田中理恵選手、現役引退!

2013年12月19日、田中理恵選手の引退会見が行われた。

兄・和仁、弟・佑典とともに2012年のロンドン五輪に出場したが、そのとき、すでに25歳。女子体操選手としては異例の遅咲きだった。

 

そして、なんと言っても、田中理恵といえば、トレードマークの「笑顔」。

たしかに、常に笑顔を絶やさない選手だった。

 

2010年に初出場した世界選手権で「ロンジンエレガンス賞」を受賞してから一躍注目が高まり、ときにはそれがストレスになることもあったのではないかと思うが、そんなそぶりはまったく見せない選手だった。

たとえミスが出た試合でも、悔しい結果に終わった試合でも、記者会見ではきちんと受け答えし、暗い表情は見せなかった。下積みが長かった分、注目される選手であることへの感謝の気持ちをもっている選手だったように思う。

 

ティーンエイジャーのうちに花が咲かなくても、あきらめることはないということを示してくれた田中選手は、女子体操選手の大きな希望だった。引退後は、母校である日本体育大学で教員になるという。挫折もたくさん知っているだろう選手だけに、体操の現場にい続けてくれることの意義は大きい。

 

今シーズンは、競技に出場することのないまま引退となったので、結果的には、2012年11月の全日本種目別選手権が引退試合だったことになる。最後の試合での田中選手の表情をここに留めておく。今後の活躍にもおおいに期待したい。

2012.11.4  at  代々木第一体育館 PHOTO by 榊原嘉徳    TEXT by Keiko SHIINA