第68回全日本体操種目別選手権予選(女子)レポート

本日(2014年7月5日)、千葉ポートアリーナにて、第68回全日本体操種目別選手権の予選が行われた。

今大会は、「第45回世界体操選手権大会」「第17回アジア競技大会」の日本代表を決定するための最終選考会となる重要な試合で、女子は、のべ45人の選手が出場し、熱戦が繰り広げられた。

 

●跳馬

 予選の跳馬で首位に立ったのは、先日のNHK杯の結果、ユースオリンピックの日本代表選手となった宮川紗江(セインツ体操クラブ)。高さがあり、空中姿勢も美しい跳躍で、着地での移動も最小限にとどめ、2本の跳躍の平均で14.525をマークした。

 2位には、この種目で優勝して日本代表への望みをつなぎたい村上茉愛(池谷幸雄体操倶楽部)が、14.350で入った。

 3位は15歳の平井美優(四天王寺スポーツクラブ)、4位には14歳の河崎真理菜(とらい体操クラブ)と、ジュニア選手たちの躍進が著しく、以下、5位・池田正美(駒澤クラブ)、6位・寺本明日香(中京大学)、7位・湯元さくら(ならわ体操クラブ)、8位・本間未来(県立岸根高校)までが明日の種目別決勝への進出を決めた。

 

●段違い平行棒

 首位通過したのは、今年の全日本選手権を直前の故障により棄権したため、今期初の全日本の大会となった内山由綺(スマイル体操クラブ)だった。線の美しい体操は、健在で、やや緊張感は感じられるものの、非常にていねいな実施で13.550をマーク。2位の寺本明日香を0.1差でかわした。

 全日本以来、段違い平行棒を課題としている寺本だが、今回は倒立が少し流れたような部分もあったがそれも最小限に抑え、確実な演技を見せ、13.450。3位には、跳馬でも決勝進出を果たした河崎真理菜が13.400で入った。4位は、大学生になってから安定感も増し、すでに世界選手権への出場を決めている井上和佳奈(筑波大学)、同じく4位に大瀧千波(国士舘大学)が13.300で並んだ。

 6位・本田美波(尼崎市立尼崎高校)、7位には、佐藤亜希穂(日本体育大学)と山本優理子(戸田市スポーツセンター)が13.050の同点で並んだ。

 明日の種目別決勝には、ここまでの8名が出場する。

 

●平均台

 世界選手権出場のためには、この種目別選手権で、1つは優勝を勝ち取らなければならず、段違い平行棒と平均台のみに出場していた美濃部ゆう(朝日生命)だが、段違い平行棒では落下のミスが出て、15位に沈んでしまった。残るは、この平均台しかない、という追い込まれた状況で、美濃部の平均台はゆるぎなかった。とても幅10センチの台の上とは思えぬ躊躇のない安定した演技で、14.150をマークし、首位に立った。

 2位には、全日本選手権で3位となり、初の世界選手権出場の期待もあったが、NHK杯の平均台で複数回の落下があり、涙をのんだ平岩優奈(三菱養和体操スクール)が、NHK杯の悪夢を払拭する14.050のすばらしい演技で入った。3位は、安定感のある演技を見せた寺本明日香、4位には、今期初の全日本の大会となった野田咲くら(朝日生命)が入った。

 5位の桒嶋姫子(戸田市スポーツセンター)は、12歳ながら、2つのF難度を組み込んだ難しい構成をミスなく実施。13.600のハイスコアをマークした。6位の湯元さくら、7位の井上和佳奈、8位の本田美波までが、種目別決勝に進出する。

 

●ゆか

 首位に立ったのは、全日本選手権、NHK杯の2冠に輝き、のりにのっている笹田夏実(日本体育大学)。今大会では、段違い平行棒、平均台にも出場していたが、いずれも落下があり、力を出し切れなかったが、ゆかでは本領を発揮。13.300でトップに立ち、女王の貫禄を見せた。

 2位には、脚力をいかした高さのあるタンブリングで魅せる永井美津穂(日本体育大学)が笹田に迫る13.200で入った。同じく2位には、昨年の世界選手権ではゆかのファイナリストとなった村上茉愛。4位も、井上和佳奈と宮川紗江が13.100で並んで入った。6位には、13歳の梶田凪(山梨ジュニア体操クラブ)が入り、7位の土橋ココ(レジックスポーツ)、8位の湯元ゆりか(ならわ体操クラブ)も14歳と、ジュニア選手がこの種目を圧席した感があった。

 

予選の結果、各種目8名ずつの決勝進出者が決定したが、笹田夏実、寺本明日香、井上和佳奈の3名はすでに世界選手権への出場を決めており、決勝進出者の中でも、宮川紗江、梶田凪、土橋ココ、湯元ゆりか、桒嶋姫子、河崎真理菜は、世界選手権出場には年齢が足りない。

 

となると、世界選手権日本代表選手の残り3枠に入る可能性が高いのは、村上茉愛、美濃部ゆう、平岩優奈あたりだろうか。明日の決勝に注目したい。

 

※全日本体操種目別選手権決勝は、7月6日(日)、11時20分(男子)、11時50分(女子)競技開始です。

 また、7月6日(日)16:00~17:20(男子)、25:45~27:15(女子)、日本テレビにて放送されます。