日本女子、団体予選で好スタート!~第46回世界体操競技選手権大会

10月23日から始まった第46回世界体操競技選手権大会は、1日目に女子団体予選(個人総合予選も兼ねる)が行われ、日本は第2班で登場した。

直前での選手変更、NHK杯チャンピオン・杉原愛子の故障など、不安も抱えた中での戦いとなった日本チームだが、1種目目・跳馬でその不安を払しょくした。

湯元さくら、笹田夏実、村上茉愛と3人目まで着地までほぼ決め、4人目の寺本明日香の着地にミスが出てひやりとさせるも、5人目の宮川紗江は危なげない安定した雄大な跳躍を見せた。

従来は、日本の苦手種目と言われていた跳馬で、4人目までが14点台という最高のスタートを切った。

 

2種目目の段違い平行棒では、1人目の村上が、しっかりとノーミスで演技をまとめ13・700。かつては段違い平行棒は苦手としていた村上だが、この大舞台で堂々たる演技。

跳馬の着地で頭をうったように見え、心配された寺本が2人目として登場し、跳馬でのミスを引きずらず、着地まで見事に決め、14・033。

続く、杉原、湯元、笹田とも落下も大過失もなく演技をまとめ、前半2種目を終了した。

 

 

勝負の鍵になると思われた平均台の第一演技者は、村上。かつては平均台での落下も少なくなかった村上だが、ここでは驚くべき安定感を見せる。

寺本、湯元、杉原と落下のない演技が続き得点も順調に重ねるが、杉原の採点に非常に時間がかかり、最終演技者の笹田が10分以上待たされてしまう。

笹田はやや集中を乱された感もあったが、よくこらえた演技で13・233。ここまで3種目で落下などの大きなミスはなく、よい雰囲気を保ったまま最終種目のゆかに向かう。

 

最終種目のゆかでは、第1演技者の湯元がすばらしい演技を披露。最終タンブリングの着地で手をついてしまい、得点は12・966となったが、それ以外の部分では高い評価を得た。

続く笹田は13・033、寺本13・766とゆかとしてはまずまずの得点を得て、日本はゆかのWエースの演技を残すのみとなった。

 

補欠からの繰り上がりで、ここまですばらしい演技を漬けてきた村上。海外のメディアが「今日の村上は燃えている」と実況するほど、エネルギーに満ちた演技は、得意のゆかでもゆるぎなく、14・100の高得点をたたきだす。

日本の最終演技者となった宮川は、村上からのバトンを受け取ったといわんばかりの会心の演技。D6.300という圧倒的な演技構成を8.600という高い実施点でやりきり、海外のメディアも驚嘆と称賛を惜しまなかった。いわばシナリオとおりの衝撃世界デビューとなった。

第2班の演技を終えて、チーム得点223・863の日本が2位のルーマニアに6・643点差をつけての暫定首位に立った。

その後、第3班で、カナダが高得点を連発し追い上げてきたが、1・083点という僅差で3班終了時点で、日本が暫定首位を守っている。

23日には、第6班までの12か国(イギリス、ブラジル、イタリア、ロシアなど)が演技を行い、24日に残り12か国(中国、アメリカ含む)が登場し、24か国中の上位8チームが27日の団体決勝に進むことができる。

リオ五輪出場をかちとるためには、「団体8位以内」が必須。まだまだ楽観はできないが、日本としては最高に近い結果を出せた予選と言える。

平均年齢が18歳を切る若い今年のチームは、勢いにのると120%の力も出してくれそうだ。

今日の予選での雰囲気を忘れることなく、決勝でも「強い(強くなった)日本女子」を世界に見せてつけてほしい。

※日本体操協会による大会レポートはこちら ↓

http://www.plus-blog.sportsnavi.com/jpngym/article/2407

※フジテレビ世界体操公式ホームページに「予選ハイライト」の動画がアップされています。

http://www.fujitv.co.jp/sports/gym/world/special.html

※スポーツナビの「動画」サイトにも、動画アップされています。

http://sports.yahoo.co.jp/video

 

追記:予選1日目を終えての暫定順位は、ロシア、イギリス、イタリア、日本となっている。

TEXT:Keiko SHIINA         PHOTO:Yuki SUENAGA(2015全日本種目別選手権のもの)