は、無邪気で素朴な雰囲気だが、「勝負強さ」は折り紙つきの選手たちだ。
2月末、東金高校の団体練習を見に行かせてもらった。
全日本選手権では、「リボン&ボール」での優勝のインパクトが強かったが、「フープ×5」でも全日本選手権の種目別決勝で6位入賞しているのだ。「フープ✕5」も、うまくないわけはない。
この日は、直前に出場したシルクカップで見つかった課題をクリアすべく、細かい部分の修正を繰り返し行いつつ、通し練習も何回も行うというなかなかハードな練習ぶりだった。
しかし、そんなハードな中でも、このチームは雰囲気が明るいな、と感じた。
ジュニアのころから東金RGでともに育ってきた選手が多い、ということにも起因するのだろう。
お互いの良いところも、悪いところも分かりあっている、そんな空気が感じられた。
東金RGで育っても、高校は強豪校に進むという選択肢もある中、みんなで東金高校に進み、団体を組むという選択をした彼女たちは、おそらく、このチームが大好きなんだと思う。
そして、今のメンバーにはジュニア時代は他のクラブだった選手も入ってきているが、東金高校で新体操をやる! と決意して飛び込んできてくれた選手のことをみんな歓迎し、仲間として受け入れていることがわかる。
ジュニアから一緒の選手たちも、高校からそこに入ってきた選手も、「東金高校」として、ひとつにまとまっている。
彼女たちの明るく、フラットな練習の雰囲気からそう感じた。
その一体感は、演技にも表れる。
複雑な連係技も特徴のあるステップも、なにをやっているときもこのチームには一体感があるのだ。
パンシェやフェッテバランスなど、びしっと決めるところが揃うのは当然として、その間の微妙な動きも非常によく揃っていた。
とくに、高速でのフェッテローテーション。これが素晴らしく揃っていて鳥肌モノだった。
シルクカップでは、想定した得点に届かず、作戦を練り直したとのことだったが、そうやって選抜本番ギリギリまで、少しでも得点力を上げようと挑戦する貪欲さもある。
全日本選手権では「台風の目」だったこのチーム、今回の高校選抜でも要注目だ。
※高校選抜大会は、埼玉県熊谷市・彩の国くまがやドームにて、3月19日(個人競技)、20日(団体競技)が開催されます。観覧無料、入場制限はありません。平日開催ではありますが、可能な方はぜひ足をお運びください。
]]>その結果、昨年の高校選抜での兵庫県のように1位、2位ということもあり得るのが高校選抜という大会だ。
そもそも複数校出場できること自体が凄いのだが、今年は、佐賀県からも2校が出場する。
いわずと知れた新体操の名門・佐賀女子高校と、甲子園でも優勝経験のある(2007年全国高校野球選手権)公立高校・佐賀北高校だ。
3月3日に行われたKAGFにも、2校揃って出演しており、新体操で鍛えた身体能力を生かした華麗な演技を披露していた。
メジャー競技とはいえない新体操は、県代表がほぼ固定的になっていることが多い。全国レベルで競えるチームは1県に1校がやっと、という県がほとんどなのだ。
ところが、県の人口ランキングでは全国47都道府県中41位の佐賀県では、この2校が熱く切磋琢磨しているのだ。
高校選抜での激突も楽しみだが、まずは、KAGFでのパフォーマンスを堪能してほしい。
両チームのレベルの高さと個性がよく表れているのではないだろうか。
●佐賀女子高校 ⇒ https://www.youtube.com/watch?v=BW6TqH2r9iw&t=23s
●佐賀北高校 ⇒ https://www.youtube.com/watch?v=Lt88WUZGYrM&t=53s
]]>
3月頭には、佐賀でKAGFが行われたばかりだが、男子新体操のエンタメ化、イベント化の大きな波がきているようだ。
その中心となっているのは、男子新体操のOBたち。指導者だったり、自らもエンタメを演じる側でもあったりする男子新体操のOBたちが、自分たちの後輩たちや教え子たちのために、男子新体操が多くの人の目にふれる場をつくり、このスポーツの未来を少しでも明るいものにしようとしているのだ。
今回の自主公演『シンクロニズム』に関わっているのは、
◎synchression(石塚智司、伊禮先見)
◎HERO's STUDIO(田邊浩仁)
◎3T'sアクロバットダンスクラブ(椎野健人、松田陽樹)
◎バク転スクールGRANT(奥村大輔)
◎FALAアクロバットクラブ(沖田亘)
名前を見れば、「ああ、あの人」と思い出せる元名選手も多数、関わっていますが、今回の主役は彼が育てている子ども達。
すでにチケットは完売とのことですが、第1回となる今回の手ごたえ次第では、今後、より多くの人に観覧してもらえるようにパワーアップしていくとのこと。
自分たちの手で創り上げる、男子新体操のステージ、ぜひ成功裏に終えるられるように祈りたい。
]]>
ジュニアの部に出場していた井上結愛選手(イオン)は、おそらく初の海外での試合ではなかったかと思うが、驚くほど落ち着いており、堂々としていた。
前半種目のフープ、ボールともに大きなミスもなく、演技中には楽しそうな笑顔を見えた。上位選手と比べればまだDBやDAなどは少ないのだろうが、明るくのびのびとしたその演じっぷりは、おおいに伸びしろを感じさせた。
シニアの部では、Bグループでまず松坂玲奈選手(ヴェニエラRG/東京女子体育大学OG)がフープで登場。
松坂選手の持ち味であるスピード感満点、めまぐるしく連続するキレキレの手具操作が小気味よく決まり、32.500!
続く鈴木菜巴選手(武庫川女子大学/アリシエ兵庫)のボールも、出だしこそやや緊張感が伝わってきたが、序盤の連続ジャンプターンあたりからのってきて、こちらもほぼパーフェクトの演技で、30.650。
この大会にはシニア選手が78名出場しているが、30点台にのせられているのはカザフスタン、イスラエル、アメリカなどごく一部の選手で、日本の二選手もこの1種目目の出来と点数を見る限り、十分上位争いに食い込める!
と感じられた。
が、1種目目がよすぎた、のだろうか。
松坂選手は2種目目のボールでは演技冒頭のリスキーな投げ受けで落下。一瞬こぼれたボールを見失ったのか、松坂選手にしてはわずかに演技中断が見られた。それでも気落ちを見せず、松坂選手の真骨頂であり、「日本の魂」を感じさせるAKIRAの曲を使った作品を最後までエネルギッシュに踊り切り、29.500と30点にはのらなかったが冒頭のあのミスがあったことを思えば、よく踏ん張ったと思える点数を得た。
鈴木選手のフープは、静かでともすれば単調にも感じられる曲を使った独創的な作品だが、この日の演技は、この曲がよく映えた。演技の精度もよく、「これはかなりいいのでは?」と思ったのだが、演技終盤にさしかかったところで痛恨の落下。ころがしでわずかに腕からフープがこぼれてしまった。しかし、鈴木選手も後に響くことなく、しっかりと演技を締めくくり29.550。二人とも、落下というミスは出てしまったが、それでも限りなく30点に近い点数はもぎとった。
つまり、ミスなく通し切れば、松坂選手のフープのように32点にものせられる内容の演技を準備できていた、ということだ。
また、思わぬミスが出ても気持ちを切らすことなく、でき得るベストを尽くす。二人のその力には感服した。この精神的な強さは、国内での厳しい競争を針の穴を通すようにしてくぐり抜けてきた彼女たちならではのものではなかったか。
もちろん、ノーミスの演技がいいに決まっている。が、たとえミスはあっても、こうして粘り強く踏みとどまる演技こそは、見ている者の胸をうつのだ。
前半種目を終えた時点での順位は、松坂選手が7位、鈴木選手が9位。たらればではあるが、2種目目でのミスがなければ、もっと上に食い込んでいただろうことは間違いない。
現時点で、暫定首位のTODOROVA選手(BUL)と松坂選手の得点差は、2.500。僅差とは言えないが、ミスがあってもこの差でおさまっている。
そして間に入っている5選手との差はもっと小さい。後半種目の出来次第では総合順位を上げられる可能性も十分にある。
それは鈴木選手にも言えることだ。鈴木選手と8位のGOLOVAN選手(USA)との差は、わずか0.05なのだから。
この結果、松坂選手はフープ、ボールの両方で、鈴木選手はボールでのファイナル進出を決めている。
日本時間で17日午前3時半から行われる後半種目(クラブ、リボン)でも、二人の健闘を期待したい。
※ ↓ 「アフロディーテカップ」ライブ配信はこちらから。
https://www.ego-gymnastics.gr/2024/03/14/live-stream-aphrodite-cup-2024/
]]>そう鹿児島実業高校だ。
すでに神埼ジュニアの公式YouTubeで動画も公開されている。
※ ↓ 鹿児島実業のKAGF2024での演技はこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=ufiNORiOlRA
このところ公式大会ではすっかりまじめ路線で、着実に実績も積んでいる鹿児島実業だが、こういった演技会となると鹿実の真骨頂ともいえる「コミカル演技」を披露。そして、その完成度の高さと言ったら驚きなのだ。
最近の鹿実は、コミカル演技でさえも、ここ2年連続して全日本選手権にまで駒を進めている力はだてじゃない! そう示してくれる。
しかも。
今回のKAGF2024で演技披露をしたメンバーは6人全員が3年生。
インターハイなどでは控えに回っていた選手も含まれていた。
3月の頭といえば、3年生は部活をとっくに引退しているはず。それなのに、ここまでの完成度の演技ができたのはなぜなのか?
樋口監督に聞いてみると、「もう3年生はほとんど登校もしない時期になっても彼らはずっと練習にきて、ひたすらこの演技を練習していましたから。」という答えが返ってきた。
KAGFでの演技は彼らにとって「高校ラストステージ」だった。
彼はその舞台を最高のものにするために、もっとも解放感に満ち溢れた高3の卒業前という時期に体育館で汗を流していたのだ。
その努力は、この日の演技と、観客の歓声、拍手でおそらく報われたのではないかと思う。
そして、特筆しておきたいのは、鹿実のこの学年はほとんどの選手が新体操は高校始めだったということだ。
キャプテンを務めていた柳原選手は体操のスクールに通っていた経験はあったそうだが、他の選手たちは高校に入ってから男子新体操を始めたのだという。
それでも3年間でここまでになる。
それが鹿実の育成力だ。
ここ数年は全国でもトップレベルでは? と思うほどの部員数になっていた鹿実。
樋口監督は、「数は力です」とよく言う。
部員が多ければ、自然に競争が生まれ、みんながどんどん上手くなる。
追い上げてくる選手がいれば、レギュラーも気を抜けず、より向上する。
近年の鹿実は、まさにそんなチームになってきている。
KAGF2024での鹿実のパフォーマンスは、ただ面白いのでも、ただうまいのでもない。
「高校生が3年間、夢中になって打ち込めばここまでできる!」、そんな希望を見せてくれたのだ。
今回のKAGFでの様子は、3月20日のテレビ番組「てゲてゲ」(南日本放送)でも放送予定。
また、3月19~20日に埼玉県越谷市で開催される高校選抜大会にも、団体、個人とも鹿児島実業は出場する。
今年の3年生のうち3名は大学でも新体操を続けるのだそうだ。
さらに、4月にはすでに6名の新入生が入ってくる予定だとのこと。今年も鹿実の勢いは止まりそうにない。
]]>
この大会で上位になった選手が、コントロールシリーズ1位通過の喜田未来乃選手(エンジェルRGカガワ日中)とともに、パリ五輪出場権を懸けて、5月に行われるアジアシニア新体操選手権に日本代表として出場する。
※ ↓ この大会は、YouTubeでライブ配信が予定されている。
※ ↓ YouTubeで見られない場合は、こちらにもトライしてみてください。ジュニア部門は配信されていました。
https://www.ego-gymnastics.gr/2024/03/14/live-stream-aphrodite-cup-2024/
「アフロディーテカップ・シニアの部」はA~Dグループがあり、各グループ20名前後の選手が1日目(3月15日)にフープ、ボール、2日目(3月16日)にクラブ、リボンの演技を行う。
松坂選手、鈴木選手はともにBグループで、松坂選手が19番目、鈴木選手が22番目に登場する。Bグループの競技開始は、日本時間で26時20分(3月16日午前2時20分)とかなり見るのが難しい時間帯ではあるが、この大一番、ぜひリアルタイムで声援を送りたい。
なにしろ、この2選手は昨年のユニバーシティーゲームズで松坂3位、鈴木4位という大健闘を見せてくれた選手たちだ。海外の選手たちに交じるとひときわ小柄ではあるが、2人のスピード感あふれるキレのよい演技は、その迫力、ダイナミックさでまったく見劣りがしなかった。
※ ↓ 2023ユニバーシティーゲームズの記事はこちら。
http://gymlove.net/rgl/topics/report/2023/08/01/post-790/
長い間、日本では「小柄な選手では代表は無理」という風潮が強かったが、そこに風穴を開けてくれたのが松坂選手であり、鈴木選手だったように思う。
この2人のどちらかが、アジアシニアに出場すると思うと、ワクワクするが、それが「2人のどちらか一人だけ」ということには胸が痛む。
それでも。
どんな結果が待っているとしても、まずは、二人がこの舞台で力を出しきれることを、ただ祈りたい。昨年のユニバーシティーゲームズで見せてくれたあのワクワクする演技、「日本の選手たちやるでしょ?」と言いたくなるような演技を、ぜひ今回も見せてほしいと、遠く日本から応援したいと思う。
ちなみに、大会2日目(3月16日)のシニアグループBの競技開始時間は、日本時間で27時30分(3月17日午前3時30分)になる。かなり寝不足になりそうな日程だが、ぜひ配信を見たいと思う。
<写真提供:東京女子体育大学新体操競技部>
]]>幼いころから身体能力が高く、「おそろしく上手い子がいる」と目立つ存在だった。
そして、彼はその身体能力だけでなく、人間性の面でも抜けた存在だった。抜群のリーダーシップで常にチームのまとめ役を務め、後輩たちの面倒見もよい。「アサタクがいれば大丈夫!」そう思わせるものを彼はもっていた。
ところが、彼には意外と「悲運」がついて回った。
今回のKAGFでも二部のインタビューコーナーに登場し「ついてないアサタク」と言われていると自嘲していたが、本当に、あれだけ幼いころから活躍し続けてきていながら、手に入らなかったもの、もたくさんあった選手なのだ。
3連覇がかかっていた2020年の全日本ジュニアは、コロナ禍で大会そのものが中止になった。
また、当初予定とおりに2023年に佐賀国スポが行われていたならば、男子新体操国スポ復活の年に、彼は高校3年生で、おそらく佐賀チームのキャプテンだったろうに、これも、2020年の鹿児島国体が2023年にずれこんだため、なくなった。
さらにいうならば、彼が神埼清明に在籍していた3年間、神埼はインターハイで優勝していない。
高校選抜では驚異の3連覇を果たし、層の厚さを見せつけてきたが、インターハイ優勝にはいつも届かなかった。
神埼清明はずっと強かった。
浅田匠も、高校でさらに成長して力をつけた。
それでも「運」なんだろうか。
この3年間、おそらく彼が一番欲しかったものは、彼の手をすり抜けていった。
それでも。
多くの人たちが信頼を寄せてきた「アサタク」のリーダーシップは、今も健在だった。
佐賀県で初の試みとなった「KAGF」では、オープニングを飾る神埼ジュニア+神埼清明高校の集団演技を、彼は見事に仕切って見せた。
自分自身の出番は多くなく、縁の下の力持ち的な役回りに徹しながら、後輩たちをこの大舞台で輝かせた。
それも、みんな伸び伸びと楽しそうに自信をもって演じていることが伝ってきた。
後に続くものたちをこんな風に成長させられる。それがアサタクの持っている力だ。
浅田匠は、青森大学へ進学するそうだ。
今まで手に入らなかったものを、ひとつひとつしっかりと自分のものにしていく、彼にはそんな4年間を過ごしてほしい。
これまでに見舞われたいくつもの不運は、きっとこれからの4年間が最高の4年間になるための布石だ。
あなたがたくさん悔しい思いもしてきたこと、涙も流してきたことを知っているから、最高の笑顔を今度こそ見たい!
頑張れ、アサタク!
※KAGF2024大繩の演技動画(浅田匠選手インタビューもあり)はこちら
]]>8月に開催されるパリ五輪に向けて、出場権争いもいよいよ佳境を迎える。
昨年までに五輪出場を決めきれていないフェアリーJAPANにとってはまさにここからが正念場。
その初戦となるFellbach-Schmiden大会が3月2~3日、ドイツのシュツットガルトで行われた。
フェアリーJAPANは、この大会で団体総合、種目別と合わせて3つの金メダルを獲得した。
すでに日本体操協会の公式サイトには、強化本部による詳細なレポートも載っているのでぜひこちらを見てもらいたい。
※ ↓ 日本体操協会の大会レポート
https://www.jpn-gym.or.jp/rhythmic/event/36630/
また、日本体操協会の公式サイトに、五輪出場資格についてわかりやすくまとめたものが公開されているので、こちらも参照してほしい。
※ ↓ パリ五輪出場資格について
https://www.jpn-gym.or.jp/topics/31987/
日本がパリ五輪に出場するためには、この「大陸枠」の「アジア枠(1)」を狙うしかない。
それが決まるのは、2024年5月にタシケント(ウズベキスタン)で開催される「アジアシニア新体操選手権」。
開催国であるウズベキスタンももちろん、五輪出場を目指して必死、さらにカザフスタン、アゼルバイジャン、韓国など、アジアからは中国以外はまだ出場権を獲得できていないため、どこも猛烈に追い上げてきている。
そんな中で日本がアジアナンバーワンになり、五輪へと駒を進めるためには、アジアシニア本番での演技が最重要なことはもちろんだが、これからアジアシニアまでの国際大会で「やはり日本が強い!」と印象づけることもおおいに重要となってくる。
現時点で、今後、フェアリーJAPANの出場が予定されているのは、
●3月22~24日:WCパライオファリオ大会(ギリシア)
●3月30~31日:ティエグランプリ(フランス)
●4月12~14日:WCソフィア大会(ブルガリア)
●4月19~21日:WCバクー大会(アゼルバイジャン)
これらひとつひとつの大会がパリ五輪への試金石となる。
そのスタートとなる今回のFellbach-Schmiden大会で、五輪枠を争うライバルであるウズベキスタン、カザフスタンもいる中での団体総合+種目別で3つの金メダル獲得は、非常に幸先のいいスタートと言える。とくに、勝負を懸けて、作品を新しくした「フープ×5」が、非常に高い評価を得たことは、明るい材料だ。
今大会でも、実施はパーフェクトだったわけではない。が、それでも、これだけの評価を得ているのだから、あとは精度と質を上げていくだけ!
そんな手ごたえをつかむことができた大会ではなかったか。
5月のアジアシニア新体操選手権まで。そして、パリ五輪まで。
フェアリーJAPANの行く手は決して平坦ではないが、だからこそ、過去最高に応援したい!
今のフェアリーJAPANは、そう思わせるチームだ。
]]>伝統的に女子新体操も盛んな佐賀県という土地柄だけに、見ごたえ十分な演技が目白押しです。
しかも!!!
ゲストとして2021年の東京五輪、世界選手権にも出場した喜田純鈴さんも登場! 演技を披露してくださいます。
昨年末の坂出フェスティバルでもゲストとして演技披露されましたが、現役時代よりも一段とあでやかさが増した素敵な演技でした。
現役引退はされたと言っても、技術的にもまだまだトップレベル!
オリンピアン・喜田純鈴さんの演技も見られる「KAGF」に、ぜひ足をお運びください。
※「KAGF」のチケット予約受付は終了しました。まだチケットを手に入れてない方は、当日現地での販売もありますので、現地でお買いお求めください。
]]>まだまだ先のような気がしていましたが、なんともうこの週末です!
佐賀県での初開催となる新体操の大イベント「KAGF」がいよいよ開催されます!
新体操イベントとしての充実ももちろんのこと、マルシェやキッチンカーなどのお楽しみもどんどんもり沢山になってきていて、これは大盛況になりそうです。なんなら「新体操は興味なし」な人でも楽しめちゃうかも。
先週末のSANIX CUPでも大活躍だった神埼ジュニアも、このイベントに向けて一丸となって練習に励んでいます。
大繩を指導していたのは、浅田匠選手(神埼清明高校3年)! もとよりリーダーシップには定評のあった浅田選手は、小さい子ども達の指導もお手のもの。みんなワイワイと楽しそうに、それでいて「すんごいこと」にも果敢に挑戦していました。
競技作品だけでなく、こういったエンタメ作品も見られるのが「KAGF」の魅力でもあります。
オリンピアンの喜田純鈴さんも出演予定ですが、喜田さんもすでに現役は引退されているので、競技とはまたひと味違う、魅力あふれる演技を見せてくれることと思います。
チケットまだ手に入れてない! という方はお急ぎくださーい!
「KAGF」、いよいよ始まりますよ~~~~!!!!
※イベント詳細・チケットお申込みは上の画像のQRから!
]]>
いよいよ発表会ラッシュの3月になりますね。
すでに2月後半からいろいろなところで始まっていますが。
告知などしたいクラブ、学校などありましたら、ぜひ情報をお寄せください!
さて、今週末は、佐賀では初開催となる新体操イベント「KAGF」がありますが、関東ならこれ!!!
町田市新体操連盟の「第37回新体操発表会」です。
昨年の全日本ジュニアでの見事すぎる団体優勝がまだ記憶に新しい町田RGの選手たちも出演するこの発表会では、町田RGの競技クラス、一般クラス、中体連クラスほか同じ町田市で活動する南三小新体操クラブなど、「新体操大好き!」な子ども達の元気いっぱいの演技をたくさん見ることができます。
ここ数年はコロナ禍で、観覧を関係者に限定して行われてきましたが、今年は久々に一般の観覧も解禁とのこと。
新体操をやっているお子さんはもちろん、「これから新体操始めてみようかなあ」というお子さんにもぜひ見てもらいたい魅力あふれる発表会です。
観覧希望の方は、12時30分の開場時間までに町田市立総合体育館(JR横浜線・成瀬駅)に来てもらえれば、関係者席以外の空いている席で観覧できるそうです。
長い発表会なので、全編見るのは無理! という方も、ぜひ一部分だけでも見ていただければ、新体操の楽しさを感じてもらえると思います。
また、発表会翌日の3月3日(日)には、町田RG競技クラスの選考会も予定されています。こちらはなんと未経験者も応募可能。
小さいうちから正しい技術を教わり、頑張れる力を養っていくことで、思った以上の成果を上げられる可能性があるのが「新体操」という競技です。
「新体操の選手を目指してみたいな」「もっと上手になりたいな」と思っている方は、ぜひ挑戦してみてください。
※選考会の情報、申込書は以下のホームページにあります。
https://machidashitaisourenmei.jimdofree.com/
]]>
2024.2.10. at 神埼清明高校
]]>
2024.2.10. at 神埼清明高校
]]>九州のチームをはじめ、今年は坂出ジュニア、キートス新体操クラブも参加する同大会ですが、なんといってもその中心をなすのは佐賀県のチーム。昨年の全日本ジュニア団体で優勝の神埼ジュニア新体操クラブ、3位の佐賀ジュニア新体操クラブ、10位の水俣ジュニア新体操クラブが顔をそろえているので、次世代を担うキッズ~ジュニアの熱い戦いは必至!
また、1日目の個人競技には、3月の高校選抜出場選手、さらには9月の国スポへの出場が有力視されている選手らがオープン参加で演技を披露します。
そろそろ男子新体操の大会が見たいな~と思われる方、ぜひ足をお運びください。
以下は、今大会でも活躍が期待される全日本ジュニアチャンピオン・神埼ジュニア新体操クラブの練習風景(2/10撮影)です。神埼ならではの力強さだけでなく、美しさにも磨きがかかってきたこのチームに注目です。
※SANIX CUP日程
●2/24:9時40分競技開始(キッズ→ジュニア低学年→ジュニア高学年→ジュニア→シニア)17時35分競技終了予定
●2/25:9時25分競技開始(キッズ→ミックス→ジュニア→シニア)16時24分競技終了予定 競技終了後、表彰式と福岡大学男子新体操部によるエキシビション有
]]>