第69回全日本体操団体選手権大会出場チーム(男子)

今大会の男子でもっとも注目されるのは、内村航平を擁する王者・コナミスポーツクラブ体操競技部が3連覇を成し遂げるか、というところだが、それはそうたやすいことではないと思われる。

コナミの連覇を止める可能性がもっとも高そうなのが順天堂大学だ。エースの加藤凌平、野々村笙吾が4年性となり、1年生には萱和磨、谷川航、千葉健太らのスーパールーキーもいる。2年生の早坂尚人も今年はほとんどの国際試合に出場と大活躍をした。大学生とはいえこれだけ平均値の高い選手がそろった順天堂大は、それぞれの選手が力を発揮できれば、コナミをも凌ぐ力は十分にもっている。現に、前回コナミが優勝を逃したのは、2012年。加藤・野々村が大学1年生のときの順天堂が優勝した年だった。

今大会でコナミを倒し、加藤・野々村が学生としての有終の美を飾ることになるのか注目したい。

また、大学生では順天堂大だけでなく日本体育大学も侮れない。白井健三はもちろん、岡準平、長谷川智将ら4年生にも力のある選手がおり、ユニバーシアードで大活躍だった神本雄也もいる。観客席の応援も含めたチーム力では日本一間違いなしの日体大は、団体戦となるといちだんと力を発揮するチームでもある。コナミを倒す可能性があるのは順天堂大だけではない、というところを見せてくれるだろう。

昨年はミスが多く、5位に沈んだ徳洲会体操クラブだが、今年は、ルーキーの武田一志ものびており、今年の世界選手権代表を惜しくも逃した田中和仁、斉藤優佑、亀山耕平も来シーズンに向けて力を蓄えてきているだろう。昨年の轍は踏まず意地を見せてくれるに違いない。

注目したいのは、昨年、予選4位でギリギリ決勝に残り、決勝では徳洲会体操クラブを破って4位になるという大金星をあげた鹿屋体育大学だ。昨年の快進撃から1年。今年も「鹿屋旋風」を起こすことができるだろうか。期待したい。

今大会は団体戦ではあるが、今シーズン最後の「全日本」の大会として、リオ五輪プレイヤーの締めくくりとなる。リオ五輪のかかった来シーズンに向けて勢いをつけられる演技をと各選手、意気込んでいるはずだ。また、シーズン最終戦ということで、今大会の演技が見納めになる選手もいる。

長年、鉄棒のスペシャリストとして観客を沸かせてきた植松鉱治(コナミスポーツクラブ体操競技部)もその一人だ。植松選手は今大会での引退を表明している。あの豪快な鉄棒の演技が今後見られなくなることを惜しむ声は多い。最後のパフォーマンスが植松選手らしい、納得のいくものになるよう、祈りつつ見届けたい。

 

【男子予選Ⅰ班】28日(土)13:30~

グループ1 筑波大学

グループ2 相好体操クラブ

グループ3 仙台大学

グループ4 早稲田大学

グループ5 市立船橋高校体操クラブ

グループ6 清風高等学校

グループ7 福岡大学

グループ8 関西高等学校

グループ9 鹿屋体育大学

グループ10 朝日生命

グループ11 ジュニア選抜

 

【男子決勝】29日(日)12:10~

◆シードチーム

グループ1 順天堂大学

グループ2 コナミスポーツクラブ体操競技部

グループ3 日本体育大学

グループ4 徳洲会体操クラブ

※シード4チームに、予選上位4チームを加えた8チームにより、決勝が行われる。

TEXT:Keiko SHIINA 

PHOTO:Yuki SUENAGA/Naoto AKASAKA

(写真は予想される出場選手のものを掲載しています。)