笹田夏実&村上茉愛インタビュー

全日本団体決勝が開催された日、世界選手権報告と、観戦に来ていた村上茉愛選手と笹田夏実選手にインタビューが行われた。
 
 
 
◎村上茉愛選手
 
世界選手権を振り返り、「世界選手権はゆかと跳馬でのエントリーだったが、ゆかでは自分の中でベストの演技ができたので、そこはよかった。しかし、世界のトップレベルの選手たちと比べると自分はEスコアが足りないので、Eスコアをあげて綺麗な演技をすることをもうちょっと頑張らないといけない。
自分らしい演技ができるようになりたい。」と、冷静に自分の演技を見つめていた。
今後については「今回は2種目だけだったが、これからはミスをなくして、個人総合で戦っていきたい。」と、やはり個人総合で戦うことを目標にしていた。
彼女は日本が点数をとれないゆかと跳馬が得意で、そこでしっかり世界と戦える実力を持っている。世界選手権でも、そのことをアピールできた。この先チームとしても世界でトップを狙える日本女子を作っていける欠かせない存在だと思うので、彼女のこれからにより一層期待したい。
 
 
◎笹田夏実選手
 
今大会には出場していないが、今の状態は「日本に帰ってきてから体の調子がよくなかったが、今は落ち着いてきている。」と笑顔を見せる。
世界選手権は「いつもテレビで見ているような選手の中でやっていて緊張した。最後まで自分の演技ができることは大切だなあと思った。世界選手権で他の選手の演技を見て、美しさは負けてないと思うけど、自分には技に高さがないなと思った。」と現地で感じたものから、自分を見つめて改善点を導き出していた。
今後は「中2、中3のときが1番身体も動いていたので、そのときと同じくらいまでできるようになりたい。そして基礎の練習を生かして、更に上げていきたい。村上選手にも寺本選手にもそれぞれいいところがあるので、自分も自分の良さを伸ばしていきたい。」と今後の目標を語る。
結果としては残念な順位になってしまったが、彼女があの舞台で得られたものはとても大きかったと思う。昨年の五輪代表戦で悔しい思いをして、今回代表に選ばれた世界選手権では決勝で悔しい思いをする。これは決してマイナスではなく、今後の飛躍に繋がるはずだ。もちろん、彼女がもうずっと入れ続けている平均台の上りの技を成功させたことも、とても強みになると思う。もう次を目指しており、来年の全日本では演技内容だけでなく、選手として新しい彼女が見られると思うと、いまからとてもわくわくする。
 
 
どちらも世界選手権で得られたものを感じ、それをしっかりと見つめながら次の目標に向かっていることが感じられたインタビューだった。
来年は男子だけでなく、女子もより熾烈な代表争いになること必至である。
きっと今以上に選手同士が刺激し合い、きらきら輝くのであろう。
そんな選手たちの姿を見るのが今から楽しみである。
 
PHOTO by Yoshinori SAKAKIBARA   TEXT by umi