「体操界の美魔女たち」①~2016全日本マスターズ体操競技選手権大会

2016年9月3~4日、エスフォルタアリーナ八王子にて行われた「2016全日本マスターズ体操競技選手権大会」は、いわゆる「社会人大会2部」にあたる大会で、下は10代から上は、70代まで幅広い年齢層の体操愛好者たちによる、体操競技愛にあふれた大会だ。

かつては日本代表だった、などの輝かしい経歴の持ち主もいれば、小中学生のころからひたすら地道に体操を続けてきた、という人まで。男子も女子も、その演技からは「体操が大好き!」という気持ちが伝わってきた。

さらに、自分が演技を披露するだけでなく、他のチーム、他の選手に対しても、「頑張っている仲間がいる」という温かい視線と応援が注がれ、こういう体操愛好者が数多くいることが、「体操ニッポン」を支えているのだ、と感じることができた。

そんな中でも、女子の「ルーデンス・スポーツクラブ」は圧巻だった。登録選手5名中、4名が50代、1名が40代。

中には、かつて日本代表選手だった沢木綾子選手、藤本チフミ選手もいて、往年を彷彿とさせる美しい演技を見せてくれた。

全盛期と比べれば、当然、技術も体力も落ちている。それでも、「体操の楽しさ、体操の美しさ」を伝えようとする選手たちの姿勢に心うたれた。

そして、なんと言っても、チームが一丸となり、楽しそうなことと言ったら。

体操しかなかった青春時代から、おそらく結婚や出産なども経て、指導者としての紆余曲折も経験して、それでも、やっぱり「体操っていいでしょ!」と言わんばかりのこの演技にたどりつくことができた彼女たちの笑顔は、この大会で最高の輝きを放っていた。

PHOTO:Yuu MATSUDA        TEXT:Keiko SHIINA